ポイントはちょっとした調理のひと手間 農薬まみれの野菜が変わる #おすすめのモノ・コト

数年前、中国で仕事をすることが決まり準備を進めるなかでとても不安に思ったことがありました。農薬です。当時、中国で野菜栽培に大量に農薬が使われていることが問題視され始めていました。ニュース番組の特集でも、中国人の家庭でも農薬を落とすため、野菜を洗剤で洗ったり、農薬除去装置を使ったりしているという内容が伝えられていました。
そんな農薬まみれの国に行くなんて、結構な恐怖です。中国で暮らすこと自体はとてもよい経験になることはわかっていましたが、だからといって体を壊しては元も子もありません。いくら海外生活に挑戦するとはいえ、将来的に後悔するようなことはしたくありませんでした。いろいろ調べたり探したりした末、農薬対策としてこの本を日本から持って行きました。

この本で特に重要とされているのが「調理の下ごしらえで除毒する」というものでした。農薬を落とせるというホタテパウダーも一応用意しましたが、そんな特別な粉や液体を使わなくても、下ごしらえのひと手間で農薬を落とせることにとても驚きました。

「ゆでこぼし」というものをご存知でしょうか。私はこの本を読んで初めて知りました。野菜を茹でたゆでた後にお湯を捨てることで、お湯に溶け出た農薬などを取り除くことができるそうです。それぞれの野菜に適した処理方法があるのですが、例えばほうれん草には硝酸とシュウ酸も含まれているためこの「ゆでこぼし」が向いているのです。本書ではさらに効果的にゆでこぼすコツなども丁寧に説明されています。

「湯むき」は聞いたことがあるかもしれませんね。トマトの皮をむく方法です。包丁で十字に切れ目を入れてから沸騰したお湯につけ皮がはじけたらすぐに冷水に落として皮をむきます。これで、表面を洗っただけでは落としきれないクチクラ層の殺虫剤なども根こそぎとれるそうです。
中国ではトマトを安く買えるうえ、料理に入れると美味しくなるので、多めに購入してまとめて「湯むき」をし、適当なサイズにカットして冷凍していました。毎回やっていたら面倒に感じて「ま、いっか」となってしまうところですが、処理して冷凍しておけば冷凍庫から取り出してそのまま使えるので重宝していました。便利だしスープやカレーに入れると美味しくなるし、何といっても安心して食べることができました。

ねぎだって外皮を一枚むけば表面の農薬を落とせるそうです。火も使わず、一枚ぺろっとむくだけで安心を手に入れられるのです。キャベツの外側の皮をむくことを考えると「確かに」という感じですが、この本を読まなければ思い至らなかったと思います。

中国滞在中はその日に作る料理が決まったら、まずこの本で食材を落とす方法を調べてから取り掛かかる、というのが流れになっていました。農薬の除去方法だけでなく、様々な野菜の選び方や野菜のどこに殺虫剤が残りやすいかなどの情報もあり、とても参考になりました。

今は帰国し、日本で生活しているので中国にいたときほど神経質ではなくなりましたが、日本の野菜にもけっこう農薬が使われているそうです。野菜を生産する農家さんが出荷用の野菜を自分の子どもには食べさせないという話も聞いたこともがあります。すべての野菜に大量に農薬が使われているわけではないと思いますが、野菜を購入するときにどれくらいの農薬が使われたのかなんて、普通はわからないので、できればちょっとひと手間を加えて安心・安全なものを口に入れたいものですよね。この本の知識は、今でも役立っています。

あまり農薬のことを気にしすぎても疲れますが、ちょっと農薬を落とす方法を知っているだけで、「これだけでもやっておこうかな」と小さなことから取り入れることができると思います。積み重ねが大きな違いになると思います。手元に置いておくと役に立つ一冊だと思います。


私は最近、農薬を使わないプランター栽培に挑戦しています。すべての野菜を賄えるほどの量ではありませんが、自分で作れば何が使われているかわかっているので安心です。野菜への愛着もいっそう強まりました。「農薬を除去する」ことも大切ですが、そもそも「できる限り農薬を使わない」という選択肢もありですよね。
私は開始時期がかなり遅かったので、まだツルムラサキしか収穫に至っていませんが、教えていただいているHeavenly LOHAS Gardenさんのベランダでは新鮮な野菜が豊作のようです。
https://ameblo.jp/heavenly-lohas-garden/entry-12614651578.html
私の野菜たちも収穫できる日が楽しみです。

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