絵本の読み聞かせ どうしたらいい?〈0歳・1歳 編〉
私は絵本が好きです。すてきな絵本を読んでいると、時間が過ぎるのを忘れます。でも、「絵本の学びの効果」とか「絵本で賢い子に育てる」とかは、どうでもいいです。賢い子になろうとなるまいと、楽しく読めれば、それで幸せだと思っています。
そんな私のお届けする自由に気楽な「絵本の楽しみ方」。今回は、0歳1歳くらいのお子さんと絵本を楽しむ場面で、お父さんお母さんが抱きがちな「不安」「心配」について、1つずつ確かめていきますね。
1.どうやったら絵本を聴いてもらえるの?
「読み聞かせの方法がまちがってる?」って不安に思わなくていい
絵本の読み聞かせ、って言うと、親が読む絵本を、こどもがじっと聞いている、そういう図をイメージする人が多いようです。そのイメージ通りに読み聞かせができないと「ちゃんと絵本を聞いてくれない」「私のやり方が正しくないのかも」と不安になってしまうんですよね。
でも、気にしないで。
こどもたちは、「前から順にお話しがつながっている」「ページをめくる前に読むべき文字がある」「文字を読めばお話が分かる」なんてことは知りません。お父さんお母さんが、何か持ってきたぞ、何かな、と思っているだけ。
正しい方法で読めば、興味を示すわけではありません。全然興味を示さないように見えても、単に別のことが気になっているだけだったり、眠いだけかもしれません。絵本を乱暴に扱っているように見えても、嬉しくって興奮しすぎているだけかもしれないのです。
いずれにしても、大人の思い通りの行動をとらない理由は「読み聞かせの方法が間違っている」からではないんです。
絵本を使って、親子で楽しめればそれでいい
読み聞かせで大切なことは、絵本を聴かせよう、と思わないこと。絵本を読む時間を義務や苦痛の時間にしないこと。そして、何より気にかけていたいことは、読む人が心から楽しむこと。
こどもにとって、お父さんお母さんが楽しそうに、いつもと違うリズムで語りかけてくれたら、そして、お父さんお母さんの気持ちが自分だけに向けられていることを感じられたら、それはそれは幸せな時間です。
だから、まずは「膝の上で、静かに聴いている」という読み聞かせのイメージを捨てましょう。そして、絵本、というツールを使って、どれだけ親子で楽しめるのか・・・そんな風に考えていってみては、どうでしょう。それだけで、親子の絵本時間は、ぐっと楽しくなります。
「読む」と言うより「親子で遊ぶ」ことを促してくれる絵本も、沢山あります。
『ぼうしとったら』tupera tupera:作 学研
ぼうし部分をめくって、「ぼうしとったら」どうなるかの変化が楽しめる仕掛け絵本。大人の意表を突く「ぼうしをとった姿」が気になりすぎて、大人だって、字も読まずに、ぼうしだけめくりたくなっちゃう。
『ぴょーん』まつおかたつひで:作 ポプラ社
読みながら一緒にぴょーん、って跳びたくなる絵本。高い高いしてあげて「ぴょーん」って遊ぶのもいい。
2.読み聞かせはどんな姿勢でやったらいいの?
読みやすい方法でOK
どんな姿勢で読んだらいいんですか?なんて質問も頂くのですが、どんな姿勢で読んだっていいですよ。寝転んでたって、親の膝で膝枕してたって、読む人の周りをぐるぐる走りながら耳だけ聴いていたって、何でもいいんです。ただ、現実問題として、読み聞かせを始めたばかりの頃は、こどもをひざの上に乗せるのが、一番やりやすいと思います。絵本をまっすぐもって、まっすぐ読めますから。
ひざの上にのせて読むスタイルは、親子で同じところを見ているので、読みやすい。お互いの身体の温度や息遣いが感じられる良さもあります。一方で、こどもの表情は見えません。わぁ、っと顔が輝いたり、びっくりして咄嗟に目をつぶったり・・・そういう表情が見えると、実は読み手も楽しくなってくるんですけどね。仕方ありません。
一方で、向かい合って読む方法もあります。図書館などの読み聞かせのような形です。こどもの表情は良く見えます。ただ、慣れないうちは、文字を読むのが少し難しいかもしれません。読みなれた本の方がスムーズに読めそうですね。
兄弟姉妹に一緒に読んであげたりする場合には、並んで座る場合もあります。夜寝る時は、親子で腹ばいで寝転がることもあるでしょう。(読みながら寝ちゃっうんですよねー。)
どんな姿勢でも、それが親子にとって心地よいか、が何より大事。こうじゃなきゃいけない、って思わずに読みましょう。
3.とはいえ せっかく読んでいるのに聴いてくれないと心が折れる
0歳・1歳の人たちの興味の示し方は、大人の期待とは違うよ、とはいえ、やっぱり多少は聴いてくれたり、反応してくれないと心折れますよね。
そこで、お話会などで、比較的子どもが気に入ってくれた絵本をご紹介します。でも、絵本の好み(絵本に限らずどんなことでも)は、1人1人違って当然なので、お子さんの反応がイマイチでも、読み方が悪いんじゃないか・・・とか心配しないでくださいね。
※年齢別絵本の選び方は、別の記事で改めてお伝えします。
『ととけっこう よがあけた』こばやしえみこ:案 ましませつこ:絵 こぐま社
わらべうたの絵本。ずっとずっと唄い継がれてきた「わらべうた」の節は、どこか身を委ねられる心地よさがあるんですよね。子どもの呼吸の速さで、落ち着いた気持ちで読みたい本です。
『まるくて おいしいよ』こにしえいこ:作 福音館
まる、は赤ちゃんが好む形。出てくる食べ物に知らないものがあったとしても、まるくておいしいよ、の言葉に誘われて、1つ1つに興味津々。言葉もテンポが良くて、日常生活でもつい口をついて出てきます。
『おひさま あはは』前川かずお:作 こぐま社
黄色い絵本。あ段の音の多い絵本。(おはな・さかな・かあさん・・・)だから、読む方は、クチを大きく開けっ放しで、そのうち、自然にあははと笑い出しそうになる。
いかがでしたか?
絵本の読み方が正しいかどうかなんて気にしないで、まずはどんどん楽しんでみてくださいね。
リンク元:こども×おとな×しごとプロジェクト
※こちらのサイトではもっと沢山の絵本を紹介しています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?