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単語一つひとつ魂を込めるといい理由
"いつまでも ひとつ悩みが消えなくて こころに一本補助線引いた"
5・7・5・7・7のテンポよいリズムを刻む短歌。小さい頃の宿題で俳句を作ることはよくあったけれど、短歌は全く通ってこなかった道だ。有名な人の歌も知らなくて、あるといったらお~いお茶のペットボトルに書いてあるものくらい。
短歌と疎遠な私だけれど、お世話になっているライターの西山さんがオススメしていた俵万智さんの著『短歌のレシピ』が気になって読んでみることにした。最初の数ページから止まらなくなる。言葉を少し変えるだけで、短歌のもつ雰囲気や情緒がガラッと変わる様子が描かれているのだ。
"いつまでも ひとつ悩みが消えなくて こころに一本補助線引いた"
たとえば上の短歌。解決の糸口がなかなか見つからないときに、別の視点から考えることをする。それを「補助線」と比喩している短歌だという。真剣に悩んで、必死に解決しようとしている様子がすごく魅力だ。しかし本の中で、俵万智さんは「補助線の比喩がもっと生きるように」と、たった1つだけ言葉を変えた。
"いつまでも ひとつ悩みが解けなくて こころに一本補助線引いた"
最初よりも上の句と下の句につながりが生まれたような、「補助線」のたとえが主張しすぎず違和感なく入ってくるような、本当にまとまりの取れた短歌。言葉によってこんなにもイメージが変わるものかと驚いた。
また、もう1つひねりを加えたものも掲載されていた。
"いつまでも ひとつ悩みが解けなくて 心に一本引いた補助線"
最後が体言止めになることで強さが生まれたのだろうか、どんどん必死さが伝わってくる。
ことばは何とセットで、どこでどんなふうに使うかで、人のこころの動かし方がガラリと変わる。一つひとつの言葉選びこそ、諦めてはいけない向き合うポイントなのだろう。
短歌のやさしい言葉選びや、ライティングにも通じる教えがいっぱい詰まっていてめちゃくちゃ佳き本だった。短歌の本もう何冊か読みたい。
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去年の毎日note 昨日で毎日note2年目だった…!
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