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【パッケージの話011:POPシール】

今日はPOPシールの話です。POPシールもパッケージの大切な要素。飲料や調味料から、シャンプーなどトイレタリー、洗剤まで。ボトルや瓶によくくっついているPOPシール。私もPOPシールを作る機会が多いです。本体デザインを変更するのは大変ですが、シールで新しい印象にして販売促進します。

POPシールのしくみ

印刷方法箱POP

素材としてはアルミ蒸着か、ユポ(白)、透明PET。いずれもプラです。折れの問題などがあり、現状では紙にするのは難しそうです。

必殺!ノリ殺し

POPシールでよく出てくるのが「ノリ殺し」という言葉。シール素材は基本的に全面に糊が塗布されていますが、POPシールは本体にくっつく下1〜2cmのみ糊があれば良い。下部以外の糊を全部無くしてる=殺すことを「ノリ殺し」と呼びます。

殺し方はニスを引いたり、キラーフィルムと呼ばれるフィルムを貼ったり。シール素材というだけでコスト高いですが、ノリ殺しは更にコストアップになります。また技術的にも簡単ではありません。


小さいだけに難しい!POPシールのデザイン

POPシールは、作る機会が多いわりに参考資料が少なく、売り場に見に行くしかない。ネット検索で商品本体は見つかってもPOPはほぼありません。デザイン本にも載らない。でも確実に流行やノウハウがあるんです。
そんなわけで、購入したり参考にもらった商品にPOPシールがついていたら保存するようにしています。

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目立ってなんぼのPOPシール、いろんな商品のものが混じってますが、ここで見るだけでもどのデザインが目に入ってくるか、どんな文字が視認性高いかがわかりますね。

書きたいことは山盛りだけど、特長をアピールして見やすく、確実に目立たせる。商品のイメージも損ねない。小さいけどなかなかの大役を担ってます。

シール専用刃型

POPシールは形もさまざまですが、シールにはシール専用の抜き型があります。紙の抜き方(トムソン/木型)を作っている会社とは別に、シール専門でされているところが多いです。

包装族イベントでもワークショップをしてくださった、株式会社和光さんと日伸製作所さんはシール専門の抜き型の制作会社。

ゆきのけっしょう

シールはそもそも小さいものしかないので、シール専用の刃型は繊細な抜きが得意なんです。これは100mmぐらいの大きさのオーナメント。通常のトムソンでは難しい、レーザーカットはコストが合わないという場合、シール用の抜き型という選択肢もあるかも。

POPシールの今後

このPOPシール文化、実は海外ではあまり見かけません。最近韓国や中国で見かけるようになったぐらい。手軽にフェイスを変えられて、商品特長を説明でき、販売促進になるPOPシール。購入する時は商品内容を知りたいけど、家で使う時はシンプルなデザインで良い、という使う側の気持ちとも合致しています。

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どんどん広がってもおかしくないと思う一方、やはり「プラ」素材...。環境負荷軽減のために、花王さんは今後このPOPシールを全廃すると宣言しているので、一気に流れが変わる可能性も。売り場から消えてしまう日もそう遠くないかもしれません。


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