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ミハル、家を借りられない。

春。
新しい年のはじまりってハッピーニューイヤー!より、ハッピーニュー年度ー!の方がしっくりくる美陽です。


新生活。一度一人暮らしはしたことあるんだけど、(キャンパス遠くて)フリーランス、大学卒業を機にやっとこさ、汗と血を流して貯めたお金たちを抱え一人暮らしをすることに。



初期費用を溜める+学費の支払い+奨学金+レッスン代+携帯代+交通費・・・・と言ったらもう死ぬほど働いても出て行くお金ばかりで、倒れるまで働き、やりたい活動などをやるともう、日々追われる毎日。




今回はこの一人暮らしをするに当たって私自身が直面した現実について書いていきたい。



住みたい街は決まっていたし、後は家賃が安くて初期費用をなるたけ抑えられる家探し。
山ほど物件はあるし、今はとにかくフリーターも多い。だからすぐに見つかるし、契約も一瞬で終わると思っていた。


が。



問題は契約であった。


現状、今の私は事務所を辞めフリーランスで営業先からお仕事を、たまに、貰える状態。自分が商品で自分が営業マン。守ってくれる肩書きの個人事務所も無く、振り付けの仕事やダンス講師も単発で契約社員になっているわけではない。
そして、収入源は主にアルバイト。これも毎日定期で入れるわけでなく、大学時代は舞台に立つ期間は休んでいたし、現在自分のやりたいことをやるためにはオーディション含めお金にならなくとも休むこともある。(だから深夜働くのだが)



いわば、大学を卒業しようとする私は世間からしたら、フリーター以下。
お金にならないアーティスト気取りのプー子ちゃんなのである。


物件を一緒に探してくれている不動産屋さんの小林さんは本当に私のことをよく理解してくれて、初期費用を抑え、家賃物価の高い土地でわがままな私の条件を踏まえ一生懸命探してくれた。
だが、契約するとなるとオーナーや管理会社に私の収入を話さなければならない。何件も電話で個人契約が可能か、保証人付きなら大丈夫か、保証会社があれば大丈夫か、聞いてくれた。

その電話では、大学を卒業する女の子で、そのままアルバイトを続けていくのですが、、、

と小声で私に悪そうに、先方に話していた。私の活動など、世間からしたらお金にならないものであり省かれる。



なんだか、私何か悪いことした?という気分になる。



私はここではじめて自分の立場を理解した。

そう。私は社会的信用の無い、社会的弱者である。



フリーランスと言っても事務所、会社がなければ信用を得られない。個人というものが圧倒的に信用されない日本なのである。
親に頼らず、一人でやりたい。その一心でお金を貯め、独り立ちするために、給料手渡しの仕事も沢山やったし、生活を親に少しは助けてもらいながら、自分で支えてやってきたし、そこまで話を聞いてくれれば、偉いね、立派だねと言われるが、やはり親がいないと保証人も無く、この身一つでは暮らす家すら借りられない。



これが、現実だ。



私の親は30歳で結婚する時にこの現実、芝居などの芸術活動をするものの社会的信用の無さにぶち当たったという。だから、貴方は7年早く現実を知れたねと言われた。


両親が私に芸術で食べていきたいと言った時に猛反対した理由が、今やっと分かった気がした。


お金にならないのは、当たり前。勿論のことだ。でも、それ以上にこの日本には芸術をやる人間の社会的信用が無い。
ある程度売れたスターさんでも、銀行や家を買う契約には苦戦するという。(月9で話題になったバイプレイヤーの男性がテレアポのバイトを辞めないのも無理はない)



この世の中が信用するのは、安定だからだ。



だからこそ、私の両親は私を育ててくる中で、芸術活動で食べてこれてその上、ひとりの人間を大学卒業まで育てあげたのは本当に凄いことなのだと、今やっと分かった。

芝居で食べていく。歌で食べていく。ダンスで食べていく。アートで食べていく。

それは収入以上に、今の日本において、とても苦しく難しいことなのだ。




最近私の活動や生活を見て、お話聞きたいですと、ミハルさんみたいになりたいですと、キラキラした目の後輩がありがたいことにちらほら声をかけてくれる。
だけど現実の私は先に書いたようなものであり、私は全然キラキラしていないし、汗と血とラーメンの背脂にまみれたアルバイターである。


最近はYouTuberの登場で、好きなことで生きていく、が広まった言葉だし私にも出来る!ような気持ちやあんなの楽な仕事と思う人もいるかも知れない。
けど、YouTuberで名を挙げた私の友達は四六時中そのことで頭いっぱいだと言っていたし、私がいくら発信する立場になりたいと制作したりインプットしても、それをお金に変えるには好きじゃないことも沢山しなければならない。



芸術があくまで娯楽である今の日本は、好きなことで食べていけるほど、社会に信用され生活出来るほど甘く無い。




そのことで打ちひしがれた私。




でもやっぱり、私は芸術の力を知っているから、芸術によって、ある人にとっての娯楽に救われているひとがいることを知っているから。



そんな日本を変えたい。



壮大な夢だ。今自分自身のことでてんやわんやしてる私だ。それでも、自分を変えられないなら周りを変えるしか無い。何においてもそう考える私は、日本を変えたい。

諦められることなら、会社、社会に守られた就職が良いに決まっている。だから無闇に、後輩たちに自分の生き方を武勇伝のようには話せないし、フリーランスを勧めることは出来ない。けど、彼ら彼女ら、もしくは、まだ生まれていないこれから芸術の素晴らしさに気づく子供たちの未来のために私が変えてあげたい!とも思う。がまだいつになるかは分からないので


ここに、後戻りできないように記しておきたい。



幸いなことに、男女の友情のnoteで登場した私の親友のある男の子は、国の体制から芸術を変えてやる!と準公務員になった。同志は近くにいる。語り合えた仲間がいるので私は頑張れる。





家はどうにか借りられそうだ。芸術大好きなオーナーがいるお家。とても狭いし音漏れするけど本当にありがたい〜。



人間最後に残るのは情だ。
強く生きよう☺︎


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