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好きなものの正体は

自分が好きなものに対して、「どうして好きなのか」をふと考えた。

年々、自然が大好きになってくる。特に木は一番の癒しで、触ったり、香りをかいだりすると幸福感で満たされる。好きがあふれて記事にまでしてしまった。

先日取材した木彫り職人さんからは、木の端くれをいただいて、お風呂に入れたり、机に置いたりして香りを楽しんでいる。

木の香りをおもいっきり吸い込んでいたら、小さい頃のとある思い出がよみがえってきた。それは、実家を増築したときのことだ。

増築したのは小学校1年生の時のこと。2部屋しかなかった2階の両端に、兄の部屋と、両親の寝室を増築した。兄の部屋は増築が終わり、残りは両親の寝室を完成させるだけ、というタイミングだったと思う。私は学校から帰ってくると、増築をしてくれていた親戚で大工のおじさんと、おじさんが部屋を作っているいるそばでおしゃべりをしていた。

あたりには木くずがたくさん落ちていたし、木の破片も散らかっていたような気がする。あんまり覚えてないけれど、木版にボンドで絵をかいたり、木の破片をもらって積み木のようにしたりして、ケラケラ笑いながら遊んでもらっていたんだった。共働きの家庭で両親がいなかったからこそ、2人で話す時間がたっぷりあったように思う。

ただ、増築が終わってからは全然会わなくなった。そして増築した翌年あたりに、ガンになって亡くなってしまった。お見舞いに行ったのかも覚えていないし、亡くなって悲しいと思ったのかさえ、正直あんまり思い出せない。小学2年生という年代は、どのくらい物事を理解できていたのだろうか。

覚えていないことが多すぎて、もしおじさんが知ったら寂しく思うんじゃないかなぁて考えた。確かに記憶はあんまりないけれど、木くずが散らかったあの部屋で、木の香りがいっぱいに広がったあの部屋での時間が楽しかったからこそ、たぶん私は木が好きなのかもしれない。おじさんの記憶も含めて、懐かしさを感じられる香りだからこそ、特別なのかもしれないなぁと思う。

木の香りにおじさんとの思い出が残っているから、好きなんだと思う。


去年の毎日note


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