バレンタインパッケージ2023
2023年のバレンタインパッケージの振り返り。気になったものを紹介します。
まずは、最近増えてるVカット箱。シンプルなものが多い中、全面にデザインが入ったこちらを購入。北海道の「き花」を作っているメーカーさん。
Vカットはコスト高めなので、特別感を出したいバレンタインにはマッチしてますね。
エスコヤマからは紙管。天面がフラットの紙管に紙がぐるぐる巻いてあります。
印刷はオフセット4色+金箔押しですが、黒豆っぽい部分(チョコの雫?)のみグロスニス。いつもながら細かいところに凝ってます。底は巻き締め。
次はMAZET(マゼ)というフランスのお菓子屋さんのパッケージ。マド枠が細い!1mmぐらいしかない...更に立方体のエッジ部分に微細な箔押し。どちらも日本ではなかなかしない仕様。お店は老舗でデザインもクラシカルだけど、仕様はめちゃくちゃ攻めてますね。
この細さはレーザーカットしかないと思って裏から見てみたら、やはりレーザーならではの焦げが。
デンマークのショコラティエ、ピーターバイヤーさんの商品。スライドできる缶が紙のケースに入ってます。ケースはキャラメル箱が片面カットされた形状。
バレンタインで小さい缶はよくありますが、こういうスライドタイプは珍しい。リユースで事務用品などを入れても良さそう。
フレデリック・ブロンディールというベルギーのショコラティエの商品。中身はオランジェット。
一目見て「なぜ、木???」という疑問から購入。他の商品は紙箱や缶で、木製はこれだけ。フタはスライスしたような薄い木。組み立てをどうしているのか気になる。
次はベルギーのショコラティエ、ブノア・ニアンの商品。黒い小さな箱でフタはエンボスのみ。
このゲスに一目惚れして購入!驚きの空間率もバレンタインならではですね。
解体してみました。フタは片面カットされたキャラメル箱。身はC式の応用で仕切り一体型。中央部分は接着されてるので組み立てやすくなってます。 紙は黒のコートボールかな。小口まで黒い紙を使っているので統一感がありますね。
さて、真打ち登場。今回の一番驚いたパッケージです。オーストラリア発信の日本人ショコラティエの方の商品
「NAKAMURA CHOCOLATE」https://nakamura-choco.easy-myshop.jp
見た目はボール紙をそのまま使った身フタ箱。デボスが印象的。箱は共通で品種はシールで分ける、小ロット多品種でよくある仕様。
ところが、フタを開けると箱上部にリーフレットが挟まってる…?
フタを見るとリーフレット部分のみ天井が高くなってます。すごい…
ということで、こちらも解体。
フタは、普通の身フタ箱のフタに上げ底のパーツが埋まっているだけ。意外と簡単な構造。上げ底パーツに印刷しているのはなかなか効果的。
続いて身を解体します。
まずはチョコが入っている部分がすっぽり抜けます。形状からしてほぼ身箱が入ってる感じ(+仕切り)
身箱は裏面に原材料シールが大きく貼られてるのでなかなか困難だったけど、基本はキャラメル箱でフラップが繋がってるパターン。
一番下にあるのは、箱の底に入っていたパーツ。これを入れることで、リーフレット差し込みの角度を調節していると思われます。
箱だけでフタ2パーツ、身4パーツと解体しがいのある箱でした。
バレンタインのパッケージデザインを長年見続けていると、9割は想定内のデザインや仕様ですが、やはり毎年、目を見張るような凝った印刷加工や、面白いアイデアの発見があります。
バレンタインの売り場は、国内外のユニークなパッケージデザインを浴びるように見られる絶好の機会!マーケティングの勉強にもなります。たくさん見て、気になるものは買って、研究して、引き出しを増やしたいですね。
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