英語で歌うと勝手に腹式呼吸になる? (腹式呼吸&お腹の支え)

前回は日本語と英語の最後の音の違い

母音で終わるか、子音で終わるか

そして、日本語だとフレイズの最後の音を母音で伸ばしてしまうという内容を書きました。

引き続き「母音」と「発音」と「腹式呼吸」のお話をしていきます。

腹式呼吸と支え

お腹の周りに浮き輪が付いたように、一瞬で沢山、深く息を吸って

腰のあたりに溜めて

一気にお腹がひっこまないように、 スーーーーと細く長く吐いて

吐ききったら一気に緩める、そしたらまた空気が入る。

音程がぶれないようにお腹で支えて!

吐く息の流れにのせて歌って!


管楽器の練習でもロングトーンは必要だし、腹式呼吸は健康にも良いから全く不要とは思いません。

ただ、お腹を固めて力を入れて絞っているだけ、息を吐き続けるだけだと辛いですね。

そもそも体の中は目に見えないから、やり方を間違えている可能性もあります。

私はよくこの練習で腰痛になりました。

そして実際に演奏する際に上手に関連付けることが出来ないまま何年も過ごしました。
かえって前の方が良かった、声が全然出てないね、力んでるね、、、

習ったのに逆効果

先生達は(現役のボーカリスト)それぞれの方法で素晴らしく上手に歌うのです。

できない私は能力不足か?

お腹をへこませ続けて、 お腹がへこまないようにキープして、

腹筋を固くして、 力を抜いて、、、

真逆の事を言われて一体どっちが本当なの?

結局何か所もレッスンに通い、答えを求めさまよいつづけました。

(言葉は非常に悪いですが、レッスン難民とはこのことです)

腹式呼吸や支えはボイストレーニングを学ぶと必ず教わる方法ですね。

(ケヴィン・レトーの下で学んだ森 先生のナチュラルボーカルアカデミーではお腹を押したり固めたり息を吐き続けるレッスンは一切やりません!!)

これ、一体何の為の練習なのでしょう?

本来は 歌手や、舞台俳優や、お話をする職業の方が

大きい声を出しても、長時間歌っても喉を傷めない、クリアで美しい音質でお話ししたり歌ったりする為、、、、、ですよね?

何故アメリカ人やイタリア人の声が大きいのか?

そもそも、、、、なぜアメリカ人やイタリア人の声はひそひそ声でも大きく聞こえるのでしょうか?

彼らの喋り声の声量だけを真似したら、日本人なら多くの人が声を枯らしてしまうでしょう。

骨格や体形の違いってそんなに決定的な問題かな?

どの国でも赤ちゃんの声は大きいです。

話は少し変わりますが、、、

中学から高校にかけて何度が英語の弁論大会に出場しましたが、優勝者と私の声の違いは明らかでした。

発音を良くする練習は随分やったし、アメリカ、カナダ、イギリス出身の友人や先生に相談しても、そんなに悪くないと言うし、、、、
けれど、声量、響き、つや、抑揚、表現力は無く、ボソボソして滑舌が悪く聞こえたのです。

当時は何を改善したら良いのかわかりませんでした。

ただ、感覚的に、響きが無く、音色が薄っぺらい、口先の発音練習では改善できない何か問題点があるのだなーと思ってはいました。

英語を話す時

そもそも英語を話す時はお腹も喉も使うし、喉も開くし、口角も頬の肉も上がります。M やN の発音をするには鼻腔の共鳴を使います。

日本の女子は高くてかわいい声で喋りますが、アメリカ人のキャスターや、女優や、ミュージシャンの話し声が随分低くて太く、響いて聞こえる聞こるのはそのせいです。

イタリア人も同じ?

これはイタリア人も同じです。
お腹から発声している感じの言語だし、息、呼気が下から上がってきて押し出されて声になる傾向にあります。
ベルカント唱法が産み出された国ですものね。

スペイン語は? フランス語は? ドイツ語は? ポルトガル語は? 

(各国の言語の特性や、文化的な背景、リズムや音階でフラメンコ、 シャンソン、サンバ、ボサノバなどが出来ました)。

クラシックの声楽でもドイツとイタリアでは唱法が違うと教えられます。

日本語の特性

浪曲、演歌、民謡、、、

日本語は母音を一個ずつ喉で発したり、喉から声を絞り出して押して伸ばす言語です。
気をつけないと喉が傷みやすいです。

表面だけ真似しちゃダメ

表面だけ真似をして、腹式、ドッグブレス、笑顔で口角を上げる etc をしても、
根本的にカタカナ英語、カタカナイタリア語の発音を直さなけれ音質は変わらないのですね。


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