あなたの音、わたしの心
みなさんの心に残り続ける歌、ありますか?
とても久々の更新になってしまい反省しています。どうもアルでライターとして活動しています。midori(みどり)です。
アルでもなかなか記事を書けず、noteの更新も久々になってしまい『書く』ことから離れてしまいましたが、また書き始めたいと思います。
「あー、もうダメだなあ」と思いながら私生活では精神的に追い込まれながらバタバタした日々を過ごしていました。個人的に長い社会人生活の中で一番追い込まれていた気がします。そんな中でずっとわたしを支えてくれていたのが音楽でした。
マンガや読書も好きなのですが、心が死ぬとマンガや本を全く読めなくなるという事がたまに起きます。わたしだけでしょうか。
けれど音楽だけはどんなに心がボロボロになっても聞くことができます。そしてどうしてこんなに心を支えてくれるのか。
空いた耳にひたすら音楽を注ぎ入れて、日々を過ごしていました。
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昔から恋の歌が好きでした。
皆さんにも特別な恋の歌はありますか?
わたしはaikoさんの曲で青春時代を過ごしました。当時のわたしにはちょっと背伸びしがちな歌詞と独特なメロディの虜でした。世代的にはHYさんの曲も思い出深いです。
10代の頃、人生の苦味は全て恋愛のこと。家庭の問題や近い将来の不安なんかよりも、目の前の恋のことで脳細胞がギチギチに満たされていて、歌詞の中で何度も使い古された「愛してる」に気持ち重ねる日々でした。
大人になり、働き始めてから自分の人生の舵取りをするようになると背中を押してくれる音楽をよく聞くようになりました。
大人になり急に大きな原っぱに放り出されると、自分の目に映るものが全て大きく、その原っぱにはどんな夢を描くことも出来ました。前も後ろも右も左も、時には上も下もわからないその原っぱで足を踏み出すことすら躊躇われる時、多くのものに頼って寄りかかり進んできました。
マンガや読書も沢山助けてくれました。友人やパートナーの存在も同様です。しかし、最近は特に音楽の力に背中を押してもらう事が多くなりました。
そういえば先日アーティストのライブに足を運んできました。制限の多い中の開催でしたが、歌の言葉の一つ一つがビリビリとわたしの中に染み込んできました。時には曲の最中涙が止まらなくなり鼻を赤くしてズビズビ言ってみたり。
そのときふと、昔のある体験を思い出しました。
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当時、わたしはとても悲しい経験をしたのですがなぜか涙がでませんでした。きっと心がその出来事に追い付いていなかったんだと思います。しかし、事情を知る友達が、わたしに変わってわんわん泣いてくれました。
「ああ、なんであなたが泣いているの」と、冷静に目の前の事実を受け止めた後で自分でもびっくりするぐらい涙と悲しさがこみ上げてきました。いま思えばただただ、彼女につられただけかもしれませんね。でも友人がわたしの悲しいという感情を受け取ってくれて、彼女を通してわたしの感情をわたしに伝えてくれました。そのおかげで自分の「悲しい」「苦しい」という感情にようやく気づきました。
そのことを想い出した時、ああ、だから音楽がこんなにわたしの心にしみて包んでくれているのか、と理解できた気がしたのです。
でもこういう事って結構あるなと思ったんです。たとえば大学に合格した時にもわたしよりもお母さんが喜んでくれて、自分は少し遅れて合格を実感したなぁとか。
人は、時に自分の心に敏感に反応出来ないことがあるのだと思います。
ライブが始まり、その人が舞台に登場し静かにスポットライトが当たりました。ゆっくり語り掛けるように歌が始まります。
日々の忙しさに追いやられて、心の隅っこの方に追いやられていて自分自身も見て見て見ぬふりをしていたような感情が、舞台上のその人の中からその人の感情に乗せて自分に返ってきました。
わたしの代わりに友達が泣いてくれたあの日のように。
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「大丈夫、大丈夫」
そんな歌詞に、自分が不安に襲われていたことに気づきます。
「無理しないで」
自分が頑張りすぎていることに気づきます。
「そのままでいい」
自分がどこか無理していたことに気づきます。
「負けないで、諦めないで」
上手く行かない弱気な自分が励まされた気がします。
諦めたくないことに気づきます。
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自分じゃない誰かの感情がこもったものだから、自分では見えなかった自分の心に気づくことが出来るのかもしれません。だからこそ胸打たれ、多くの音楽に人々は魅了される。
ああ、これはわたしの歌だ
そんな素敵な体験を素敵な音楽と共にこれからも積み重ねていけたら。
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