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フランス映画への愛

※トップ画像はLost in Filmから拝借しました
※フランス映画を勉強中の人が主語デカくなんか言ってんな〜くらいで軽くみてください


私はフランス映画が大好きだ。特に好きなのはヌーヴェル・ヴァーグで、私がいまこうやって生きていられるのは彼らの映画があったから。

でも「フランス映画が好きです」と、フランス映画に馴染みのない人にいうと9割方は「高尚だね」「フランス映画は難しくてよく分からないから好きじゃない。アメリカ映画のような派手なものじゃないと観れない」とか一線引いてくるようなことを言う。

(大前提としてフランス映画も多種多様で一概には言えないのだけど)たしかにフランス映画(ここではヌーヴェル・ヴァーグを指すことにします)は哲学的だし詩的な言い回しをするし、難解なイメージを持たれてしまうのはまあ分かる。私もフランス映画にハマるまでは、同じように偏見を持っていたから。

でもフランス映画を色々観ていくと、普遍的だと思うことの方が多かった。フランス映画のほとんどに「かっこいい人」、いわゆる『トップガン』におけるトム・クルーズのような「運動神経抜群で多くの人から慕われる人気者タイプ」は存在しないように思う。いたとしてもベルモンドくらいじゃないかな。フランス映画の人物たちは、どこかに癖があって、部屋の隅で本を読んでるようなタイプが多い気がする。みんなのカリスマはいなくて、身近にいるちょっと変な人たちがいる。そういう人物が、あるとき強烈な愛に突き動かされていくというのがフランス映画のベースだと思っている。高尚というよりは生々しくて、私にとっては心の中の心の話。だから好き。

私は秘密主義の傾向があってあまり他人に相談することができないから、そんなフランス映画と共鳴して、一緒に生きているんだって思うの。時代も国も超えて、私の心にぶっ刺さっている。愛の矢に射抜かれたようにね。


フランス映画を美しいと思う心と引き換えに、傷つきやすさや馴染めなさを手にしてしまった。でもやっぱりフランス映画…とくにエリック・ロメールの作品を観ると、それでもいい、それでもよかったと思える。自分は何のために生きてるんだろうか?と落ち込んでしまうことがあるのだけど、彼の作品を観ると、私はこのために生きてるんだよなと思える。

なんでロメール先生は私を置いて逝ってしまったのですか?とても寂しいです。でもあなたの残してくれた優しさが、時代も国も違うひとりの人間を救っています。私はあなたに忠誠を誓って生きます。それほどまでに好きです、人生です。


……突然天界へのラブレターになってしまいました。すみません。もう感情が滅茶苦茶になっている。


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