秋薔薇某日日記
某日。
ここ数年使っていた柔軟剤から、新しい柔軟剤に変えてみる。
家の中にこれまでと違う香りが満ちるようになった。
誰か違う人が住んでいるようで、もしくは知らない人の家にいるような気持ちで、そわそわと落ち着かない。慣れるまでにしばらくかかりそう。
匂いの持つ、こうした心理的な作用は、面白いなと思う。
某日。
子どもたちと風呂に入りながら、一緒に歌を歌う。
歌詞を覚えていなくても、多少音が外れていても、ただ歌うことを喜びとして楽しんでいる子どもたちの姿になんだか心が明るくなる。
ただ、のびのびと楽しく歌うということを忘れていた気がする。
はやりの歌をでたらめな旋律にうろ覚えの歌詞で、3人で笑い合いながら歌った。
開け放した窓から我々の声がご近所に聞こえていても、すみませんが本日はご容赦ください。そんな気持ちで。
某日。
毎年そうだけど、この季節は追い込まれがち。
今年も、仕事の締め切り、資格の講座、年末年始の準備、子どもの不調、夫の出張がわわわわーっと重なる。
結局体調を崩してしまった。
無理が効くと本人は思っていてもいつのまにかキャパを超えているので、その前からたっぷりと休むべきなのだけど。(それが一番難しいんだよなぁ)
ただ、忙しい中で、仕事関係の人とドラマの感想について話したり、友達と会う約束をしたり、LINEをしたり、夫とバラエティを見て爆笑したり。
そういう小さな、ささやかな場面の積み重ねに救われて生かされている気がして、ありがたい。
今年ももうすぐ終わり。
秋薔薇。
庭に植えている薔薇が律儀に春と秋に一度ずつ咲く。古い木で、私もめいっぱいお世話しているわけではないので、毎期1輪薔薇が咲けばよいほうなのだが、この秋は2輪咲いた。嬉しくなる。
昨年はこちら。やっぱり追い込まれていて笑える。いや笑えないか。
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