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情報の透明性を上げ、組織のパフォーマンス向上のために今すぐできる3つのTips

前回のnoteでは、情報の透明性を追求しすぎることによる「透明性の負の影響」について書きました。

本noteでは、どのようにすると情報の透明性を保ちながら、健全な情報共有文化を築けるのかを中心にお話しします。

1つずつみていきましょう。


① ミス発生時に即時共有される仕組みをつくる 〜行きすぎた管理ルールは闇を生む〜

過度に制約されると、人は反発し、自由を取り戻そうとする行動を取る傾向があります。例えば、「ミスやクレームを一切許さない」という姿勢を貫くリーダーの下では、ミスやクレームが隠蔽されやすくなります。

知人が勤めていた会社では、ミスが一切許されず、ミスをすると全員の前で叱責され、厳しいペナルティが課せられていました。その結果、ミスの報告は減少しましたが、実際には隠蔽されていただけで、隠された問題が積み重なっていました。最終的に会社全体に致命的な影響を及ぼす可能性があります。

重要なのは、ヒトを責めるのではなく、コトに焦点を当てて仕組みで解決することですが、メンバーがそう思えないと意味がありません。ミスとしたとしても躊躇せず、報告できるようにするための仕組みやTipsが必要です。

私が以前行っていたTipsをお伝えします。
株式会社キャスターで採用代行事業の責任者をしていた時の話です。
ミスが発生したらオープンチャンネルで報告をあげるルールでした。このやり方だと、心理的に圧迫を感じる人が多かったので、以下のように変更しました。

ミスが発生したら、Googleフォームで報告をあげる。フォームを送信すると、CSやマネージャーだけが参加しているチャンネルに情報が流れる。

ポイントはいくつかあります。

①報告のハードルを下げ、スピードをあげる
ミスが発生した時、原因と対策をセットで報告書をあげるルールの会社もありますが、それだと報告が遅れる上に報告のハードルがあがります。

②情報を同じ場所に溜める事で、改善策を考えやすくなります
スプレッドシートに情報がたまるので、振り返りがしやすくなります

③Slackに流す事で即時やりとりが可能になる
報告がSlackに流れてきたら、すぐに担当CSかマネージャーがスレッドにコメントをいれていきます。[済][対応中]などのスタンプでステータスがわかるようにすることで、対応漏れもなくせます。

そしてこれが一番大事!
報告があったら一言目に「教えてくれてありがとう」を徹底していました。

ミスは仕組みを磨くヒントになります。
「こういうミス起こりやすいから気をつけようね」を共有するヒヤリハットチャンネルもつくって運用していました。

② 情報は検索性を追求する 〜「情報を全て残す」をゴールしない〜

重要な情報を選別し、誰でも必要な情報に迅速にアクセスできる仕組みを構築します。イメージとしては辞書のインデックスです。索引するヒントがない状況で、必要な情報に辿り着くのは困難です。

「辞書の内容を全て暗記して」といわれても難しいですが、辞書の使い方を覚えて、必要な情報を得ることはできますよね。

例えば、Notionやesaのようなドキュメントツールを使用している場合、階層構造を決めて運用するのが有効です。プロジェクト別やテーマ別に情報を整理し、誰でも直感的に情報にアクセスできるようにします。共有フォルダで管理している場合は、フォルダとタイトルのルールを決めて運用します。例えば、日付やプロジェクト名を含めたタイトルにすることで、情報を検索しやすくします。

ドキュメントツールを活用している場合、検索性が高いので、検索方法とルールさえ明記しておけば大きな問題は起こりにくいかもしれません。
「どこに何があるのか」と「検索方法」だけ明記しておけばOKです。

notionの場合

ユアパトのnotion HOMEはこんな感じ!notionルールや検索方法、必要な情報の置き場所がわかるようにしています。

プロジェクトはテーブルで管理し、必要な情報にすぐアクセスできるようにしています。

フォルダ管理の場合

共有フォルダで管理している場合は、ドキュメントの中まで検索することができません。そのため、フォルダとファイルのタイトルが肝になります。
例えば、各フォルダにはプロジェクト名、日付、担当者名を含めたタイトルルールを適用し、必要なファイルを迅速に見つけられるように。例えば、クライアントミーティングの議事録は「2024-05-27_クライアント名_ミーティング議事録」という形式にすると検索性があがります。

そもそもの目的に立ち返る

情報を全部スケスケにすることが目的ではありません。
情報の透明性を保つことや非対称性をなくす目的は、各自の意思決定の精度をあげること、業務を円滑に進めることです。
今の状態が、必要な情報に素早くアクセスでき、適切に活用できる環境を整える”重石”になっていないか?について、再検討してみてもいいかもしれません。


③ さいごに もう1Tips 〜予言する〜

簡単ですが効果があるTipsを、最後にもう一つご紹介します。
入社オリエンテーションで「当社はテキスト文化なので、これまでのログがかなりたくさん残っています。日々のテキストでのやりとりも多いので、慣れるまでは情報に溺れます。でも、みんなそうなので安心してください」と伝えることです。

そうすることで、「みんな溺れるって言ってたしな。自分だけじゃない。大丈夫」と思えます。伝えてないと、「自分だけついていけていないのかな」と不安になり、どんどん沼にハマってしまうのです。

「最初はそんなもの、でも慣れるから大丈夫!」
そう伝えるだけでも安心感が違います。こういった小さな声がけはすぐにでもできるものなので、すぐにでも実践してみてください。



  • 管理ルールの行き過ぎを避け、社員が自由に発言し、ミスを共有できる環境を作る

  • 必要な情報に迅速にアクセスできる仕組みを整備し、情報の透明性を確保する

  • テキスト文化の会社に身を置くと、最初は文字に溺れることを先に伝えておく

これらのポイントを実践することで、組織全体の効率を高め、健全な情報共有文化を築くことができます。

組織のコミュニケーションを改善したい、情報の非対称性が起きないようにしたい、と思う方がいたらこちらからご相談ください!



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