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まま×コロナ 今、産科はこうなってる その5

こんにちは。MidWithです。
妊娠、出産、子育てに関する役立つ情報を、現役助産師がお届けします💌

今回はまま×コロナの第5段です❗今回は今ホットな話題でもあるコロナワクチンについて。妊娠中、授乳中の人は受けるか迷うところだと思います…

少しでも不安解消のお助けになればいいなと思いを込めて🍀

ワクチンって打てるの?

副反応などで怖いニュースも多い中。。。妊娠しているのに打つのは怖いですよね…💉

ワクチンについては日本でのデータは少ないのが現状ですが、日本感染症学会や日本産婦人科学会が海外のデータなどを元に情報を出してくれています。

簡単に言えば、妊婦さんも授乳中のママもワクチンは打てます!

安全性に関しても、ワクチンを打たないで感染するデメリットよりもメリットが上回ると言われています。

妊娠後期の感染はわずかですが重症化や早産のリスクもあるといわれています。特に

・感染の多い地域

・感染のリスクの高い医療従事者等

・肥満、糖尿病、高血圧、気管支喘息などの基礎疾患を合併している方
は、接種の検討を推奨しているようです。

現在は国などが出している方針はメッセンジャーRNA(以下、mRNA)
のワクチンのデータを元にしています。(現在日本で打てるワクチンは全てメッセンジャーRNAのものです)


妊娠中の安全性について

コミナティ筋注の添付文書では、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種することと記載されています。

すでに多くの接種経験のある海外の妊婦に対するワクチン接種に関する情報では、妊娠初期を含め妊婦さんとおなかの赤ちゃん双方を守るとされています。また、
お母さんや赤ちゃんに何らかの重篤な合併症が発生したとする報告もありません。

米国の登録調査では、副反応の頻度は妊娠していない女性と同程度でした。致命的な副反応は報告されていません。

⻑期的な副反応は不明で、胎児および出⽣児への安全性は確⽴していない。情報が少ないのが現状です。こちらは生まれた直後から長期間にわたって行われる健診などでフォローしていきます。だからこそママ自身が受けようと思って受けることが大事。

また、流産や死産、早産などの頻度は一般的な妊婦さんと比べて上昇しないことが報告されました。

ただし、

現時点で mRNA ワクチンには催奇性(赤ちゃんの奇形)や胎児胎盤障害(胎盤と赤ちゃんの障害)を起こすという報告は無いですが、器官形成期(妊娠 12 週まで)は、偶発的な胎児異常の発⽣との識別に関する混乱を招く恐れがあるため、ワクチン接種を避けるべきと言われています。

12週までは赤ちゃんの体を構成する器官を作る大事な時期。この時期においては異常が起こると早産や流産の原因や先天的な奇形や障害の原因になるといわれています。正直、ワクチンがその原因かどうかの判断は難しい…ですが何かあった時に後悔したくないですから、避けましょうということです。


妊婦さんがワクチンを受ける時の注意点

①必ずかかりつけの医師に相談

まだ情報が少ないのが現状。必ずかかりつけ医に相談して、説明を受けてください。接種して良いかも医師が判断してくれます。そして、説明を受けた上でご自身が受けようと思うこと(接種に同意すること)が必要です。


②可能ならママや赤ちゃんを管理できる産科施設のある接種を受ける

なるべく接種前後に超⾳波やドップラー検査などで胎児⼼拍を確認してもらいましょう。接種後 30 分は院内で経過観察をしてもらいましょう。

直前検査が難しい集団接種や、産科のない診療所などで接種する場合、接種前後 1 週間以内に妊婦健診を受診しましょう。ママと赤ちゃんに問題がないかを確認してもらうと安心です。

また,接種後に腹痛や出⾎、胎動減少などの症状があればすぐに産科を受診するようにしてください。副反応かな?と思って様子を見ず、必ずかかりつけに電話受診してください。

③予診票に妊娠していることを書く

新型コロナワクチン接種の予診票には、「現在妊娠している可能性はありますか。または授乳中ですか。」という質問がありますので、「はい」にチェックし、医師の問診の時にも妊娠していることを伝えてください。

おそらくかかりつけ医から受けてよいと言われているか確認されると思いますので、「受けてよいと言われています。」と伝えてください。

④ワクチンを受けても感染予防はしっかりと

ワクチンを受けたからと言って100%感染しないというわけではありません。感染予防は続けましょう。

ついでにパパやパートナーには家庭内の感染を防ぐために接種を勧めましょう。


妊娠を計画している場合の安全性について

まだ妊娠を計画中で妊娠していない場合には、一般の人と同じです。

コロナワクチンは不活化ワクチンといって、コロナウイルスの感染する能力を失わせたもの。ウイルスを弱毒化した生ワクチンとは異なりますので、接種が原因の感染はありません。

よって長期的な避妊は不要です。

mRNAワクチンが生殖器に悪影響を及ぼす報告もなく、ワクチンのために妊娠のタイミングを変更する必要はありません。もし接種後に妊娠していたことがわかった場合も、ワクチン接種が妊娠に悪影響を及ぼすという報告はありません。ただ前でも話したように妊娠12週以前は接種を避けるべきと言われていますので

妊娠の可能性がある場合には、まず産科医に相談

妊娠の可能性がないけど、妊娠したいなと思っている方は早めの接種

です。


授乳中の安全性について

コミナティ筋注の添付文書では、予防接種上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討することと記載されています。

ワクチン接種後の母乳移行について調べた研究では、mRNAワクチンの成分そのものは乳腺の組織や母乳に出てこないと考えられています。ワクチン接種後のお母さんの母乳を飲んだ赤ちゃんで問題はみられなかったとの報告もあります。また、多少のワクチン成分を含んだ母乳を赤ちゃんが飲んだとしても、その性質からは赤ちゃんに悪影響が及ぶとは考えられません。

つまり授乳中のワクチン接種は問題ないと考えます!!

研究によっては、妊娠中や授乳中にワクチンを接種すると、ワクチンの抗体が一部臍の緒を通る血液や母乳に移行し、赤ちゃんに母乳を通して移行するなんてものもありますが…

まだまだ研究段階ですね。

授乳中の場合も、妊婦さんがワクチンを受けるときの注意点と同じです。



ワクチンを打ったら熱が出ちゃった…どうすればいい?

妊婦さんの場合、アセトアミノフェンの使用は可能です。商品名で言うとカロナール。

一方妊娠後期に避けるべきなのが、非ステロイド性抗炎症薬。いわゆるイブプロフェンやロキソニン。

市販でもないわけではないですが、市販はこの両方が混ざってる場合が多い。

妊婦さんでワクチンを受ける場合には、受ける前にかかりつけの先生に相談し、事前にカロナールを処方してもらうといいでしょう。

発熱した場合には早めに解熱剤を服用するようにしてください。


授乳中のママはアセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェン、ロキソプロフェン等)ともに安全に使用できると考えられます。

市販でもいいよと言われる場合もあると思いますが、念のため、かかりつけの医師に相談しましょう。処方してもらえることもありますし。


ちなみにインフルエンザワクチンの場合には、脳症のリスクがあるため、非ステロイド性抗炎症薬は避けられています。コロナワクチンがこれに該当するという研究結果はないのですが、研究段階なこともあり、避けられている印象です。


参考文献


記事を読んでくださりありがとうございます!いや。。。ワクチンの話題、長くなってしまいました💦長文失礼しました。

コロナの情報は毎日更新されています。研究が進んで明日には新しい指針がでていることも

タイムリーに記事にしたいけど。。。頑張って更新していきます!


次回の記事では、コロナ感染拡大下における仕事の記事の予定です。お楽しみに♪

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以上、MidWithより助産師Rでしたー


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