週末短歌 Nr.8｜即詠「50日間世界一周」

先週の土曜の朝、急に思い立って即詠に挑戦した。一首を詠むのにものすごく時間がかかるので、作品の完成度はともかく、肩の力を抜いて歌を詠む練習をしてみたいと思ったのだ。

今回のテーマは、「50日間世界一周」。20歳のとき世界一周した際に訪れた18都市を題材に1都市1首ずつ、詠み終えては当時現地で撮影した写真とともにツイートし、3時間かけて計18首を詠んだ。まだまだ拙い歌だが、ここにもまとめておこうと思う。

ちなみに、世界一周といえば、わたしが学生のころ（10年ほど前）一時期ブームになり、当時はまだ学生団体だったTABIPPOの立ち上げに少しかかわったり、イベントで登壇したりと、旅好き学生として各地を飛び回っていたこともあった。世界一周の旅があったから、わたしは今ドイツに住んでいて、「世界一周」は自分の人生において大きなターニングポイント。だから、即詠のテーマに選んじゃっていいの？ という感じもするのだけれど……

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50日間世界一周

2010年2月5日、わたしの旅は
『深夜特急』と同じく、
マカオと香港からはじまる。

世界一周1都市目｜マカオ🇲🇴
6 February 2010
蒸し暑さセナド広場にはびこって
雨女のあと追いかけてゆく

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世界一周2都市目｜香港🇭🇰
8 February 2010
空一面埋め尽くされた情報に
答え求めて彷徨う九龍

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世界一周3都市目｜バンコク🇹🇭
9 February 2010
幾千のバッパーたちが集まって
自由と怠惰を祭る安宿

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世界一周4都市目｜アユタヤ🇹🇭
10 February 2010
繰り返す愛も戦も知る顔は
ただ穏やかにたたずんでいる

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世界一周5都市目｜ベルリン🇩🇪
15 February 2010
教科書の歴史に埃が積もっては
雪に埋もれるユダヤの魂

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世界一周6都市目｜ロンドン🇬🇧
17 February 2010
九月から魔法を学ぶ子どもらを
送り出す駅にも通勤の人

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世界一周7都市目｜カイロ🇪🇬
21 February 2010
ラクダを制する者だけが
世の中を制する者と呼ばれた時代

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世界一周8都市目｜アンマン🇯🇴
23 February 2010
「あっちがエルサレム」泥まみれのおじさんが
指差していた死海のほとり

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世界一周9都市目｜フィレンツェ🇮🇹
26 February 2010
何もない丘から遺産の街を見た
ダヴィデと二人ジェラートつついて

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世界一周10都市目｜ローマ🇮🇹
28 February 2010
毎日が休日だった好きなだけ
スペイン広場でジェラートつついて

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世界一周11都市目｜バルセロナ🇪🇸
3 March 2010
ガラスにもいのち吹き込むガウディの
色も形も空気に溶けて

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世界一周12都市目｜マドリード🇪🇸
6 March 2010
アトーチャのジャングルに潜む目が光り
恋人たちのキスを捕らえる

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世界一周13都市目｜クスコ🇵🇪
8 March 2010
富士ほどに青空近く仰ぎ見て
コカ茶をすするインカの民は

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世界一周14都市目｜プーノ🇵🇪
10 March 2010
世界一宇宙に近い湖は
静かに波打つ別の星かな

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世界一周15都市目｜リマ🇵🇪
12 March 2010
海の家とびら開けば故郷へと
つながるここは対岸の街

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世界一周16都市目｜NY🇺🇸
16 March 2010
歴代のヒロインが住むこの街を
歩けば映画のシーンとなりて

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世界一周17都市目｜ウルル🇦🇺
22 March 2010
本当に世界の中心だとしたら
ここにはもっと愛があるはず

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世界一周18都市目｜シドニー🇦🇺
25 March 2010
明日にはもう祖国へ飛び立つさみしさを
晩夏の空が受け止めて朝

おかえりなさい🇯🇵