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吉田 翠*詩文*
2020年5月19日 16:13
花の命は短いと申しますが、この土地で桜の木が今年の花を付けたのは、随分と前のように感じます。青々とした立ち姿は、やがて老いた葉を落とすとは言え、ほんの少し背丈を伸ばし来年もまた咲き誇ろうと、上を上をと仰いでいる若者のようです。いったいどちらが主役なのでしょうか。それぞれがそれぞれに垣間見る物語がありそうです。短い花と、ながらえる葉。まるで宴の後のようなこの木の下で、わたしも自分の物語
2020年5月5日 18:44
帳が降りる前の赤く焼け焦げた空にも髪を揺らす風が吹く 物語の中も外も主人公はきっと女 見開いた瞳が捉えるものは無知ではいられない世界 恋にやぶれて愛を知りそれでも求めるものは情熱の色なのだと粗末なドレスにも皺を許さない スカーレット美しい女に背負わせた人生あしたは今日とは違う風が吹くならばわたしはわたしの道をゆく 女の一生の何を知っているのかと問われ