祝新年度! 良い音楽家になるための3つのこと by Adam Blackstoneさん
4月になりましたね!
新社会人ならぬ、新プロ音楽家の皆さま、おめでとうございます。ようこそ、こちらの世界へいらっしゃいました!
今日は、世界的ベース奏者Adam Blackstoneさんによる
「より良い音楽家になるための3つのこと」
というお話をシェアします。
自分が愛する音楽を共有することでお金をいただける、しかも何人で分けても音楽って減らないし。音楽で誰かの人生が変わることだってある。なんてすごいんでしょう音楽って!大好き!
でも辛いこともたくさんありますね。迷うことも多いし。音楽業界は特にいま変化の時期で悩み事も増えるはずなのに、現場でお兄さんお姉さんから色々教えてもらえるなんてことが、減ってる気がします。私も日本の若手の方にお会いする機会が極端に減っています。
だからこそ、ブログではいい話をシェアしたいなと思っています!
イエイ!
以下のトークは、3月8日の「国際女性デー」に、グラミー賞の団体Recording Academy主催で披露され、参加者のひとりだった私は拝聴することができました。あまりに素晴らしかったのでメモをたくさん残してありまして。それに基づいて以下、書いていきますね!
なお、こちらはAdamさんのトークに基づく私のエッセイで、私が書いた内容にういてAdamさんが責任を負わされるものでは一切ないことを記しておきます。
Adamさんは「これから音楽で身を立てたい人に何かメッセージを。例えば、大事なことを3つ教えて!と言われたらなんと伝えますか?」と聞かれて、う〜〜んそうだなあとお考えになったあと、以下の3つを挙げていました。
1. Be Prepared (準備が出来た状態であれ)
備えがすべてを作る、それが1つ目にアダムさんが仰ったことです。
例えば「リハーサルは練習の場ではない」というのが良い例だとも。リハーサルは練習したものを持ち寄って音楽を作るための場所であって「自分の練習の場にリハーサルを使おうとするのはプロがやることではない」と仰っておられて。
情熱があれば準備はできるはずだ、ともおっしゃっていました。
自分の專門でThe Best(素晴らしさの境地)に行きたいと真剣に思っているなら、そのために何ができるか、何をすべきか、考えるはずだ。考えればわかるはずだ、全ての現場に完璧な準備をして挑むのが大事だってことが、と。
現場は1つ1つ全てが大事で、リハーサルだから適当でいいとか、このショーは小さい会場だから適当でいいとか、そんなことはありえない。全てのものに全ての準備を完璧にしてから挑むことで、情熱が形になって、それがあなたをベストな音楽家にしていくんだ - 普段から準備に命を掛けている私としては、この段階で感動して涙ボロボロになってしまったわけですが。
ここで、絶対にこの話はシェアしようと思ってメモを取り始めたのですよ、実は!
2. Presentation Matters (見た目の通りの音が出ると心得よ)
2つ目がとてもおもしろかったのです。「見た目」についての言及でした。
「みんな、自分の見た目と同じ音しか出ないってことを知ってるか」という問いかけでした。
何もセクシーな格好をしろとか、色気を振りまけとか言っているんじゃない、そうじゃなくて「どういう身なりで仕事現場に行くか」は、あなたの仕事への態度をダイレクトに映し出すんだと、きちんと理解したほうがいい、というアドバイスだ、と。
「リハーサルだからとか、打ち合わせだからといって、ボロ雑巾みたいなくちゃくちゃのシャツで行くな。「身なり」は相手への尊敬を表すんだから。」
これには、うわあ、と思わされました。思い当たるフシが、ありすぎたからです。これまでに日米&他国のいくつものバンドと仕事をしてきましたが、普段から身なりをきちっとしている方は、きちんとしておられるので一緒にツアーがしやすいのですよ。
3. "Character" - Be the right person even under the stage (ステージを下りてもきちんとした人間であれ)
ショーが始まる前も、終わった後も、1つの統一された人格であれ、きちんとした人であれ:それがアダムさんの3つ目の言葉です。彼のような大スターが言ってくださると深く滲みてきます。
「舞台の最中だけ、かっこよく優しく良い人間のように振る舞うが、サウンドチェックでスタッフに鬼のように厳しい人がいたりする。
スタッフに甘えてわがまま放題だったり、ステージではない場所で、急にめちゃくちゃな行動をする人間がいるが、あれは、違う。」とはっきり。
トイレで。
ホテルで。
全ての場所できちんとした人間であれ。
決してステージの下で急に変化するような人になりさがるな。
ダメ人間や最悪な人間になるな。
「音楽のスキルは神様がくださった宝であって、その技術はあなたが調子に乗るために与えられたのではない。せっかくもらったその音楽の技術を、おかしなことに使うべきではない。」
これは本当にずっと心に留めて起きたいことです。
最後に女性のリーダーに向けてAdamさんが仰ったことをシェアします。日本は女性差別があるだけでなく、年上が年下に向かって威張り散らすなどおかしなことがまだまだありますよね。それと戦っている全ての方に自分のことだと思ってお読みいただきたいです。
「女性のリーダーは自分に誇りを持って欲しい。女性差別がまだまだあるこの世の中で、あなた方は、新しいドアをどんどん次の世代のために開いていっているのですから。」
これからも、たくさんのドアを開いていきたいと思います。あらゆる差別や不平等のない世の中になるよう、音楽家のみなさま、一緒に音楽で良い世界を作っていきましょう!