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あれから7年。『遺体』を読んで

著者さんに会うから、と読み始めた本が重すぎて、読了したのは前日ギリギリになってしまった。多分2,3週間はあったはずなのに、なかなか読み進めることができなかった。

本は、東日本大震災後の遺体安置所での話。1日に何十体もの遺体と向き合う人々、遺体を見て泣き叫ぶ遺族の人、真剣に読んでいるとつぶされそうなくらいには震災後の情景がリアルに描かれている。

読んでいる時、2011年に2度、被災地へボランティアに行ったことを思いだした。津波で家が流されてしまった場所の瓦礫を撤去する仕事をした。当時は、まっさらになった土地を見て津波の怖さを知ったのだけれど、私が見ていた光景と、そこでやるボランティアは、綺麗に整備された後の「公園のゴミ拾い」程度のものだったんだなぁと本を読みながら思った。

自分ができることって、なんてちっぽけで、非力なんだろう。

無力さを痛感しながら読み進めていくうちに、「でもなぁ」と反論が頭の中に思い浮かぶ。本の中の人も、今自分にできることを、周りの感情に流されずに淡々とやっている。

もちろん、私ができることなんてすごく限られている。けれど、何もできないわけじゃない。

今よりもっとひどい風景があったこと、何人もの人が大切な人を失ったこと、想像を絶する死があったこと。それを頭の片隅に置いて、自分が今やれることをやる。いいも悪いもなくて、ただそれだけ、なんだろうなぁ。

辛かったけど、読めてよかった。

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もりやみほ
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