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「おはなし筋肉」がない

おはなし筋肉が私にはない。
おはなし筋肉とはおはなしを作る筋肉である。
おはなしを作る能力と言ってもいい。

なぜ筋肉かというと、持っていればトレーニングで鍛えることができるからである。
しかし持ってない筋肉は鍛えられない。
私はおはなしの筋肉がないので鍛えることもできない。
ちなみに相方はおはなし筋肉持ちである。
だから鍛えたら書けるようになった。
相方は概ねおはなし細マッチョくらいだろうか。

何にせよ私には鍛えればつくはずのおはなし筋肉がそもそもないのだと思う。

思い起こせば特殊文章教育を受けた小学生の頃、文章教育の一環で読書感想文をよく書かされていた&賞に応募させられていた。
その時先生に言われたのは
「お前のは読書感想文じゃない。論説文だ」
……。
なので今も論説文ならいくらでも書ける。
このnoteのように。

読書感想文も書けない論説脳に、さらなる空想が必要な架空の「おはなし」が作れるわけがない。

ろん‐せつ【論説】

〘名〙 物事の理非を論じ、主張を述べ、また解説すること。また、その文章。特に、現代では新聞の社説など時事問題について論じ述べたものをいう。論説文。

コトバンク


物事の理非を論じ、主張を述べ、また解説すること。
うん、間違いなく私のはこれだな。
物事の理非、主張、解説。
空想の入る余地がない。

ちなみに教わったのは読書感想文ではあったが、感想文に限らず文章作法の基礎とも言える。
以下がその教わった内容だ。
想定としては原稿用紙3枚分である。

  1. 書きたい内容を箇条書き

  2. 箇条書きを元に思いつくまま書く(原稿用紙10枚くらいのボリューム)

  3. 推敲しつつ重複削除などして無駄を削り圧縮×複数回で徐々に枚数減らして原稿用紙3枚に内容を詰めていく

先生には箇条書きも含め10回書き直せと言われた。
私は横着なので全部で3回しかやらなかった(箇条書き、好きに書く、圧縮1回のみ)
小学生だからもちろん鉛筆で原稿用紙にひたすら書き直しである。
これを10回繰り返すのである。
ちなみに横着で3回しか書き直さなかった私の読書感想文は一度だけ入選した。
明らかに感想文じゃなかったけど。

だがしかし論説脳の癖に箇条書きから膨らませるのは苦手だ。
箇条書きは箇条書きにしか見えず、膨らんでいかないからである。
多分絵でアタリを取るのが苦手、見ながら描くのが苦手、下書き苦手なのと同じだと思う。
同じラインをなぞるのがつまんないからだ。
完成品が見えてるのにその通り描かないのはイラチの私にはできない芸当だ。

なのでお絵描きと同じく文章も一発書きである。
その代わり脳内では最初から文章の状態で降りてくる。
はっきりしてるほどサクッと書ける。
そしてその方が出来がいい。
ただ推敲は気が済むまで行う。
かなりネチネチと。
多分他人から驚かれるくらい読み返して直し続ける。
意味が通るだけではダメで、自分の書きたい内容の「イメージ通りかどうか、それがすんなり伝わるかどうか」をものすごく点検する。
なので、何となくで書き流すことはない。
かなり確信的に書いている。
逆に言うと、確信のないことは書かないようにしている、確信が固まったら書くのである。

ちなみにこの文章は推敲含めて30分で書き上げた。
冒頭の書き出しからはっきり見えてたのでスルスルと。
既知の内容を書くだけなので、空想とかの余地が一切ないから余計に早い。

そんなわけで、架空のおはなしを書くのは本当に苦手なので、逆におはなし筋肉の持ち主の相方と組むのがちょうどよかったのだった。
めでたしめでたし。

謎のBuddhism風マッチョになってしまった
そんなつもりはなかったのだが
描き足していくうちに
なんかそうなってしまった
自分でもなぜかわからん
つか濃ゆ過ぎなんじゃ我ながら
(私は薄味スキー)

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