見出し画像

女性のライフステージと睡眠不足のお話 #44

毎日頭痛の話題を発信している頭痛を診ている女性内科医Drです。

日頃、あらゆる年齢層の女性を診る事が多いのですね。

各年齢層で女性のライフステージに変化があるのですがその変化とともに

頭痛になりやすい一番の原因を挙げてみますね。

その原因の一つは「睡眠不足」です。


女性のライフステージは多岐にわたりますよね。

ライフステージで起こるそれぞれどういった場面で睡眠不足が起きているか年代別に周辺で起きている環境の変化と頭痛について書いてみますね。

思春期~高校生

試験勉強や人間関係、受験に向けての睡眠不足があります。スマホなどの明るい光が原因で起こる睡眠不足があります。生活リズムを整えるのが第一条件ですがそうもいっていられない時も多いですよね。この時期は成長している時期に重なり、女性ホルモンの変動があるため、頭痛が起こりやすいのも特徴です。

高校生から成人にかけては、

就職や結婚出産といったライフステージの変化があります。就職のための活動や資格取得のための試験や様々なストレスがかかって睡眠不足になります。同時期に女性ホルモンの急激な変化が起こります。高校生から成人にかけてサナギ状態だった「女子」の状態から大人の「女性」への変化を遂げる時期と就職、結婚が重なるために様々な環境変化が重なるとともに心理的な変化も重なる時期になりますから頭痛も必然的に起こりやすくなります。

成人期では

ライフステージの多様性もあり一概には言えませんが、もし結婚する状態であれば、妊娠期に減っていた頭痛が出産後には子供が0歳~3歳になるまでは、お子さんの睡眠が安定しないので、真夜中に1回以上母親である女性が起きて対処する場面が多く睡眠不足となり共に頭痛が悪化する場合が多くなります。また結婚などがなくても、月経(生理)とともに頭痛が多くなるなど月経前症候群を持つ方も多くいらっしゃいます。月経前症候群は片頭痛だけでなく、睡眠不足や、逆の過眠な方も多いのですね。

40歳代後半~50歳代後半にかけては、

更年期の時期になります。めまいや疲れやすさ、気持ちの不安定感とともに睡眠不足や頭痛が出る事が多いので、漢方薬を併用したりする方も多いのですね。尚、更年期の治療の一つに低用量ピルはありますが、片頭痛の方は飲めない薬になります。必然的に予防治療や漢方などと併用する事が多い状況になります。

女性のライフステージの変化と、求められるヘルスケアは年齢とともに変遷する過程があるため、求められる事態も多岐にわたります。

50歳代後半以上になると

睡眠不足は減るのですが、緊張型頭痛が多くなり、徐々に片頭痛は起こりにくくなります。


女性のライフステージの変化を診ている診療科と言うと

「女性外来」=「産婦人科」

という一般の方のイメージがありますね。

頭痛領域でいえば2021年に発売された予防治療薬の新薬である

「抗CGRP抗体製剤」

産婦人科医師は処方できない今の仕組みがありますから、女性外来では本来は私のような内科医も一緒に伴走する必要があるのですが実際はそこまでたどり着いていない方が多くいらっしゃいます。より良い選択肢を見つけられるようにと願ってこうした情報を書いています。

今回は女性のライフステージと睡眠についてお知らせしました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?