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編集とライティングと、働くこと

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未経験から編集者を目指していた2017年以前の私に向けて、編集者の仕事、参考になるnote、編集者となった自分はどんなことを考えて日々働いているかをまとめています。
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#文章

書く場所はひとつじゃなくていい。楽しく書くためのヒント

今週、こんな話を書いた。 私の毎日noteには、「書くことが無い」と苦戦する時期と、書きたいことがスムーズに出てくる時期が交互にやってくる。ただ、「書くことが無い」という意見をもう少し深堀りしてみると、「noteに書くべき(だと思っている)ことが無い」につながるんじゃないかなと思った。 たとえば、日記。本当にネタが無かった時の最終手段で書いている。どうして日記が最終手段なのかを考えると、日記には伝えたいことがないからだと思った。伝えたい核のようなメッセージや考えついたテー

すべてに意味がないからこそ

読み終わって首をかしげた。 わからなくてもう1度読んだ。 これは名文なのだろうか。それにしては意味がわからない。 inquireで開催している読書会では、『高校生のための文章読本』を一編ずつ読んでいる。今週は筒井康隆さんの『バブリング創世紀』。だが、困ったことにさっぱり意味がわからなかった。 「ドンドンはドンドコの父なり」から始まり、ドンドン、シャバダバ、シュビドゥバーなど不思議な単語がテンポよく続く。そしてテンポよく続くまま、終わってしまうのだ。 * "「意味」

その原稿、伝えたいことが見えなくなってない?【インクワYMO会レポート vol.7】

こんにちは、ライターのもりやみほです。先週、inquire主催のYMO会に参加し、私が執筆を担当したインタビュー記事について振り返りました! YMOをしてもらったのは、とある企業の社員さんのインタビュー記事。さらに今回は特別に、初稿と完成稿を見比べて、編集が入ったことで記事がどう変化したかも話し合いました。 どんな佳き・モヤっとが出たのか。とても学びになった会の内容をお伝えします! YMO会とは? inquireでは原稿のスキルアップに向けて「YMO会」という集まりを開

書くって結構つらいこと

取材が楽しければ楽しいほど、書くのがつらくなる。 こんなに魅力的なんだから、確実に伝えたいと意気込むと、言葉を作る手が止まってしまう。良かった取材は私が書かないほうが良いんじゃないかとさえ思ってくる。 * 先日、スポーツ観戦をチアリーダーの観点から切り取る取材をした。チアが大好きの友人に、パフォーマンスの意味や背景、チアの見方をレクチャーしてもらいながら、試合そっちのけでチアをひたすら追いかける試合だった。 今まで視野が届いていなかった“チアリーダー“という存在にスポ

赤入れの学び

先日提出した原稿の戻しが届いた。googleドキュメントを開けると、提案モードで赤入れされた、ピンク色の文字が並ぶ。 「どうしてうまく書けないんだろう」と、自分にイライラしながら書いた原稿。熱い思いをたくさん聞けたインタビューなのに、私が書くとドラマの無い、半分もいかないうちに離脱してしまうような文章に見える。もやもやを抱えて提出したところ、構成の変更提案を受けて整えたら、だいぶスムーズな流れになった。編集者にしっかり見てもらえるのは、とてもありがたい。 修正の中で、「こ

「せんせい、あのね」から気づく文章の基本

日記が1年以上続いた頃を考えると、小学校1,2年生にまでさかのぼってしまう。縦書きの学習帳に、見開き1ページの8割くらいで毎日日記を書き、先生に提出していた。 どうして飽きもせず、2年間毎日書けたのだろうなぁとふと不思議に思う。幼い記憶だから曖昧だけれど、「書くことが無い」で悩んだことは無かったように思う。小学生は毎日新鮮だから? 今日のnoteで書きたいことが見つからず、小学生の頃に脳内がタイムスリップし始めた時に、ふとある言葉を思い出した。 「せんせい、あのね」 だ

「好きな文章」という感情は何から来るのか

以前にこんな記事を書いた。 変わらず私は嘉島さんの文章が好きで、最近noteに書いていたものももちろん読んだ。 エモい文章の作り方の話だったのに、なんだか物語のよう。そして最後の1文で私はすごくゾっとした。うまく言えないけれど、夜道に背後を取られたような、なんだかすごく恐ろしいような気持ちになったのだ。「感情が動かされた」という点においてはこのnoteもエモさの代表なんだろう。 次のnoteは、1回しか最後まで読めなかった。読んでるうちに涙がボロボロこぼれてきてしまった

書くというデトックス法

仕事として文章を書くようになってからは、その記事を通して誰に何を伝えたいかをすごく考えるようになった。誰かに届けたいから、書く。届けたい誰かに効果的に、しっかり伝えられるように、書く。サイトによってトンマナも合わせるし、伝え方も変える。 編集の仕事を始めて、自分をガンガン出してくるものより、サイトの世界観に合わせてくれる人、何を大事に書いているかを考えてくれる人がいいなぁと思うようになった。記事とブログは違うし、私たちの伝えたいことを読み取って、わかりやすく書いてくれる人が