見出し画像

多摩川大陸


久しぶりに腹をかかえて大笑いした。

涙も出るくらい。

大空の下、日も落ちて風も強くなり、今にも雨が

降り出しそうな中で、大木に囲まれたその場所は

不思議な空間だった。

ムクドリ達がその木に集まってきた。

猫達も不安げに周りをまわる。

ここは多摩川の河川敷。

捨てられた猫達やホームレスのおいちゃん達のお

世話を毎日続ける写真家の小西修さんと、多摩川

ゲリラライブで大活躍だったおいちゃんの家に先

日のお礼をかねて集った。

多摩川ゲリラライブの模様は先日のnote記事ご覧ください↓

https://note.com/mihobatokin/n/na6b734b1f164



風が強くなりどんどん暗くなり、あたりは嵐の前

ぶれのようだったけど、

ああ楽しいな。

安心してそこにいた。

お礼をかねていたから、千葉からのお土産もって

いたったのに、またもや接待を受ける。

花もつんできてくれた。

二人のおいちゃんから色んな話をきいた。

小西さんがこの人らは子供達に自然での遊び方、

色んなことを教えるし、親達からものすごく信頼

されている。

この周りの子供達はとても幸運だと。

そして、この人は今からホームレスになろうとし

ている、そんな人をすぐに見分ける。

そしてここで生きていく術を伝授する。

人のことしか考えてないから。と、小西さんはお

いちゃん達のことをいう。

私にしてみれば、そんな小西さんこそそんな人な

んだけど。

いつでもまたおいで。愚痴ならいくらでも聞いて

あげるよ。

楽しく生きていかなきゃ意味ないんだから、笑お

うって。

でもそんなおいちゃんも12年前、ホームレスにな

った時には半年、テントの中から出られなかった

と言った。

世の中の歯車から外れて、情けないような、後ろ

めたいような。そんな気持ちに苛まれて、日中は

外に出れなかったと。

もう一人のおいちゃんも。

でも小西さんの奥さんが、笑いましょう。

って言ってくれたって。

それから、捨てられた猫の世話をするうちに、猫

が人の縁を本当に紡いでくれたと。

小西さんに会えたのもそのおかげだし、猫の輪き

っかけでいろんな人達と知り合えていると。

たしかに今ここで大笑いしている私たちは猫のお

かげで知り合えている。

小西さんが多摩川の猫達の姿をおさめた写真を新

宿のベルクという喫茶店に展示していたのを見

て、私は多摩猫と小西さんを知ることになった。

その経緯は数日前のnoteの記事に書いてある通り

だ。

おいちゃんは言った。

また中小企業の倒産でここに来る人達が増える。

わたしだって例外じゃない。

でもこの人たちいるから生きていける。

そうなったらここ目指してこよう。

いいよー!今からだっていいよ!(一同大笑い)

苦しさ辛さを知った人は支え合わないと生きてい

けないと知っている。

人はそういうものだ。

強いと思っていても知らずに色んな人に支えられ

ている。

おいちゃん達は猫や遊びにくる子供達、愚痴を聞

いてもらいたい若者、ホームレスになりたての人

ばかりじゃなく、この河川敷にくる他の様々な命

も支える。

蛇や鯉や鳥達。

この人たちこそ、ホワイトバッファローの言って

いる調和を知る人。(ネイティブアメリカンに伝わ

るホワイトバッファローの伝説。聖なるパイプに

集い、全てのもののために祈る。調和によって生

きる。)

リーダーとはなんだろう。

国とはなんだろう。

この多摩川大陸(小西さんの言葉)にはそんなものは

ない。

小西修さん撮影

画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

画像8


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?