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希望の光は消えない (Unbreakable Hope and Resilience)アーカイブ鑑賞ガイドです。ぜひ御覧ください

みなさま、こんにちは!宮嶋みぎわです。

日本時間の2022年4月20日(水)、NY時間の19日(火)に、私のコンサートがNYから世界に向けて生配信されました。

ご視聴くださった皆様、ありがとうございます!

そのコンサートがなんとアーカイブされ、以下のリンクから無料で視聴いただけます。


コンサートは全て英語で行われたので、以下に

・日本語訳
・各曲の頭出し
・一番下に出演者や制作者の名前一覧

を掲載いたしました。日本語訳はライブチャットをご覧いただくことでもお読みになれます。

「アーティストへの投げ銭」にご協力いただける皆様は、YouTube中のリンクではなく、このnoteの「気に入ったらサポート」をご利用いただくほうが、私&出演者へ素早く到着いたします。一番下までスクロールすると表示されるグリーンのボタンがそれです。アメリカ在住や世界各国の皆様はPayPalもしくはVenmoをお使いいただければ幸いです。

それではどうぞ、お楽しみください!


イントロ "Eternity? 2:46pm"


Eternity? 2:46pm 

私は宮嶋みぎわと申します。このプロジェクトの作曲家、プロデューサーでインタビューも担当しました。私は2011年に発生した東日本大震災の経験者です。地震が起きたときは東京西荻窪でピアノの生徒さんを教えていて、揺れに驚いて二人で逃げ場を確保するためにドアを開けてみて驚きました。窓の外の電柱がぐにゃぐにゃに揺れていて、車がぴょんぴょん地面から飛び跳ねていたからです、これは大変なことになった!と思いましたが、あの津波と原発事故を引き起こし2万2000人以上が死亡もしくは行方不明、127万戸の建物が壊れるような大惨事になったことを知ったのは後のことでした。茨城に住む家族とは4日ほど連絡取れませんでした。
 
この震災は私に、言葉では言えない大きなショックと重く苦しい影響を与えました。私自身のこころを整理する必要があると感じ、私は2019年から、震災で人生が変わった方々をインタビューし始めました。被災者、ボランティア、被災地のために引っ越して働き始めた方、後に病気になった私の母、さまざまな立場で震災と関わった方々、約20人の皆様のお話を伺いました。
コロナ禍で何度も延期やスケジュール変更がおこり、やっと今日、完成した11の楽曲を披露することが出来ます。私がインタビューの中に見つけた、人の素晴らしさと希望を皆様にも感じとって頂けるようなconcertにしたいと思います。

未来を信じる気持ちがすこしずつ芽生えていきますように。
願いながら今日のコンサートをお届けします。

宮嶋みぎわ
 

2011年3月11日は、ごく普通の日でした。春の始まりである3月の、単なる「とある一日」でした。2時46分に、あの地震がおきるまでは。

Where is My Home? 私の家はどこ


Where is My Home? - Akira Sato's story

佐藤彰さんは福島第一バプテスト教会の牧師でした。200人ほどの信者が集う場であった教会は、爆発した福島第一原発からわずか5km県内にあり、地震後すぐに200人全員があちこちへと避難を強いられることになり、散り散りになって避難先もわからない状態になってしまったのです。佐藤彰さんご自身の生活もその後1年に渡り、あちこちの避難所を転々とする生活になりましたが、募金を募り、みなさんのために再度教会を建てようと講演活動などを続けられ、2年後についに福島県のいわき市に教会を建築され、今はいわきの住民と、一緒にいわきに転居した方々と皆で、新しいコミュニティ、新しいふるさとを皆のために作る活動をされています。ですが、もともとの教会がある場所は、今でも立ち入り禁止のままです。私は佐藤彰さんの体験に基づいて書いたこの曲を「私の家はどこ」というタイトルにしました。

Go or Not Go 行くべきか、行かざるべきか

Go or Not Go - Migiwa Miyajima's Story

私は2012年にNYに引っ越してきました。震災の翌年です。ジャズ作曲家としての学びを深めるために文化庁の新進芸術家海外研修制度という奨学金をいただいたので、来ることができたのです。これが、私にとっては大変苦しいことでした。震災からまだ1年しか経っていない日本では、TVをつければ進まない復興への苦しみと政治家同士の言い争いばかりが流れていました。空港に行く途中も、飛行機の中でも、今税金を私という芸術家の育成に使うことは正しいことなのだろうかと悩み、大きな重責を感じ続ける毎日でした。このときの気持を表した曲が「行くべきか、行かざるべきか」です。

I Live, I Talk 私は生き、そして語る & Let Me Talk about My Dream 僕の夢の話をしよう

I Live, I Talk - Kyohmi Takahashi's story
Let Me Talk about My Dream - Kazemaru Chiba's story

高橋 匡美さんは、津波でご両親を亡くされました。うつ状態に苦しみ、ほとんど何もできない状態を数年過ごした後に、彼女は語り部になることを決意し、今は「いのちのかたりべ」として、命の大切さ、大事な人に愛をシェアすることの大切さを語り続けるお仕事をされています。日本語だけでなく最近は英語でも語り部をされています。私自身も何度匡美さんの言葉に励まされたか数え切れないほどです。匡美さんの曲は「私は生き、そして語る」というタイトルにしました。周囲の人の助けを借りて、匡美さんが立ち上がっていかれるその姿を曲にしています。
 
千葉 颯丸さんは匡美さんのご子息です。お母さんの戦いと日々の変化をずっと見守り、助けてきました。お母さんと共に旅をしてきた戦友であるように私には見えました。震災当時18歳だった颯丸さんは、今は28歳の才能あふれる青年です。311を経験されたことで、社会を構成する全員が幸せでいられるような社会はどうやったら作れるのだろうか、ということに、よりフォーカスが向くようになったとおっしゃる颯丸さん。インタビューの中で「夢は語り続けていきたい」とおっしゃったことが強く印象に残り、彼の曲は「僕の夢の話をしよう」というタイトルにしました。颯丸さんは静かな強さを持った方なので、それが伝わる曲になっていれば嬉しいなと思います。

Determination 決意 & I Will Make a Change 私が変化を起こす

Determination - Migiwa Miyajima's Story
I Will Make a Change - Takayuki Yoshinaga's Story

自分を政府のお金のどろぼうのように感じていた私にある時に友人がアドバイスをくれました。「国から予算が出ると決まっているなら、自分でいただいて、きちんと良い使い方をすればいい。いただいて、良い学びをして、良い人間になればいい。」とアドバイスをされ、予定どおり奨学金に応募して、NYへ行く!と心に決めました。この時に、何が何でも良い音楽かになるのだ、と固く誓ったことが、この10年私を支えてきましたし、このプロジェクトを実施する力もその決意が与えてくれました。この気持ちを語る曲はシンプルに「決意」と名付けました。
 
震災から3年後、吉永 隆之さんは一本の連絡を受けます。一時全住民が避難となった福島県の浪江町で、町のコミュニティを支えていくためのシステム開発が必要になり、エンジニアを募集していたのです。吉永さんはYESと答え、浪江町へ転居し、町の再生のために力を尽くしました。9年後、吉永さんはご自身の会社を立ち上げられ、今はその会社を通じてよりよい社会を作るための貢献を続けています。「今変化を起こさなければ、きっと後で後悔すると思った」と浪江町へ引っ越した気持ちを語ってくれた吉永さんのストーリーに敬意を込め、彼の曲は「私が変化を起こす」と名付けました。
 

The Future of the Planted Seeds 私達が植えた種の未来

The Future of the Planted Seeds - The Fellowship For Japan's story

2011年から2021年まで、NYに存在していたボランティアグループがあります。フェローシップ・フォー・ジャパンというこの団体を構成する13人は日本からの移民で、震災発生時にはみな、既にNYに住んでいました。遠く離れた故郷で起きた震災のすさまじさにショックを受け、13人はそれぞれのアイディアで募金活動や集会などを始め、後に皆で方針を定め「Together for 311」というイベントを毎年3月に実施することを決めます。このイベントは彼らの努力とたくさんの協力者の思い・努力によって、2021年まで毎年続きました。
被災者を日本から招いてスピーチをしてもらったり、被災地の町長や市長がビデオメッセージで復興の様子を報告したり、NY在住の子ども合唱団の歌が披露されたり、様々なコンテンツを含むこの集会の準備には、毎年半年が必要だったそうです。つまり10年にわたり、この皆さんは人生の中の半年をも、この集会に捧げて生きてきてくださったのでした。
あまりの仕事量に胸を打たれた私が、本当に大変だったでしょう、と言うと、インタビューを受けてくださったメンバーは口々に「お礼を言いたいのは私の方なんだ」とおっしゃいました。この10年で、人の命に対して考えが深まり、日本人コミュニティの繋がりが深くなり、素晴らしい体験しかなかった、とコメントしてくださる皆さんの姿を見て、私は彼らの曲を作ることにしました。曲のタイトルは「私達が植えた種の未来」というタイトルにしました。今その花があちこちに咲き誇っているのを、私は見てきているのです。以下、13人のボランティア皆さんのお名前です。
 
AK-Akemi Kakihara Krivit
Chiemi Machida
Eri Kurobe
Junko Hino
Kazushi Udagawa
Megumi Sato-Shelley
Miwa Kurita McGuinness
Naoko Fitzgerald 
Nozomi Terao
Rie Nishimura
Taeco Ishida
Tomiko Yazawa
Yoshiko Sugimoto

Life is Good 人生はよいもの 


Life is Good - Yuko Miyajima's Story

震災が起きたとき、私の母宮嶋裕子は茨城県におり、マグニチュード7.9の地震を体験しました。地震との直接の関係があるかどうかはわかりませんが、5年後、母は癌を発症しました。私にとってこのことは、震災の影響を考える大きなきっかけになりました。震災で直接家や財産を失っていなくても、こころに与えられた影響が後に病気を引き起こすという、そういうことだってたくさんあったはずだ、と思ったのです。母のようなケースを経験された方にも「私の話も組曲に入れてくれた」と思っていただきたいと考え、私は母の曲を作ると決めました。
母は震災だけでなく、人生で多くの困難を経験しています。第二次世界大戦の影響が色濃く残る時代に生まれ、戦争の影響による差別や貧困を経験し、その上震災を経験して癌にまでなって、それでも母は人生を「良いもの」だと言い「震災や癌でいろんなことを学んだから、それをママは、伝えていきたいなと思うの」と言います。私は母の曲を「人生はよいもの - Life is Good」と名付けることにしました。
 

Your Future Story あなたのこれからのことを & 10 Years and Counting 10年、そして


Your Future Story
10 Years and Counting 

そしてまた3月11日が過ぎ、あれから11年がたってしまいました。最後の1曲は「10年そして」というタイトルです。私自身が震災からの10年、NYへ引っ越してきてからの10年、それらを振り返って、様々な思いを噛み締め、少しでも成長していきたいとまた前を向いて歩いていく、そういう曲です。イントロで司会者のタミーが読み上げるのは、インタビュー中に私が聴いた皆さんの言葉を英語に訳したものです。本日はconcertをご観覧いただき、まことにありがとうございました!

この公演を作り上げた方たちをご紹介します


Producer/Composer/Conductor
Migiwa Miyajima

 
Miggy Augmented Orchestra
Reeds: Ben Kono, Alejandro Aviles, Sam Dillon, Quinsin Nachoff, Carl Maraghi
Tbs: Matthew McDonald, Charley Gordon, Becca Patterson, Gina Benalcázar López
Tps: Dan Urness, David Smith, Dave Adewumi, Rachel Therrien
Rhy: Gt Pete McCann, Piano Arcoiris Sandoval, Bass Noriko Ueda, Drums Tim Horner
Narrator: Tammy Scheffer
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Animation: Angelique de Castro
Illustration: 坂本奈緒 NaoSakamoto
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Interviewees (A-Z): Kazemaru Chiba, Yuko Miyajima, Akira Sato (First Bible Baptist Church / Special thanks to Masashi Sato), Kyohmi Takahashi, Takayuki Yoshinaga and Fellowship For Japan (AK-Akemi Kakihara Krivit and Taeco Ishida, Eri Kurobe, Megumi Sato-Shelley, Yoshiko Sugimoto, Nozomi Terao and special thanks to Naoko TF, Junko Hino, Chiemi Machida, Miwa Kurita McGuinness, Rie Nishimura, Tomizo Yazawa, Kazushi Udagawa)
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Video projection: Sanae Ohno, Yu Nishiyama
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When I translated the interviews and the project descriptions from Japanese to English, I was helped so much by Remy Le Boeuf, Evan Gregor, Midori Larsen, Matt Merewitz and Quinsin Nachoff - and I still appreciate their support!!!
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PR ambassadors for Japan Hiromi Koyanagawa, Yukiko Onoue
Music Prep Assistant Ryoko Kan
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This project is made possible with the support from The Jerome Foundation and The ​NYC Women’s Fund for Media, Music and Theatre by the City of New York Mayor’s Office of Media and Entertainment in association with The New York Foundation for the Arts, MSTERIO.org and Culture Lab LIC at The Plaxall Gallery


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