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はたして何を見ているのか「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」

先日推しこと儒烏風亭らでんさんの読書企画「書庫らでん」の11月分の推薦図書のうち2冊目の「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」を読み終わりました。今日はその感想を書いていこうと思います。

目の見えない方が美術を鑑賞するというなんとも不思議なことしている本作は鑑賞方法というのが非常に興味深くあります。具体的に書くと、まずパートナーとなった方は目の見えない白鳥さんをアテンドします。

そして鑑賞する作品の前に立ったら白鳥さんのために何が見えるかを教えるという不思議なことをします。この何が見えるかに関してはその作品の内容を描写して伝えるというのもそうですが、アテンドした方自身の感じたことや感想も伝えます。

ここで重要なのは必ずしも美術館の作品の横にあるキャプション(解説文)にこだわらないということです。つまりはオーディオガイドもそうですが、そういったものではなく感情とか感想とかfeelingのほうを重視しているようです。

こういった少し特殊な鑑賞方法はとてもおもしろいなと思いました。というのイメージとしてはパートナーと一緒に映画を見て終わったあとにお互いここ良かったと語りあうあの感じですね。それを作品の前でしかもすぐに実践しているというのはなんだか贅沢な体験に思えます。

こうした作品の鑑賞方法は作中の好みかもしれませんが、現代アートの部分で特に効果が出ているように思います。現代アートでは分からないことをわからないまま楽しむというのがあるように、それをその場で話し合うことでより深く鑑賞しているというのはなんだかいいですね。

といった感じで特殊な鑑賞方法をしている本作ですが、そこから人を掘り下げた方向に作品を通してより深く入っていきます。これはジャンルがノンフィクションとエッセイの中間であることからなせる技かもしれませんが、アートを通してこうしたことまで考えることができるのはとても興味深いなとなと思いました。

そんなゆるーく読んだ2冊目の「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」の話。3冊目の「土偶を読むを読む」は買ってはいるのですが、ほとんどまだ読んでいません。12月分の「書庫らでん」も発表されたことですし、早めに読み進めていきたいですね。

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