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自分だけの避難場所



どうして「今が全てだ」と思うのだろう。
未来があること、わかってる。
ここが世界の全てじゃないことも、わかってる。
今の自分が全てじゃないことも。


それでも今ここで逃げたら、
そんな自分のことがもっと大嫌いになってしまいそうで逃げたくなかった。


「自分はダメな人間だ」って思いたくないんだ、本当は。

いじめにあったことがある。

意地悪なことをされるのは、かなしい。
防災頭巾がトイレにぶち込まれていたり
上履きがなくなっていたり、ロッカーが牛乳まみれ!とか
そういう類のもの。

でもそれより、存在を無視されたり
笑ってるみんなの目、心配の目、
惨めな気持ちになることの方がもっと苦しかった。


居場所がないということが
この世で一番苦しくて辛いことだと思う。


だから避難場所を作りたい。
もちろん
「そこまでして学校に行かなくても良いんだ」という意見も、
その逆の「なんでいじめられてる側が逃げなきゃいけないの、いじめてる側が来るな」という意見も、
わかるはわかるのだけど


そういうことじゃなくて、
(逃げるのも、そういう意見も大事なんだけど)

この先、生きて行く中で
自分だけの避難場所があると本当に良いなと思ったんだ。


いろいろなものに触れる
アニメ、ゲーム、漫画、おんがく
絵画、スポーツ、ぬいぐるみ、鳥の声
空の色、雲の流れ、揺れる葉っぱ、犬の匂い

本当に何でも良い。
好きだと思えたり、夢中になれたり、ぼーっとできたり、
「今の自分、まぁ、割と悪くないのかもな」と思える瞬間だったり。それらが良いなと思う。


私にとって、それがおんがくだった。

かっこいいバンドの曲。
歪んだギターの音、速いリズムで鳴っているドラム。
英語でなんて言ってるかわからないけどかっこいい歌い方。

それを聴いてる時の自分は
なんだか少しだけ、いつもより
かっこいい気がした。



一個じゃなくて良い。
大きい目標や夢なんかじゃなくて良い。
ちょっとの煌めき、自分の心の煌めきだ。
小さい「好き」の詰め合わせで良い。
それがきっと心の避難場所になる。

もうダメかもしれない思った時、
立ち上がれなくなった時、
死にたいと思った時、

「好き」パワーがきっと支えてくれる。
死にたいから目を逸らさせてくれる。

私はそう思うのだ。



そして、いつか元気になったら

心の煌めきを探す旅をする。
だって、それが本当の「生きる」ってことのような気がするから。




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