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やる気は消費される。意味のないことは続く【看護師の離職理由からの考察】

もう結論から言ってしまいます。

インタビューで、「なぜこの仕事を選んだの?」と質問したときのことです。

この仕事は素晴らしいから。だからわたしは頑張ってやってきたの!」という、割とテンション高めな人と、そこまでのテンションでない人とがいました。

前者と後者、のちの一年後の勤続状況は、結構な割合で前者は退職してしまい、後者は継続して働いていました。

このインタビューは、わたしが医療機関に勤めていた時に広報誌を書くために、看護学生たちに一人ひとりインタビューした経験からお話ししています。

その時に肌で感じたことだけを書いていますので、一概に言えないかもしれませんが、結構そういうことってあるかもね、と思ったので、メモしてみました。

ちなみに、当時のわたしは、やる気満々で楽しそうに話す子と、別に他になかったので看護師になりましたと話す子の、離職率の相関関係が、予想と全く違っていたので、大変びっくりしました。

インタビュー内容は嘘だったのか?と。良いコメントをしたかったから、もしくはわたしがうまく引き出せなかったからなのかと、自問自答しました。

しかし、その後、看護学生たちからのコメントでなんとなく見えてきた構図がありました。

やる気のある看護学生たちが、理想を高く持って、看護へのキラキラしたイメージを持っていました。しかし、その気持ちを裏切られた、という感覚を持った場合、その落差から、モチベーションが維持できなくなったようでした

一方、続く子たちは、看護に何ら特別な感情を持たず、何となく看護師を選んだだけで、でもまぁこんなもんだろうと思ってやっていても、日々の気づきはあるわけです。期待値はもともと高くないので、期待値は裏切られることない分、健やかに淡々と過ごしているようでした

この対照的な看護学生をみて思ったのです。

やる気やモチベーションは大切ですが、特になくても、その時を過ごす感覚を大切にすることも、それはそれで看護のお仕事を続けて、自然と看護スキルを身につけているとしたら、看護職に就くための理由は、特に必要ないものかもしれません。

これは看護に限らず、他の仕事についても言えるかもしれません。

やる気やモチベーションは波があり、どうしても日々のエネルギーとして消費されます。また、やる気のスイッチが入ったポイントだけ見て、それ以外には目を向けないところはどうしてもでてきます。

一方、日々の気づきの中で過ごす、特にやる気はないけども、過ごしていくと、積み重ねていく先の成長から、きっと見えてくる景色も変わってくるはずです。そう考えると、続けることの意味は、やる気やモチベーションよりも大きな意味があると思えてきます。

何か理由があって何かをするよりも、まずはスタートして続けてから、意味を見つけてもいいかもしれないと思った今日この頃です。


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