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戦略的ダメ母ちゃん

物心ついたころから、「しっかりしてる」って言われ続けてきました。
こんにちは、しっかり者歴40年超の私が通ります。


保育園時代

年少児の人数が定員オーバーになったから?、1年たたずにたった一人で1学年上のクラスに合流させられた3歳児は私です(今だったらあり得ない)。「みほちゃんなら平気でしょ」って周りの大人に言われたのが、しっかりしてるシリーズの最初の記憶かも。
いくらしっかりしてても幼児の1年の差は大きくて、先生が私に手間をかけるものだから、周囲からの嫉妬を集めて、しっかりいじめられましたけどね。

小学校入学

グループ分けの時とか、クラスでちょっと手間のかかる友達は絶対に私の班に割り振られたし、いつも「あっちのグループはいいなぁ」って思って自分のめぐりあわせを呪いつつ、諦めてた。

小学校中学年

「子どもだけで買い物!?ダメよ!え?美穂ちゃんが一緒なの?じゃぁいいわよ」って、友達の親に母親代わりかよって扱いされたし、
ヒステリックな担任に「どうして美穂ちゃんまで一緒になって騒いでるの!?」ってブチ切れられたこともある(母にぼやいたら「まぁ、あなたはお給料もらってないからお友達と一緒にふざけてもいいんじゃないの?」って、ちょいちょい休ませてくれましたけどね)。

小学校高学年

放課後なぜか私だけクラスに残って学級運営の相談されたりもしたなぁ……いや、この先生はプライベートで遊びに行かせてもらうほど仲良しの先生だったのですが。
次の学年でも持ち上がりで担任したいその先生に、「美穂ちゃん、クラスのみんなに声かけて『来年も担任にしてください』って学校に働きかけて」って頼まれて、内心「えっ」って思いつつも断れる空気ではなく、しぶしぶリーダー格男子に電話して、クラス全員の学校への投書を取りまとめたりしたなぁ・・・(これも今となってはあり得ない。そして結局は違う先生が担任になった)。これ頼まれたのはすごくいやだったなぁ。その時はわからなかったけど、今となっては自分をよしよしってしてやりたくなる。

「しっかり者」の呪縛

――そんなこんなで、私はしっかりしている自分以外の生き方を知りません
もっと隙があってもいいんだよ、的なことを言われても、いや、今さらそんなこと言われても、っていうね。
突然はしご外されたって、「は?」って感じ。もちろん、他の方法を選べる私だったのだから、自分の責任(?)ではあるけれど、それでも「こういう私でいてくれることが都合よかったんでしょ」って、すごく思う。

――と、前置きがすっかり長くなりました。
(なんと、ここまでが前置きですよ!奥さん!!!)


ダメ母ちゃん到来

子どもが生まれてからも、もちろんしっかり者は健在。
もちろん、根っこは適当だし面倒くさがりなのですが。

一方で、「しっかりしていない私だと価値がない」という固定概念に縛られてもいる。頭ではそんなことないってわかっているし、失敗してもみんな受け入れてくれるってわかっている。けれど、今でも自分や子どもが約束に遅れそうになったり、忘れ物が判明すると一瞬でブチ切れてしまうのは、しっかりしていない自分にがっかりされることに対してパニック起こしちゃうってことでしょうね。

家ではかな~り適当でも、周りから見ると「美穂さんすごいね!」「がんばってるね!」と言われることが多くて、「はて、どうやったらみんなに家の中での適当さが伝わるのだろうか……」とすら思うわけですが。

そんな私を、明らかにダメ母ちゃんにする方法を、ようやく見つけました。
それが、「スイカゲーム」でございます。

昔から、RPGみたいな論理とか戦略とか経験値とかを積み上げてコツコツ進めるゲームより、目の前のものを捌くテトリスのようなゲームを圧倒的に好む私。

これまで、長きにわたって家に鎮座するSwitchに1mmも興味を示さず、子どもに頼み込まれても「集まれ動物の森」に手を付けなかった私ですが……動画で見た時からこの「スイカゲーム」にはヤバさを感じていました。

そして、予感的中。
始めるとやめられない……。ルールを守る我が子を横目に、エンドレスリピート。

最初は
「ママはがんばり屋さんだから!いいんだよ、何回もやっても!」
と声をかけてくれていたママ至上主義の次女でさえ、
「え、ママ、まだやるの?…さすがに心配。テレビ見ようと思ったんだけど……」
――引いてる。子どもたちが引いてる!!!!

動き始めた子どもたち

胸を張って約束を破り続ける大人、よくないよなぁ。
家族からの信頼残高、もうマイナスかも。
ってか、さすがに夫に禁止令出される!?
唯一いいこととしては、
大人でさえたちまち堕落する姿を子どもの目に焼き付けられたことか!?

と、葛藤しながらコントローラーを操作し続ける私…(おい)。

私「あ~、夕ご飯の仕度しなくちゃいけないのに!!!」(いや、やれよ)
のたまう私に、天使のような声が……!

「ママ、お手伝いしようか?何かできることある?」

次女が……動き始めたのです!

洗濯物を畳んだり、お米を研いだり……

あれ?
これ、いわゆる「親がしっかりしてないと子どもがしっかりする」ってやつ?今までやりたくてもやりかたわかんなかったアレが、コレ?

いいじゃん!子どもの自立を促すゲーム、いいじゃん!!(違)

―――――

齢43歳にして、圧倒的にダメになる方法を見つけた私。
――いや、ゲームをし続けて時間を溶かすこの行為自体は、「好きな自分」からどんどん乖離しそうなので改善の余地はありそうですが……。
何はともあれ、私がダメになっても失うものばかりじゃないし、むしろ磨かれるものがある。何より、しっかりしていない私を、子どもは相変わらず愛してくれる。

かつて大人によってかけられた呪いを解いてくれたのは、2人の我が子、と言えるかも。

ってことで、今回ようやく見つけたダメ母ちゃんのスイッチ1つ目。これからも引き続き、戦略的ダメ母ちゃんのバリエーションを増やしていければ(ぜひみなさんの方法も教えていただきたく存じます)。

ってことで、他の方法が見つかっていない今、仕方ないから今日も今日とてスイカと戯れようかなぁー、仕方ないからさぁ。(違)


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