見出し画像

豊富な感情と知識に流されて「まにまに」

年内10冊とはなんだったのかと思う12月も下旬の今日。ようやく読み終わったので、「エッセイを学ぶ」第4回をやっていこうと思います。

エッセイを学ぶ」とは本をもっと読もうということで、いろいろな方のエッセイに触れて読んでいこうという企画です。今日は西加奈子さんの「まにまに」について書こうと思います。

西加奈子さんは本屋大賞3回ノミネート、「サラバ」という作品では直木賞を受賞された経歴のある方です。最近だと「さくら」という作品が映画化されました。

さて今回の「まにまに」はいろいろな媒体で発表されたものを1冊にまとめたエッセイ集です。構成として一つ面白いなと思った特徴は文庫化による追加のエッセイが巻末にあるのではなく、ところどころに散りばめられているということ。こうすることにあとから付けたしたような世界ではなく、まるで溶け込むような世界観が構築されているのがとても素敵に思いました。

この本では2ページの短編から数ページのものまで多くの形式が存在します。2ページの形式は一見すると短く感じるかもしれません。しかしその短い量の中できっちりと方向を決め、少しズレたかと思いきや最後の一言できちっとまとめる。こういった数々のエッセイを読むたびに足跡をしっかりと残していく様子は本当すごいというか、なかなかできることではないように思いました。

またテーマとしては日常から音楽、映画といった多様なものが存在します。その中で気づきを文章に落とし込むことや、それを裏付けるかのような豊富な知識。これは読んでいてとてもおもしろかったです。

あとこれはどうしても書かなくてはならないことですが、この方は気持ちに正直というか感情に敏感です。読んでいて思ったのはこの感情が作家自身の世界をもって次々と披露されていっていること。

とても簡単な言葉ではすまされないこの感情のあふれる描写は読んでいて非常に興味深かったです。今までこうしていろいろな方の作品に触れてきましたがここまで感情があふれる方はなかなかいないものです。もしかしたらこれが作者の魅力なのかもしれません。

と言った感じで、無事「まにまに」を読み終えることができました。年が明けるまであと1周間。次の方の本は用意していますが、イメージとして難解というか時間がかかるタイプだと今年はこれで精一杯かも。

しかしこの短期間で4人ものエッセイに合えたことは非常に貴重な体験でしたし、エッセイというくくりの中にもいろいろな多様さを感じ取れました。エッセイいいですね。

このnoteがもし良ければ左下の「スキ」(♡)を押してください。
・また会員でなくともスキを押すこともできます。
・押すと何かしらのリアクションがランダムにもらえる小さな特典付き
・Twitterもやってます。
https://twitter.com/migmin_note
・Instagramもはじめました。
https://www.instagram.com/migmin456

#日記 #毎日更新 #毎日note #エッセイ   #エッセイを学ぶ #西加奈子 #まにまに

いただいたサポートはサムネイルに使っているダンボー撮影の小道具に使わせていただきます。