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先生なんか大っっ嫌い!!〜ある日の光景

「先生なんか大っっ嫌い!!」

突然耳に飛び込んで来たその言葉に

何事?と振り返り目が合った途端、それが私に向けられた言葉だと分かった。

「え?何があった???先生、Nくんに何にも話しかけてもないよ??💦」

(なんで、大っ嫌いとか突然言われなくちゃならないんだ???)


Nくんは、3歳児クラスの男の子。

少し小柄なNくんは、ちょっと甘えん坊の泣き虫さんの3歳児。

それでも普段は機嫌良く、自分の身の回りのことも出来るのだけど・・・。

何かで叱られたり、思うようにならない時、へそを曲げたら直らない。


私はフリー保育士として、色々なクラスに入る。そんな中でも特にこの3歳児クラスさんは、特に気にかけているクラスだ。

クラスの8割以上が男の子。色々と手にかかる子どもが多い。(かわいい)


その時私は、別の男の子のお着替えを手伝っていた。遊びに疲れたのか駄々をこねて、まだ上手く言葉で伝えるのが苦手なその子に寄り添っていたけれど、少々手こずっていた。

そんな時に聞こえた「先生なんか大っっ嫌い!」


Nくんの真意がとても気になったので、小さな声で聞いてみた。

「どうして大嫌いなんて言うの?なんかあった??」

「・・・。」

半べそかいてNくんは、手伝って欲しそうにしている。

「お着替えしたいの?」

「うん。」

「Nくんも疲れたんだね。そんな時は、手伝って、て言えばいいんだよ。

なんで大っ嫌いなんて言うのよ〜笑」

「わかんない・・・」とボソリと呟く。


言葉と気持ちがまるで反対だ。私はNくんを愛おしく思った。


その日、そのクラスの男の子達は、なんだかテンションが高かったのか、みんながバラバラだった。

よくあるシーンなので落ち着いて対応していたつもりだけど、目立つ動きをする子どもにどうしても目をやられてしまって、静かにしている子どもの心の声や感情の動きにまで、目を向けられなかったのだ。

中でも、「僕、これ出来たよ!」と伝えて来てくれる子どもや、お支度を終えて絵本を眺めている子どもには、「素敵!かっこいいね!」と伝えられるけれど、心を置き去りにされてしまっている場面もきっとあるだろう。


ふと思い出したのだけれど、いつもお利口に自分で動けるAちゃんも、私の姿を見ると最近「わぁ〜〜〜〜〜ん!!」と大泣きしてやって来る。

しばらくは心が静まらず、「ママ〜!」と言って泣くのだ。

そんな隙を私はいつも見せているようだ。

子ども達は声や態度に出さないところでも、一生懸命生きている。


「泣くのは違うよ」とよく耳にするけれど、「泣きたい時は泣いていいよ」

って、私は思うんだけどな。




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