保津みづほ

好きな食べ物は活字とチョコレート、嫌いなものは死です。

保津みづほ

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マガジン

  • みづほさんダイアリー

    ここには日々があります。 それが無意味なものだとは、わたしは思いません。

  • 【連載小説】語研活動日誌

    「名前貸してくれるだけでもいいから!」――部活新設の人数合わせに協力を頼まれた吉田遥。共用部室の一角で、遥を待っていたのは個性あふれる語学ガールたちだった! マニアックな語学トークの数々に、遥はついていけるのか?

  • 週末みづほマガジンV

    週末は長ったらしい文章を書きます。Vに意味はありません。

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墓標じゃない場所に名を残してから死にたい

死にたくないのでnoteを始める  初めまして。わたしのことを知っていますか?  知らないですよね。だって初投稿だもん。  でもそれってすごく嫌じゃないですか? わたしが死んで、わたしを偲ぶ人が死に絶えたら、わたしの名は永久に消えてしまう。今死んだらどうしようと思うと、今にも死にそうです。あなたがわたしを知らないせいで、この命が果てようとしているのです。  名を遺して、悔いなく死にたい!  だからわたしはnoteをはじめます。つまり、   ①noteをはじめる   ②文

    • キンギンスナゴ――日記(2020.7.7)

       かれこれ1か月以上ぶりの日記なんだけど、「久しぶりの日記です」といったようなことを書きたくないという心の動きをみつけた。  書いてるけど。  世間では七夕という今日。熟字訓にもほどがあるだろうと常々思っている言葉のひとつです。  いろんな紆余曲折の果てに、七つめの夕を指してタナバタと言うようになったんだろうけど、わたしはここですぐ語源を調べてしまうので想像とか考察の余地を自分でつぶしてしまう。  何はともあれ、今日はめちゃ土砂降りだったので年に一度のおデートはお流れ

      • 異世界転生線――日記(2020.5.15)

         ここ何週間か引き延ばされ続けた学校の登校日ですが、ようやく日程がきまったようです。  休校期間が長引くことを考えて、あらかじめ課されていた課題があったのですが、今まで全く手をつけてませんでした。  「教科書のこの辺をまとめてきて」みたいなアッサリした出題だったので油断していましたが、よくみたら50ページ以上ありました。ぬわー!  しかもこういう課題、わたしはわけもなく凝ってしまう性格。  専門用語の英訳を無駄に添えてみたり、丸写しすれば楽なものを「ここの言い回しわか

        • やたらでかい光る羽とネコミミ――日記(2020.5.10)

           朝だ。  朝じゃない。  最近、久しぶりに朝から始まる生活をしているのだけれど(今までは昼に始まって朝に寝てた)、なんとなく市民権を取り戻したような気分になっています。  ところで、最近MMORPGと分類されるゲームをはじめてみました。  名称は伏せますが、どれも似たようなもんでしょ(偏見)。  伏せる必要もそんなにないけど。  とりあえずメインストーリーがあって、それに付随するクエストをこなさなくちゃいけない。内容としてはほぼおつかい。  集落のイザコザから

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        • 【連載小説】語研活動日誌
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          新芽のような自尊心――日記(2020.5.9)

           しばらく更新してなかった!  書いてた小説もしばらく滞ってたので、つづきかきました。  こういうのが一個止まると、連鎖的に他の創作活動がストップしちゃう体質。  やだなあ。  一つの活動の状態が、関連する別の活動に影響しちゃうっていうか。  たとえば、ドイツ語をはじめたらフランス語もやりたくなる。  フランス語をやりはじめたらロシア語もはじめる。  で、そこでロシア語に飽きると、他も全部やらなくなっちゃう。  そこで新たな趣味(ゲームとか)をはじめると、一気

          新芽のような自尊心――日記(2020.5.9)

          【連載小説】語研活動日誌 #16

          前回(#15) まえがき *めちゃ間が空いてしまったよ! *語学研究ってなんだっけ? #16 お姉ちゃん  女子寮の一室。退出していった3人を見送ると、さゆりとやよいは2人きりになった。部屋の扉を閉める音が、やけに長く響いた。  寮生の多くが部活動で留守にしているため、この時間はとても静かだった。嗚咽だけが部屋を満たして、2人を抱くように包み込んでいる。 「サ、ユーリ。さ、ゆっ……!」  見た目とは裏腹に、人一倍プライドの高いやよい。彼女にとって、他人に泣き顔を見せ

          【連載小説】語研活動日誌 #16

          【連載小説】語研活動日誌 #15

          前回(#14) まえがき *カクヨムでも連載しています。 #15 2人部屋  遥は内心、かなり驚いていた。  小っちゃくて、生意気だけど先輩で、変人だけど勉強熱心なその少女の涙に。 「うっ、ひっく……」  普段はふてぶてしい彼女だが、一度こぼれた涙を止められるほどに強くはない。震える両肩はあまりにも小さく、今にも壊れてしまいそうだった。  やよいと他4人の「語学研究部役員」たちは、学校裏手の女子寮にやってきていた。なお、女子高であるため男子寮はない。  寮はす

          【連載小説】語研活動日誌 #15

          ラテン語で呪文を唱えたら魔術師になれた

          もちウィッチ  こんにちは。保津みづほというものです。  種族は餅です。  人間のみなさまにおかれましては、魔術を生業としている方も少なくないかと思います。  しかし残念なことに、餅であるわたしには魔術の適性がありません。  今回は、わたしのように魔力を持たない種族の方々でも魔法を使うことができる方法をご紹介したいと思います。 あぶらかたぶら  魔術の素養のある方はご存じでしょうが、魔法は呪文を詠唱することで発動できます。  この呪文は体内の魔力が言葉という形

          ラテン語で呪文を唱えたら魔術師になれた

          ともぐいのススメ――日記(2020.4.16)

          ぞんび色の生活  足りないなー、「生きてる感」。  生きてるんだけど、生を実感できていない。  というより、死んでいるけど活動している感じ?  ぞんび?  ぞんびなので、腐った生魚をたべながらインターネットしています。web小説とか読んだり、キャンドルを無意味に燃やしたり。  よく考えたら、アンデッドだから火気厳禁。ティーキャンドルで浄化されちゃいました。 超絶オモシロギャグ  よく考えたら、今日はアルバイトがあったはずなのだけれど?  あるばいとが、ない

          ともぐいのススメ――日記(2020.4.16)

          【連載小説】語研活動日誌 #14

          前回(#13) まえがき *隔日更新になりつつある。 #14 帰る場所  会議は踊る、されど進まず……いつだったか歴史の授業で習った一節が、遥の脳裏に響いていた。  第1回語学研究部役員会議。その議題は、次に取り組む外国語選び……なのだが、 「ど、どうしてみんな、英語嫌いなんですか……?」  なんだか怖い顔をしている4人に、恐る恐るたずねる遥。  外国語学習といえば、有無を言わずにまず英語。それが世間的な常識というものだ。遥も入部早々にラテン語などを学ばされて感覚

          【連載小説】語研活動日誌 #14

          【連載小説】語研活動日誌 #13

          前回(#12) まえがき *カクヨムでも連載しています。 *ルビ振ってあるのでnoteより読みやすいかも。 *カクヨム版ではここから第二章。特別変わることはあまりないけど、区切りつけです。 #13 I don't like... 曇りのち晴れ……朝、天気予報士がそう言っていたのを思い出す。その言葉もむなしく、放課後になっても雲は晴れそうにない。  遥は部室へ足を運んでいた。さゆりによれば、今日は全員出席の「役員会議」だそうだ。部長であるさゆりが出席するのであれば、副部長

          【連載小説】語研活動日誌 #13

          【連載小説】語研活動日誌 #12

          前回(#11) まえがき *とくにない。 #12 語研的オートクラシー 部の活動記録を眺めていると、顧問の確認印がやよいの目にとまった。 「そういえば、ここの顧問って誰? 会ったことないけど」 「三好(みよし)先生だよ。うちのクラスの担任」  三好はさゆりのクラス、1年C組の担任を務める英語教師である。25歳と非常に若い新人教師だ。さゆりは部の設立に顧問が必要だと聞いたとき、真っ先に担任である三好に依頼した。新人であることもあり、部員の監督に時間が取れないからとはじ

          【連載小説】語研活動日誌 #12

          とけとけダイアリー――日記(2020.4.12)

          みん 学校おやすみんになった。  とりあえず、明日から一週間は学校がない。  学生としては、学校がないことを喜ぶのが一種のたしなみなのだろうけれど、わたしとしては早くカリキュラムを終えて職を得たいので、複雑なところです。  職パン売ってないかな。耳だけでもいい。  職パンの耳ってなんだろう? パートタイム? Springood 春いね。b  暦の上では春でも、春服がいっぱい売ってても、あったかくなってくれるかどうかは別問題。  むしろ、極端に寒くもなく、あったか

          とけとけダイアリー――日記(2020.4.12)

          【連載小説】語研活動日誌 #11

          前回(#10) まえがき *昨日投稿するの忘れていた……書いてたのに。 #11 語研活動日誌  第三多目的室。数多のクラブが雑居する、通称「共用部室」である。この部屋の大窓は西に面しており、放課後は西日が強く差し込む。窓際で活動しているクラブは、各々が日避け手段を講じている。  部屋のカーテンは左右の端にしかない。いくら西日が眩しいといっても、他のクラブの許可なくカーテンを閉めることは憚られよう。しかし語学研究部は窓際の右端にある。自分たちの分だけカーテンを使えば、手軽

          【連載小説】語研活動日誌 #11

          おーこめ来い――日記(2020.4.10)

          書く お日記かこ ネオ学期 新学期、はじまりました。マスク集団が教室で蠢く!  自転車買ったので、ちりんちりん通学はじめます。今まで公共の交通の機関を駆使して通っていたのだけれど、自分で漕ぐとまー大変! 遠い! ちりんちりん。 書く読む振る 前々からnoteで書いていた小説をカクヨムにも投稿することに。  あちらはルビ振れたり、フォントがかっこよかったりと、小説に特化している感じがいい。noteはすりっと書ける感じがすばらしネ。  ルビ機能は特に駆使しています。都合

          おーこめ来い――日記(2020.4.10)

          【連載小説】語研活動日誌 #10

          前回(#9) まえがき *10話目! *節目なので長いよ! *たまたまながくなっただけ #10 ふたつ目のりんご 「mālumは第二変化名詞……遥は、まだ覚えていないはず」  ラテン語には、変化のパターンがいくつか存在するが、mālum―りんご―はそのうちの一つ、第二変化名詞に属する。 「いえ、もう覚えましたよ?」  遥は席を立ち、ホワイトボードの前に立つ。黒のマーカーを手にしかけたが、少し考えて赤のものに持ち替えた。 【単数】 主格 mālum 属格 mālī

          【連載小説】語研活動日誌 #10