この独特な良さはなんだ 「松濤美術館」
これは本来昨日のnoteで書こうと思っていた話。あまりに突発したことが起こったので、その勢いで書いてしまいましたが、今日からはまた平常運転です。
さて、おととい分のnoteで 日常の切り取りと壁面彫刻「後藤克芳 ニューヨークだより」 について書きましたが、実は展覧会本編と同じぐらい感動する出来事がそこでありました。それは「建物」です。ここの松濤美術館の建物があまりにもすごくて感動してしまいました。
まずすごいと思ったのが外観です。外観は力の入った美術館によくありがちなどこか不思議な雰囲気を感じさせます。というのもここの外壁は韓国から取り寄せた石とのことで全体的に赤みがかかっていて、入る前からどこか面白そうな雰囲気を感じました。
そして次に驚いたのは吹き抜けです。こちらに建物のフロアマップがありますが、中央に丸い池があり、地下2Fに相当する部分には噴水、1Fにはそれを横切るように橋がかかっているなど、かなり変わった構造になっています。
この吹抜けごしに見る空がなんと綺麗だったことか。天気が良かったというのもありますが、それだけではなかったように思います。また吹き抜けを2Fから下に見下ろす様子もなんだか興味深かったです。
このように外観や吹き抜けもすごかったのですが、それだけではありません。一番見てほしいと思ったというか建物について単体でnoteを書こうと思う決定打になったのは階段です。この美術館の階段がすごく良かったです。
ここの階段は全体的に丸みを帯びています。そしてこの丸みと薄暗い状態がちょうどマッチして、昭和の建築にとどまらない独特なものを生んでいました。この様子はずっと見ていられるというか自分の感性にすごく刺さるほどとても良いものを見たような気がします。
建物一つでここまで感動することは本来ないのですが、この松濤美術館の建物は妙に自分の感性にピッタリと合いました。なおこれを設計したのは「白井晟一」という方で、他の建物だと東京麻布台の飯倉交差点にある「ノアビル」、静岡にありちょうど松濤美術館と同時期に完成となった「静岡市立芹沢銈介美術館(石水館)」があります。
調べれば調べるほど興味深く感じたこの方の建築。決して建築の主流派ではなかったようですが、見学できるところがあるならば、いろいろと見てみたい。そう感じる作品でした。
最後に今回展示室以外の写真はNGということで写真を撮ることがまったくできなかったのですが、実は定期的に館内ツアーが開催されているらしい。そしてそれに参加した方の写真があったので共有させていただきます。少しでも雰囲気を感じ取れれば幸いです。(なお現在館内ツアーは感染拡大防止の観点から休止しています)
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