家庭で出来るエシカルなこと
サステナビリティー関連記事を読んでいたら遭遇したデータの一つに、
全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)による「家庭部門における二酸化炭素(CO2)排出の動向」がある。
脱プラばかりに気を取られていた私にとって、この調査結果は興味深い。
家庭から排出される温室効果ガスの一種、二酸化炭素量のうち約半分弱が、電気からだというのだ。
温室効果ガス(GHG): 地表を温める気体で、これが温暖化を生んでいる。具体的には、二酸化炭素•メタン•フロン•水蒸気•一酸化二窒素などを指す。
出典:国立環境研究所温室効ガスインベントリオフィスウェブサイト「日本の1990-2017年度の温室効果ガス排出量データ」(2019.4.16発表)
そして、その電力使用の内訳は以下の通り。
最も高いのは動力だが、これは、照明・冷蔵庫・掃除機・テレビといった、電気を使用するも、他の用途に含まれないものが該当する。
出典:国立環境研究所温室効ガスインベントリオフィスウェブサイト「日本の1990-2017年度の温室効果ガス排出量データ」(2019.4.16発表)
さらに、機器別電機使用量内訳は以下の通り。
使用量の多い割合順に、冷蔵庫、照明器具、テレビ、エアコンと続く。
出典:資源エネルギー庁ウェブサイト(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/what/)
環境省と国立環境研究所がとりまとめた、
「2018年度(平成30年度)の温室効果ガス排出量(速報値)について」によると、
日本全体の二酸化炭素排出量に対して、電力使用の華々しい貢献によって、家庭のそれが占める割合は15%弱
電力使用量を含めこの数値を軽減していくことが、私たちが個人レベルで出来る努力の一つとなるわけだ。
待機電力の削減
家電を使用していなくても、コンセントが繋がったままだと電気は流れてきている。使用していない家電プラグは抜くか、スイッチ付き電源タップをOFFにしよう。
炊飯器や電気ポットなどの保温時間も短く保ち、夜を跨いだ保温は控えよう。私たちが寝ている間は、電化製品もなるべく寝かしつけてほしい。
省エネ家電製品の選択と使用
冷蔵庫など常に使用を迫られる家電は、「それでは電源をOFFにしましょう」という簡単な話には収まらない。常用を前提として省エネ製品を選ぶことで、使用中の消費電力を減らすことを考えよう。
また、冷蔵庫は壁から適度なスペースを空けて設置し、食品を少なめに入れることで電力使用量を下げることができる。
扉の開閉回数を減らすのも忘れずに。
エアコンの設定温度の見直しと手入れ
夏は28℃、冬は20℃を目安(環境省推奨)に設定しよう。また、フィルターや室外機のこまめなお掃除もかかさずに。室外機の上はモノを置かず、綺麗にしておこう。
代替品の使用を検討するのも良いだろう。扇風機や湯たんぽ、膝掛け、また、衣類でも温度調節は可能だ。マイ扇子を持つのも洒落た選択だ。
LED照明の活用
白熱灯に比べて電力消費が少なく、長寿命なLEDライトを取り入れよう。
そして照明の種類以前に、人がいない部屋の電気は消すように。
太陽光の活用
朝型にシフトし、夜は早めに寝ることによって、テレビや冷暖房、照明に使用する電力を抑えることができる。毎日が難しい人は、週に1回などと目安を決めて、定期的に取り入れるのも良いだろう。
読書のすすめ
電気使用量第3位に位置するテレビ。これを機に、書籍・雑誌・漫画といった活字に触れる機会を多くもってはどうだろう。
シャワー使用量の削減
電気でお湯を沸かしている場合は、こまめにお湯を止めながら使用しよう。また、冬場など乾燥しやすい時期は、毎日念入りに髪や体を泡で洗うことは控えてもいいのかもしれない。
公共機関の活用と運動のすすめ
自家用自動車の使用による二酸化炭素排出量も、23.3%と2番目に大きい割合を占めている。
自家用車で移動する代わりに、別の手段はとれないものか考えてみよう。近場なら、徒歩や自転車でいくことはできないか、また、電車やバスに乗ってはいけないものか検討してみよう。
電源構成がより環境に優しい電力供給先の選択
FIT電気の割合が高い電気供給先や、電気料金の一部で自然環境保護活動に募金の出来るプランの選択をしよう。
FIT電気: 固定価格買取制度の下、再生可能エネルギー(太陽光、風力、バイオマスなど)によって発電された電気。FITは、Feed-in Tariffの略で、この電力は政府が買取価格を保証している。
Power-shift.orgに自然エネルギーによって発電された電気を供給する電力会社 一覧がまとめてあったので、シェアしておこう。
家庭で出来るエコロジカルな努力には、デフォルトである仕組み(家電と電力供給元)と習慣の地道な見直しが鍵となる。
習慣と聞くと、少し耳が痛くもある。それは時にやっかいだ。「変わる」のが容易でないことは、スイーツを前に「ダイエットは明日から」と唱える者に聞けば熱心に教えてくれるだろう。
幸い弛まぬ努力の結果は自身で支払う電気代に反映されるところで、国民の協力を仰ぐことにつながっていると思われる。
例えばサステナブルな電力供給先を選択かつ節電した結果が、日本人の大好きなポイント還元に繋がっていけば、より多くの関心を惹き、大衆が行動力を発揮し始めるのだろうか。
満開の桜が見頃のこの時期は、桜の木を植えてくれるなんてのも素敵な計らいだなんて、呑気な妄想は膨らむ。
家で過ごす時間が増えた今こそ、家庭における日々の行動を改めて振り返ってみてほしい。
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