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こんな時は受診!妊娠週数別 異常な症状

妊娠中は心配なことだらけ...これは受診した方がいいの?様子を見ていていいの?と迷うこともあると思います。
妊娠中はマイナートラブルと言って、異常ではないけれど体の不調が出ることもあり、判断に困りますよね…

この記事では妊娠週数別に受診してほしい症状をまとめてみました!


妊娠初期(妊娠15週まで)

この時期は流産の危険性が高い時期です。またつわりが辛い時期でもあります。

・性器出血 ➡流産かも
12週までは着床出血と言って少量の出血が出ることがありますが、多い日の生理程度のドバっとした出血や、出血を繰り返す場合、腹痛を伴う場合には受診してください。12週以降は少量でも出血した場合には電話で相談しましょう。
着床出血については、別の記事で詳しく書いています⇩
https://note.com/midwith/n/nd334b0e1e5eb

・下腹部痛 ➡流産かも
生理痛のような下腹部痛や腰の鈍痛がある場合には流産の可能性があります。下腹部痛に出血が伴う場合には、流産か着床出血かを調べる必要があります。
ただ引っ張られるような痛み(牽引痛)やしくしくとする鈍痛、違和感などは正常な場合もあります。体を温めたり、横になって楽な体勢をとっても痛みが変わらない場合には、受診しましょう。
異常かどうかは診察してみないとわかりませんので、心配な場合は電話で相談しましょう。

・水が流れた感じ ➡流産かも
破水感といって、赤ちゃんを包んでいる膜が破け、中の水が出てくる症状です。尿漏れと勘違いしやすいですが、破水は病院で検査しないとわかりません。あれ?って思ったら受診しましょう。


・食べられない、飲めないほどのつわり ➡重症妊娠悪阻
つわりの症状は個人差が大きく、食べて吐くとすっきりする、空腹で症状が強い、食べては吐いてを繰り返す(食べづわり)、食べ物の匂いだけでも気持ち悪くなる...
など様々。全くつわりがない、食べものの好みが変わった程度という人もいます。
体重などは気にせず食べられる物、飲めるものをとってください。
食べられない、水分も摂れない、取っても吐いてしまう、という場合には、脱水になってしまうので、点滴による治療が必要です。

妊娠9週以降で突然に発症し、腹痛や発熱、頭痛を伴う場合には、他の疾患の可能性がありますので、すぐに受診してください。


妊娠中期(妊娠16∼27週)

つわりが軽減し安定期に入り、胎動を感じるようになります。貧血、腰痛、こむら返りなどのマイナートラブルも出現しだす時期です。

・出血 ➡切迫流産や切迫早産、低置胎盤、前置胎盤
12週以降に出血した場合には受診しましょう。出血は切迫流産や切迫早産の特徴的な症状です。また胎盤の位置が低く、子宮の出口と近い場合にも出血することがあります。
赤い出血や多い日の生理くらいの量の出血の場合には特に急いで受診してください。

・お腹が張る、下腹部痛 ➡切迫流産や切迫早産
こちらも切迫流産や切迫早産の特徴的な症状。下腹部が痛い、重たい感じがする、お腹が張る(硬くなる)などの症状がある場合はまず体を温めて横になり、楽な体勢を取ってください。1時間様子をみて、症状が変わらない時にはかかりつけ医に連絡してください。またお腹の痛みや張りがどんどん強くなる場合には1時間様子を見ずにすぐ受診しましょう。

妊婦健診などで切迫早産の傾向があるや子宮の出口が短くなっているという診断を受けた場合には、特にこの症状に注意してください。

また妊娠中は便秘になりやすいですが、お通じが溜まっていてもお腹の春原因になります。便秘の方は水分を多く取り食事を気をつけると共に妊婦健診の時に医師に相談しましょう。妊婦でも飲める薬を処方してもらうこともできます。

・水が流れた感じ ➡破水かも
破水感といって、赤ちゃんを包んでいる膜が破け、中の水が出てくる症状です。ホルモンの影響や大きくなるお腹によって膀胱が圧迫され、尿漏れもしやすい時期になります。破水は病院で検査しないとわかりません。あれ?って思ったら受診しましょう。


妊娠後期(妊娠28週~36週)

お腹が大きくなり、腰痛や貧血などの症状が強くなる時期。この時期はママの体への負荷も大きくなるので、合併症が起きやすい時期でもあります。

・出血 ➡切迫早産
出血があった場合には受診しましょう。出血は切迫早産の特徴的な症状です。切迫早産の診断がついている場合にはすぐ受診。
またこの時期には胎盤の位置が低い場合、すでに診断がついている時期です。低置胎盤、前置胎盤と診断を受けている時には出血したらとにかくすぐに受診してください。

真っ赤な出血や多い日の生理くらいの量の出血がある場合には、特に急いでください。


妊娠36週頃になると赤黒いドロッとした少量の出血が出ることがあります。これはいわゆる”おしるし”。心配しなくて大丈夫です。


・お腹が張る、下腹部痛 ➡切迫早産
生理的にお腹が張る時期です。1日3~4回程度なら様子を見て構いません。また動くとお腹は張りやすいです。横になると落ち着く張りであれば、大丈夫なことが多い。妊娠35週以降は1時間に1回程度の張りなら前駆陣痛と言って心配のないお腹の張りです。

子宮も大きくなるので、引っ張られるような痛みを感じる場合もありますが、これは牽引痛と言って問題ないです。


ただ
・下腹部が痛い、重たい感じがする、生理痛のような痛みがある
・1時間に6回以上または10分間隔でお腹が張る(硬くなる)
・15~20分間隔でも規則的にお腹が張る

などの症状がある場合はまず体を温めて横になり、楽な体勢を取ってください。1時間様子をみて、症状が変わらない時にはかかりつけ医に連絡してください。またお腹の痛みや張りがどんどん強くなる場合には1時間様子を見ずにすぐ受診しましょう。

妊娠36週を過ぎると、赤ちゃんはいつ産まれても大丈夫な時期となります。妊娠36週以降に上記のような症状があった場合には、陣痛カウンターをつけながら様子を見て、規則的なお腹の張りになるようであれば、陣痛かもしれないと電話してください。

・水が流れた感じ ➡破水かも
破水感といって、赤ちゃんを包んでいる膜が破け、中の水が出てくる症状です。この時期は尿漏れの症状がよくでます。
赤ちゃんの前側が破れた場合には、バッシャーンと水が流れるので分かりやすいですが、後ろ側が破れると尿漏れのようにちょろちょろとしか出ない場合もあります。

破水は病院で検査しないとわかりません。あれ?って思ったら受診しましょう。
尿漏れかな?と思っていても、ちょろちょろ流れるのが持続する場合には破水の可能性もあるので、受診してください。


妊娠20週以降から出産まで

・血圧が高い
 目の前がちかちかする(星が飛んでいるような感じ)
 胃が痛い、みぞおちが痛い
 頭が痛い
 気持ちが悪い      などの症状 ➡妊娠高血圧症候群

妊娠20週以降に血圧が上昇したり、尿蛋白が連続する場合には妊娠高血圧症候群という病気の可能性があります。血圧計が家にあるご家庭は少ないと思うので、血圧が高くなったときに現れる症状を上に書きました。このような症状があったら、次の妊婦健診を待たずに受診しましょう。
妊娠高血圧症候群ではなく他の病気の可能性もありま

・胎動がない ➡赤ちゃんが具合悪かったり亡くなっていることも
妊娠20週頃から胎動を感じるようになります。(経産婦さんはもう少し早い場合も)
赤ちゃんが寝ていると動かないという場合もありますが、半日以上全く動かないということはありません。
数時間様子を見て全く動かない場合や、いつもと違うと感じた場合は受診しましょう。

・激しい腹痛
 陣痛のように波がなく、ずっと痛い腹痛
 多い日の生理くらいの真っ赤な出血
 お腹がカチカチに硬い   などの症状 ➡常位胎盤早期剝離

胎盤が剥がれてしまっている可能性があります。このような時にはすぐにかかりつけ医に連絡し、救急車を呼ぶべきかを確認してください。
動けないほどの腹痛やドバっとした出血の場合には救急車を呼んでも構いません。


妊娠満期(妊娠37週以降)

この時期はいつ赤ちゃんが産まれてきても問題ない時期。急いで受診しなければいけないタイミングは、上の【妊娠20週以降から出産まで】に当てはまった場合のみです。

・陣痛
初産婦さんなら8分間隔、経産婦さんなら10分間隔になったら電話の目安

陣痛かな?と思ったら、まずは1時間陣痛カウンターをつけてみてください。
間隔は規則的?痛みは生理痛と比べて痛い?間隔が短くなっている?
そんな時は電話しましょう。

経産婦さんで前回の出産が早い場合や切迫早産などの診断を受けている方は、短い時間で赤ちゃんが産まれる可能性があります。
その他医師から気をつけるように言われていることがある場合には
1時間待たずに第一報として連絡してみましょう。


・破水
破水は何度も言うように検査してみないとわかりません。もし破水じゃなかったら、一度おうちに帰って様子を見ればいい!申し訳ないなんて思わなくていいので、あれ?って思ったら電話してください。


・帝王切開と言われていたのに

・逆子
・低置胎盤、前置胎盤
・双子、三つ子などの品胎
・前回帝王切開
・子宮の手術を受けたことがある
・赤ちゃんに異常があって陣痛には耐えられない可能性がある
・ママに持病がある
などの理由で帝王切開が決まっているにも関わらず、陣痛や破水のような症状があった場合には、緊急で帝王切開が必要となる場合があります。

1時間待たず、すぐに連絡してください。


電話をするときのポイント

上に書いたような症状がある時には、まずかかりつけ医に電話をすると思います。

その時には、ママ本人が電話をするようにしてください!

私たち助産師はお電話で聞く内容だけでなく、ママの息遣い、痛いときの様子、痛みの間隔、声色などで色々なことを予測しています。直接ママとお話しした方が、細かく質問できたり、ニュアンスを伝えることもできます。

日本語が喋れない、耳が聞こえない、声が出せないなど特殊な事情がない限りは、ママ本人が電話するようにしましょう。

症状が強く、本人が喋れないほどの場合には、すぐに受診が必要です。

またカルテを見ながらお話しを聞くので、診察券やカルテ番号などが分かるものを手元に置いておくとベストです。


いかがだったでしょうか。少しでも妊娠中のママの安心材料になることを祈っています🍀

妊娠中の症状は人それぞれです。
不安なことや心配なこと、気になることがあったら、電話で相談してみてください😊


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こんな記事書いてほしいなどのリクエストがあったらコメント💬で教えてください✨

以上助産師Rでしたー🦊






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