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「変わった男」が好きなワケ。

昔から、ちょっと変わった男が好きだった。中学生の時に好きになったのは、いつも集団でワイワイ登下校するような人ではなく、サッカー部や野球部といった「花形部活」に所属しながらも、練習が終わると集団から離れてひとりでさっさと下校するような、ちょっとミステリアスな人だった。

高校生の頃は「目が反対についてる(サンリオのバッドばつ丸のような目をしていた」(今考えるとものすごく失礼)と周りから言われる、全くのイケメンではない人が好きだった。当時は、ゆずとか、ハイスタとかDragon Ashが流行っていたけれど、彼が同級生を率いて組んでいたバンドの楽曲は、ブランキージェットシティだった。変わった声も、ちょっとボーカルに似ていた。

大人になってからも、33歳にもなって「俺、俳優としていけると思わない?」と鏡の前で裸でポーズをとる人や、「ダメ男界のモテ男」と周りから呼ばれる少年みたいな人、なぜかコーヒーを毛嫌いし、アールグレーの紅茶だけを偏愛してやまない人(当時は私ももれなくアールグレーにハマった)など、どんな人?と言われると「秒」で特徴を言えるような人が好きだった。ほぼほぼ全員一目惚れで、付き合うまでの期間も出会って即日か、数ヶ月。いつも打ち上げ花火みたいな恋だった。当然周囲からは、「あんな人やめときな」と言われることが、ほとんどだった。

たった一つ、自慢できることがあるとしたら、今では本当にほぼ全員が「社長」になっていることで、結構ちゃんと稼いで社員とその家族を幸せにしちゃったりしている。唯一社長になってない人は本を出版していて、本の中で彼は、恋愛コンサルタントとして、男性心理と女性心理をものすごくうまく紐解いていた。アーメン。

しかし、結婚した人だけは違った。みんなが「あの人は大丈夫!」と太鼓判を押す、「王道」を行く男性だった。学歴、家柄、容姿も問題なし。昔だったら「3高」と言われる条件は楽々クリアしているタイプだった。でも、ダメだった。結婚数年目からウズウズし始め、子供が生まれたてからもそのうずきは収まらず、結局入籍7年目に離婚。今では彼とは親友で「あなたとは 友達くらいが ちょうどいい」という、5・7・5かい!!と思わず突っ込まざるを得なかった感想を、彼が居酒屋で言っていたのは確か、3ヶ月前。

なぜ「変わった人」が好きなのか、自分でもわからない。できることなら、みんな大手を振って応援してくれる「いろいろなことが王道をいく男」を好きになってみたいもんだ。

でも実際「変わってる人は、実際に輝いて見える」らしい。というのは、結構日本では有名なスピリチュアリスト男性談。さらには脳科学の本を読んでいて、また合点がいった。

_多様性の保持には合理的でなさそうな、「一見、無駄」を選ぶことが必要_

とのこと。どういうことかというと、いわゆる王道と言われる多数派の同じような種ばかりになってしまった場合、世界というものは滅びやすいのだという。極端な例で言えば「王道多数派男子たちが好きで集まるエリア」で爆発が起こったとき、王道多数派男子達は、死滅する。その時、「変わった独自の道をゆく少数派男子たち」はというと、そのエリアには興味がないわけで、自然、爆発からは逃れられる、というわけだ。

ウイルスもそうかもしれない。王道多数派男子たちの生活習慣によって彼らが「弱い菌」があったとしたら、その菌が悪さをして世間を蔓延ったら、彼らはまた、大勢やられしまう。でも、変わった男子たちは当然生活習慣も違うから、強い菌も違う。もしかしたら彼らは、王道男子を攻撃する菌に強い「生態」かもしれない、、そして生き残る。ということが起きる。

なので私はきっと(?)種の保存、この世界の継続のために、わざわざ「ちょっと世間からは無駄」と思われるような偏愛を持つ男子に惚れ、子どもを産んだりするのかもしれない?!

そしてまさに、今私のお腹の中にいる新しい生命の「種」はもれなく、王道から大きく外れた「独自の道を生き、きっと不思議な菌への抗体を持つ、変わった男子」の子孫である。

そういえば。私の人生のコンセプトは「サスティナブルに生きて、はたらく。」だった。これはもう、2012年から独立して働くことを決めた時からずっとコンセプトとして持っていたもの。サスティナブル_持続可能なものたち。これは私が仕事で世の中に提供するものを決めるときだけでなく、私自身の生き方、はたらき方にも通ずる。その中でも、この地球という星に子孫を残し、生命のバトンを渡すことは、必至のミッションである。

あぁだから、いつだって私は「多様性を保持するために必要な、一見無駄を持ち合わせる変わった男子たち」に惚れ続け、今またその子孫を残そうとしているのか。そう思ったら不思議と合点がいき、お腹の子が尚更愛しく思えた。





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