傷つけたくなくて深く傷つけた#5 助けてあげたい
のぼるは冬が近づくにつれてぼーっとしていることが増えた。
なつくんと一緒にゲラゲラ笑ってたと思ったら一人でぼーっとしてる。
寂しがりやののぼるは、以前はいつも誰かと一緒にいたから気になった。
授業終わったのに机に伏せたまま。
ゆう「のぼる、大丈夫?」
のぼる「あー、うん。眠い。」
ゆう「最近どうしたの?前と違うし元気ないし。本当におかしいよ。」
あまりの変わり様に聞いてしまった。心配すぎて。。
のぼる「ゆうは優しいなぁー俺のことずっと気にかけてくれて。」
だって、、好きだから。
めるちゃんが女友達と帰っていった。
のぼるがチラッと視線を送る。
めるちゃんが原因なのは明らか。。思わず聞いてしまった。
ゆう「めるちゃん?」
のぼるが明らかに動揺して反対を向いた。私、めるちゃんとしか言ってないよ。。
のぼる「ゆう?俺さぁ、、バカだったわ。」
みんなが帰った教室でのぼるはぽつりぽつりと話し始めた。
彼女と別れて一緒に行く予定だった夏祭りに一人でふらっと行ったこと。
めるちゃんも一人で来ていて、帰る方向も一緒だから少し夏祭り一緒にまわったこと。
めるちゃんはかわいい子って思ってたけど、実は学校以外では全然違ったこと。
よく笑うし、よく話す。
めるちゃんはたくさん人がいると緊張するんだって。
まさとと付き合ってること知ってたけど、帰り道で花火を見てる横顔が、あまりにも綺麗で気になってた。
のぼる「めるは学校でも自分を出せる相手を求めてる。まさとのこと好きだしうまくいってるけど本当の自分を出せないって。俺には、何でも話せるって。くだらないメールくんだよ。。家も近いから時々帰りとか会って一緒に帰ってた。でも俺もめるが好きって気づいてから、だんだんめるの態度に腹立ってきて。」
全然意識してくれないめるにむしゃくしゃして、顔が近づいたときにキスしようとした。
のぼる「すっげー拒否されて、俺後ろにふっ飛ばされたよ。そっから無視。」
そうだったんだ。直接聞くとやっぱりグサッとくる。想像したら胸が痛いよ。
のぼる「ゆう、俺はめるを助けてあげたい。俺には無理だけど、めるは心を開ける相手を求めてるんだ。俺はもう彼氏にも、友達にもなれないから。話そうと思っても無視されてるから。。」
ゆう「、、、」
無理だよ、のぼるの好きな人のために私が?
そんなにいい子じゃない。
のぼるは私のこと、全然わかってないね。
何も言えずに泣きそうになった。
そしてめるちゃんは何を考えてるの?
のぼると仲良くして、拒否して。
まさとくんとは付き合ってる。
私、めるちゃんのこと分からないよ。。
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