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"書くこと"のルーツは、学生時代に愛読したある小説だと気づいたら、もっと楽しく書けるようになった

10代半ばごろから、媒体を変えつつも、いまもこうやって言葉を綴り続けている私ですが、”書きたい!"と思う動機や、”書くこと”のルーツについて、特別、深掘りすることはありませんでした。

でも、掘り下げるきっかけは突然に。とある日の夕方。福岡は、薬院駅前の横断歩道を渡っているときに、ふと思い出したのは、”とある小説”の主人公のことでした。

”書きたい!"と思う衝動

noteやInstagram、またはTwitter、以前ならブログなど、日々起こる出来事や心の内を言葉にして残すことが私にとっては日常。

ただそれは突発的なタイミングのものも多く、例えば、街を歩いているときや、お家で食器を洗っている最中に過去の出来事のことをふと思い出し
て"書きたい!”と思うこともあれば、出来事の渦中に思うときもある。文章の冒頭部分やキーワード的なフレーズが、頭の中で、まるでナレーションかのように流れ出すのです。

とはいえ、私の脳内ではすぐに消えてしまうため、"ああ、書き残したい!残さないと消えていく!早く書かなきゃー!"と、焦燥感を感じて、すぐにメモや記事に残します。書き残せる状況ではなく、瞬時に脳内から消えていくこともしばしば。

誰かに頼まれているわけでもない、この、謎の職業病のような感覚と衝動は、高校生のころからずっと、私の日常となっています。

一冊の本との出逢い

さて、話は戻り、冒頭で触れた”とある小説”というのが、『プリンセス・ダイアリー』。アメリカの小説家・メグ・キャボット(Meg Cabot)さんの代表作。和訳本は全13巻のシリーズ化もされていて(調べたら「ハリー・ポッター」につぐ全米チャート第2位!」と出てきました。そんなに有名だとは知らなかった!)アン・ハサウェイ主演で『プリティ・プリンセス』という名前で映画化もされています。

タイトルの通り、ある日突然ヨーロッパの小国のプリンセスになる、高校生主人公・ミアのニューヨークを舞台にした物語。私が読んでいたのは15年以上も前のことなので細かな内容までは思い出せていないけど、ミアが、自分の日常の出来事をユーモアたっぷりに綴る日記小説です。

私が、この『プリンセス・ダイアリー』に出逢ったのは、中学〜高校生のころによく通っていた、地元の隣町の図書館。そこには、『プリンセス・ダイアリーシリーズ』をはじめ、メグ・キャボットさんの小説(代田亜香子さん和訳)がたくさん揃っていた。なぜ、私が『プリンセス・ダイアリー』を手に取ったのか?理由は全く記憶がないけれど、きっと装丁の可愛らしさと、パラパラと小説をめくったときの読みやすそうで面白そうな内容に惹かれたのかな。

実際に、とっても面白く、大好きなシリーズでした。

かわいいイラストと色づかいの装丁にも、惚れ惚れ

ミアとわたし

物語のはじまりでは、ミアは自信がない女の子だったけど、プリンセス生活と、ニューヨークでのハイスクール生活の中で、シリーズを通して成長著しくどんどん逞しくなっていく。ただ、プリンセスと言えど、大人しくしているわけでは全くない。”自分の気持ちに正直に生きるタイプのプリンセス”だ。

そんなミアは、突拍子もない出来事があれば都度日記に書き殴り、心配なことがあれば、日記に相談するように語りかける。彼女の感情を整理するかのように綴られる日記(小説)を、同世代で同じ学生だった私は、続々と読破していくのです。

こうして、知らず知らずのうちに、私は『プリンセス・ダイアリー』に大いに影響されていくこととなります。
特にあの当時、高校生の私が書くブログの文章や言葉尻は、喋り口調さえもミアっぽい自覚があった。わざわざ真似しているというよりは、大好きで読み過ぎた結果、ミアが私に刷り込まれていたのだと思う。以前から、学校の課題作文や小論文などの言葉を書くことは好きだったけど、それとは違うベクトルで私の文章力が培われていった時期です。

そして、先ほど書いた、書くことに対する、謎の職業病のような感覚と衝動も、恐らくこの影響。ミアが、日常を日記に書き残すように、私もブログに日常を書くようになっていったのです。

毎日は特別な物語

ミアが綴る日記は、私にはとても刺激的だったけど、同時に親近感も感じたのだと思います。だって、プリンセスではない私の毎日にも、日々いろんな出来事が起こり続けるものです。

ほかの誰かにとってみれば、何でもないような日々の些細な出来事も、私には、とても特別でドラマチックなものに感じられたり、また、ひとつの物語のように丁寧に書き残したいと思う節があります。”大袈裟なのかな?”と、その感覚を、自分でもずっと不思議に思っていたけど、きっと『プリンセス・ダイアリー』に憧れて、身につけたように思います。

でも、この感覚、私はとても気に入っています。
人生をより楽しめているような気がするから。

ルーツがわかった先に

⁡”書くこと”については、仕事にしようと思えるほど私の日常となっているので、わざわざ深く掘り下げることもなかったルーツ。だから『プリンセス・ダイアリー』との繋がりも、すっかり忘れていました。

だけどあの日、横断歩道上で思い出したんです。「ミアってこんなふうに書き残していたよな〜」と。まるで、中学生の頃の友達を思い出したような感覚でした。その後、芋づる式に思い出した結果、まさか、こんなにも大きく大きく影響を受けていたとは思いもしなかったけど。


でも、よかった。

ルーツがわかったいま、長年の自分の不思議もスッキリ解消されて、”書くこと”をより肯定的に、より楽しく思えています。
だって、私にはミアという強力な味方が付いている、頼もしく、うれしい限りだ。


久しぶりにミアに会いたいから、
この夏、あの図書館に行ってこようと思います。


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