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マネジメント力 ~どこでも通用するスキルを身に着ける⑧~

今回は、組織やチームを率いる際に必要なマネジメント力について共有したいと思う。特に、企業に勤めている方は、プレイヤーからマネジメントに役割が変わる時に参考になると思う。もちろん、現在、マネジメントしている方には、自身のマネジメント方法を振返るきっかけになるのではないかと思う。

そもそもマネジメントとは何でしょうか? 元々の語源は、ラテン語の「手」である”manus”と言われている。中世に「馬の手綱をとること」という意味で用いられていたとのこと。それが転じて、組織やチームに対して「手綱をとる」という意味で使われ始めた。

マネジメントの定義は様々あるけども、「マネジメントの父」と呼ばれるピーター・ドラッカー氏はこう述べている。

”マネジメントとは、人と組織を活かして成果を上げることである”

また、GEのジャック・ウェルチ氏はリーダーシップという表現でこう述べている。

”リーダーになる前は、成功とは自分自身を成長させることだった。(中略)リーダーになると成功とは他人を成長させることになる。あなたの下で働く人達をそれまで以上に賢く、大きく、大胆にさせることだ。個人としてのあなたのすべきことは、チームを育ててサポートし、彼らに自信をつけさせること。それ以外は何もない

私は㈱アバージェンスにて、マネジメント変革プログラム(経営コンサルプロジェクト)を企業向けに提供しているが、マネジメントをこのように定義している。

マネジメントとは「人」を介して成果を出すこと。「人」の最大限のポテンシャルを引き出すこと”

マネジメントに必要な要素

マネジメント力に必要な要素としては大きく2つある。一つは、マネジメントの仕組みを構築すること。つまり、どのような帳票・ツールや会議体を駆使して、成果を出していくのかである。もう一つは、効果的なコミュニケーション方法で人を動かしていくことである。コミュニケーション方法については別noteで記載しているので割愛し、今回はマネジメントの仕組みについて焦点を充てていく。

6 Gapとは?

マネジメントの仕組みを構築する上で必要となる”6 Gap”という考え方をまず共有する。組織でも、チームでも、個人でも、何かしらの目標を立てると思う。でも、結果として目標に実績が届かないということはよくある話である(下図参照)。

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その要因を整理したのが、6 Gapという考え方である(下図参照)。その要因としては、①予測が甘かったのではないか?、②施策の積み上げが足りなかったのではないか?、③施策を行動計画に落とせてなかったのではないか、④計画通りに行動されていなかったのではないか、⑤行動したけど、意図通りの結果が得られなかったのではないか、⑥行動結果が財務成果に繋がらなかったのではないか、と。この6つの要因はどの企業や組織でもあるけども、⑤⑥はある程度は発生する前提で考えて、②③④をできるだけ少なくすることがポイントである。

6 Gapマネジメント

この6 Gapをできるだけ少なくするように、なんとかマネージしていくのがマネジメントの大きな役割である。

6 Gap目指す姿

例えば、営業組織の場合は受注や売上目標があり、そのための営業戦略・施策があり、それを顧客別攻略計画に落とし、訪問活動を行い、その訪問結果があり、その積み重ねが受注や売上になる。それをマネージしていくという話である(下図参照)。

6 Gapマネジメント_営業

マネジメントシステムとは?

で、その6 Gapをマネージしていくための仕組み(帳票・ツールや会議体)のことをマネジメントシステムと呼ぶ。マネジメントシステムには大きく4つの象限が存在する(下図参照)。

①目標/予測:ビジョンや方針、年度目標や見通し 等

②施策/計画:戦略や施策・行動計画・リソース計画 等

③実行/結果:アクションプラン・進捗確認会議・週報 等

④実績/検証:予算実績対比表・要因分析・予算対策会議・評価シート 等

マネジメントシステム

例えば、ある店舗系会社の事例でいくと、収益目標⇒施策ツリー⇒行動計画表⇒週報⇒週次ミーティング⇒収益実績といった流れを規定し、これをグルグル回しながら、目標を達成するということである(下図参照)。

マネシス_事例①

ちなみに、我々が経営コンサルをするときには、現状のマネジメントの仕組みがどうなっていって、どう運用されていて、どこに改善点があるのかを分析する。その時に茶色の紙に帳票を貼りだし、管理者と一緒に何が問題(黄色の紙)で、どう解決していくべきかのかを一緒に見据えていく(下図参照)。

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陥りがちなポイント

マネジメントの仕組みを考える上で、陥りがちなポイントが幾つかあるので共有しておく。

①目標/予測:「ありたい姿」ではなく、「なりそうな姿」から考えてしまう。また、現状の実力値を甘え甘えに見て、予測を低く見積もってしまう

②施策/計画:施策はあるものの、それをやり切れば目標達成できるかどうか誰も分からない。また、行動計画を見ても、誰が何をいつまでにやるのか分からない。⇒いやー、本当によくある。

③実行/結果:決めた行動をやらなくても誰も何も言わない。また、進捗確認をした時には既に手遅れである。さらに、言い訳ばかりを考えて、具体的なリカバリー方法が見えてこない。

④実績/検証:基本的にやりっ放しで過去を振返る仕組みがない。また、分析は立派だけども、次に何をするのかが分からない。

マネジメントしている方も、マネジメントされている方も、心当たりのある要素が幾つかあったのではないかと思う。

最後に

マネジメント力を高めるには、①仕組みを構築することと、②効果的なコミュニケーション方法で人を動かすこと。

仕組みを構築するためには、6 Gapをどうマネージしていくと目標達成に繋がるのかを見極めることである。

そして、6 Gapをマネージしていくためのマネジメントシステムを構築していくこと。一度、今使っている管理帳票や会議体を洗い出して、模造紙に貼りだして、何が問題で、どう変えるべきかを議論してみるといいと思う。



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