あなたには、待っていてくれる人がたくさんいます。

2024年2月19日 14:41

三重県から就職氷河期世代へのアウトリーチ事業を受託し、ディレクターを担当して3年が経ちます。三重県ではハローワーク、マイチャレ三重、サポステ（若者就業サポートステーション）など国や県などの垣根を越えて様々な機関が連携し就職氷河期世代の支援を行っています。３年間、関連機関の皆さんと取材を通じて繋がっていくなかで、共通して感じることがありました。それは皆さんが「温かいサポーター」だということ。

ハローワークの担当者は自ら就職氷河期世代向けにイベントを開催し、参加者が少ないとなればSNSで必死に募集を掛けていました。実際に参加したイベントでは、就職氷河期について丁寧に綴られた厚い資料、時計を確認しながら何度も練習したのだろうと思われるペース配分、参加者それぞれとコミュニケーションを取る姿も印象的でした。

職業訓練を行う津高等技術学校やポリテクセンター、その委託先の専門学校では施設内を巡りながら授業の内容を細かく教えていただき、そこで先生が経験した生徒との温かいエピソードなども教えてくれました。そして90％近い就職率があること、手続きが通れば無償で授業を受けられることなど、まだまだ伝えたいとお話してくれました。

中間支援的な立場にあるマイチャレ三重やサポステでは、就職氷河期世代に対応してくれるカウンセラーが在籍していて、例えば職業適性検査や模擬面接を受けることができたり、合同企業説明会なども開催し、担当者が自ら足を使って就職氷河期世代を受け入れてくれる企業を開拓するなど、全力でサポート体制を作る姿が心に残っています。

ひきこもり機関では「テレビや映画によるひきこもりの方々への偏見を無くしたい」と繰り返し話し、何年も通い徐々に心を開いてもらい社会へもどった方々との思い出も熱心にお話されていました。また本noteアカウントでご紹介させてもらった記事を印刷して、資料として持ち歩いていただくほどの熱心さには胸が熱くなりました。

そこには誰一人として、マニュアル通りに仕事をこなしているだけの人はいませんでした。

でも、届けたいのに届かない。
もっと支援を必要としている人に届いて欲しい。
取材をするにつれ、そんな想いが伝わってきました。

私たちは具体的なサポートをすることはできません。でも情報発信を担当する者としてもっとできることがあるはず。初年度から毎月、X（旧Twitter）やnoteではアクセス解析を行ってきました。そこで見えてきたのが、合同企業説明会や就職氷河期世代の受け入れを行っている企業一覧、各種相談会など、より具体的な情報が求められていること。

Xの投稿やnote特集記事ではより具体的な情報を、noteの漫画では物語を通じて自然に支援の内容が伝わるように、またnoteのエッセイでは時にほっとひと息つけるような読み物を。前例のない情報発信を手探りで進めながら、気がつけばXでは都道府県の就職氷河期世代関連アカウントでフォロワー数が１位になっていました（自社調べ）。SNSをフォローいただいたり、記事やエッセイ、漫画を読んでいただいた皆様に感謝いたします。ありがとうございます。

3年間この事業に関わってきて一番お伝えしたいことがあります。
それは「くれぐれも無理はなさらず」ということ。
皆様がそれぞれのペースで休息を経て「時がきたかな」と思ったら、まずは関連機関にご相談を。そこにはあなたを支えてくれる、サポーターがたくさん待っています。ふと気が向いたときには、本noteやXをのぞいてみてください。一歩踏み出すその時のために、お役に立てる情報をご用意しています。

関連SNS
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文・WEBマガジンOTONAMIE代表村山祐介

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