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ゆるレポ#プロ阿波踊り集団「寶船」に学ぶ!インバウンドを味方につけるチカラ(2017/5/4週目、6/1週目の代わり)

もう3週間も前になってしまったけれど、神保町のコワーキングスペース「EDITORY」で行われた、「プロ阿波踊り集団『プロ阿波踊り集団「寶船」に学ぶ!インバウンドを味方につけるチカラ」というイベントに参加してきたので簡単にレポート。

寶船」とは、400年以上の伝統を誇る日本のお祭り、「阿波踊り」を主軸に、伝統芸能の新たな可能性に挑戦している”プロ阿波踊り集団”。国内だけでなく、インド、フランス、ニューヨーク、香港など世界各国で年間250ステージを行っているそう。

つい先日、阿波踊りをやっている友人が台湾で公演をしていたことや、徳島でもインバウンドに注力しているというニュースを聞いていたので、阿波踊りについてとても気になっていたところ。どんな話が聞けるのかな、と単純な興味で参加してみることにした。

イベント最初の1時間は寶船の米澤渉さんからお話をしてもらい、その後は阿波踊り発祥の地、徳島県の名物を使用したケータリングをつまみながら、出席者とも交流するという流れ。人数は確か30人くらい。

米澤さんが話していて、特に印象に残ったことを抜粋。

・インターネットの普及で”鑑賞型”の体験は旅行しなくても達成できてしまう(写真、youtubeなど、リアルタイムで遠く離れた場所の状況がわかる)。そして、コピペできるものは限りなくフリーに近づいてくる。

・上記から、人々は「体験する(一緒になれる、一体感を楽しめる)」ことをもとめはじめていると言える。例えば「ポケモンGo」、CDよりもその中にある握手券でモノが売れる。
・歌舞伎、お能、狂言、落語は言語の壁があったり、設備が限られていたり、”鑑賞型”だったりすることで、海外の人が興味を持つのにハードルが高い。
・阿波踊りは、鳴り物による「生演奏」、(阿波踊りの)ダンサーによる「演舞」、さらに一緒になって踊れる「体験」を兼ね揃えている。踊りは完璧じゃなくても、無秩序でも良い。「みんなで」おどることによる調和や、身体で感じる面白さを提供できる。

なるほど。

米澤さんのお話に出てきた、「これからは体験型に需要が高まる」という内容は、インバウンド関係の本やデータを見ると書かれていることだけれど、米澤さんが話すことでより事象が具体的になり、”腹落ち感”を得られたような気がした。やっぱり、体験した人が語る言葉には説得性があるなあ。


交流会の時は寶船の他の方から、「世界各国でパフォーマンスをする際、その国に合うようなアレンジを加えて人々の興味を惹きつけるようにしている」といお話を聞かせてもらった。

本質となる「日本の阿波踊り」に少しアレンジを加えることで、「伝統芸能をアップデートしていき、可能性をもっと広げたい」。そういう思いをもって、世界を舞台に活動を始めたという。


私が働いている会社は、「日本の価値ある文化を残す」という理念を掲げて事業を展開している。最近はその理念について、価値ある文化を「残す」だけで本当に良いの?という問いが社内でもあがっている。

残すことももちろん大事。でも時代とともに変わっていく部分があっても良くて、価値ある”文化”を残すために、新しい価値を生み出す、作り出す、ということは今後必要になるんじゃないかな。もちろんそれは、”文化”をまったく違ったものに変えることではなくて、コアな軸は変えない。

たぶん「寶船」は今、そういった「文化の変化」に向けて活動しているんだろうなと、今後進む道のひとつを見せてもらえたような気がした。

「日本が好き」というところから広がる未来の可能性。正解はきっときまっていないから、自分が「こうしていきたい!」と強く思う道をみつけていきたいものです。

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