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2019年の身体動向まとめ ―― 身体は激動する環境にどう適応しようとしているのか?

春になると気温だけでなく、湿度も上がってくるのですが、今年の春は湿度があまり上がらず冬のような湿度の低さが続きました。

春に活発化する足三里(排泄とリラックスを促す)が、2000年代に入ってからはほぼ毎年、冬の間から春までずっと活発に反応してきたので、前年秋からずっと反応をモニターしてきました。ところがこの春は足三里の反応(=身心のリラックス、排泄を促す)は、ほぼ ” 不発 ” という感じでした。

一方、血海(=下腹の集中、身心の安定を促す)は前年5月からずっと高い反応が続いてきました(2019年12月末の時点でもまだ活発 → さらに続きそう)。

またよくリラックスすると、頸動脈の脈動が見えやすくなります。とくに春は、身体がゆるみやすいので、頸動脈の動きがくっきり見えやすいのが本来ですが、この春ははっきりしませんでした。そのまま夏ーー秋の間も首が充分にゆるみにくく、頸動脈の脈動が見えにくい傾向は続きました。むしろ寒さに向かって首の緊張が高まり、頸動脈の動きが見えにくくなりやすい12月に入って、逆に、脈動が見えやすい人が出始めました(ただし左側は弱い傾向)。

アレルギー傾向(炎症を起こしやすい傾向)が高い状態が続いたのも今年の特徴です。

アレルギー傾向は、例年春に最も強くなります。今年は4月末に、いったん鎮まったように見えましたがが、5月の連休明け頃から再び敏感になり、春よりもむしろ、連休明け以降のほうが、アレルギー傾向が強まりました。

夏から秋にかけて、風邪を引いたあと、咳がなかなか抜けない症状(近年「咳喘息(喉喘息)」と呼ばれるようになった)もよく見られました。またアトピー体質の人だけでなく、これまで皮膚炎の経験がないという人の皮膚炎症状も見かけました。

夏から秋(6月〜10月  大雨や台風が続き、気温だけでなく、湿度が高い状態が延々続き、8月に胸にこもった熱が、9月、10月になってもまだ抜けにくく、「夏バテ」状態が続きました(胸がゆるまず放熱しにくい=熱がこもる→炎症を起こしやすく治まりにくい ーー 気分的には落ち着かなかったり、不安を感じやすかったりする)。

この状況は、趾(あしゆび)の反応にもよく表れました。ほとんどの人が、小趾と薬趾のあいだ(4・5趾間)が狭まって硬くなり(左右とも)、爪の先でわずかに触れただけでも圧痛を感じやすい状態がずっと続き(例年なら8月中に終わる)、10月下旬あたりになってやっと、圧痛が少ない人が出始めました。

11月になって、ようやく「秋らしい感じ」(ただし湿度は下がったが寒暖差は大きい)になってきて、夏の疲れの名残(胸に熱がこもる)が鎮まってきました。4・5趾間の圧痛も個人差はありますが少なくなってきました。

12月になってからは、右足の小趾と薬趾のあいだ(4・5趾間)が縮んで硬くなり4趾側(頭から下りる気お流れに反応)に触れるとほとんどの人が痛い。これは冬というよりは春先の反応です。首の左側の筋肉は、冷えに反応して縮み(11月末~首付根、12月下旬~首上部)、冬らしい反応をしていますが、右側は肩甲骨の周りや骨盤が春先のようにゆるみやすいので、左右のバランスの落差も大きくなって、風邪を引きやすく、抜けにくい傾向が続きそうです。

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血海の反応が、昨年5月からずっと高い状態が続いていることについては、仙骨の動きの不安定とつながりがありそうです。3.11震災・原発事故の後も2年以上、仙骨の動きが落ち着きませんでしたが、このときは足三里の反応が活発でした。今年の春は逆に本来活発になるはずの足三里の活動(身心のリラックス、排泄を促す)が不発で、去年5月から続く血海(下腹の集中、身心の安定を促す)の反応がずっと活発なままです。

血海の活発な活動は、下腹に力を集めて仙骨の動きをなんとか安定させようとしているのではないかと思われます。

気候変動や地殻変動、社会環境の流動化など、身心の安定には厳しい状況が続きます。一方、私が気がついた範囲で言えば、30年ほど前から、溢れる情報、環境の変化や人間関係に対して、身体の反応はより過敏になってきています。

身体はこれから、どのように環境に適応しようとしようとしているのでしょうか?注目していきたいと思います。

*仙骨は、呼吸や身体の前後運動とともになめらかに前傾 ↔ 後傾するのが、安定した本来の動き。

( note「2019年 5月~7月の身体動向 仙骨の動揺」参照)


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