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表現する~蓋をした感情を解放する~

感情の赴くままに自由に歌えたらいいのになあ、ってみんな思いますよね?

翼をつけて空を飛ぶみたいに、自由になれた気がしそう。

それで、思った通りに歌ったら感情の方が勝って音程を外す、
なんてことはよく起こります。


基礎練習、ボイトレ、新曲を覚える時は、感情は入れず淡々と練習です。

「練習」 と 「表現」 は 一旦は 別々にしましょう。

筋肉運動に 感情を 混ぜたらややこしいでしょ。

感情を込めながら ストレッチやラジオ体操する人がいたら????
想像しただけで変です、笑っちゃう!

でも 本来 「歌う」 という行為は、表現する為に あるのだから、
無感情っていうのもどうかな?

だって、素晴らしいボーカリストが歌うと、単なるスケールの上下だけでも
素晴らしい芸術的なフレイズに聞こえますから。

 
昔、習いに行ったボーカリストは、それはそれは上手で、声量もあり、
何でも歌えるレベルの高さで、伴奏されるミュージシャンにも評判の良い方でした。

ところが、表現するとなると
「バラードで泣かせようなんて思わないし、聞いてて泣く人の気持ちが分からない」 
などと、おっしゃるのでした。

だから、聞いていても「うまいな~」 とは 思うけれど、 心が動かされることはありませんでした。
勿論、表現はされていたのですよ。

声量の大小や、 音の長短やら 、、、、

アストラッドジルベルトみたいに、あえて淡々と歌うのも表現の方法ではありますが、、、、

「あえて悲しみに蓋をする。早く忘れたい。無かったことにする」
という手法もあるでしょうけれど。 

〇表現より「感情」が先

表現は 「方法」だから やり方、練習法はあります。
(練習方法については、 また 書きます)

表現って、表に出すことだ。
ということは、、、まず、自分の内側で感じることが 
「最初の段階で」必要なはず。

今、幸せだと感じる
癒された
前向きになれた、 勇気が出た
切なかった
あの時の頬にあたった風の感じ
雨の降り始めのときのにおいを思い出した
その時にさしていた傘の色
あの人の表情
笑い声
空が青く、どこまでも 自分の可能性も広がる気がした


歌詞を通して 感じれるか? 想像できるか?

自分が感じれないのに、聞いてる人には伝わりませんよね。


〇解放する

ただ単に 老人ホームや 病院で 昭和歌謡や童謡を手をたたきながら 、
子供の音楽教室で リトミック という名目で一緒にみんなで歌うことが
音楽療法ではないですよね。

ボケ防止や脳の発達の効果はありますよ。
手拍子と、歌うことによる 声帯 含め 筋肉運動も。
それだったら、音楽療法ではなくて、筋肉の為の運動療法
で いいんじゃない?

歌を聴いたら、 当時の辛かった事を思い出して泣いた
楽しかった記憶がよみがえった
子供の頃のことを思い出した


いつの間にか、蓋をしてしまって、なかったことにしたり、忘れてしまった思い出や、感情を引っ張り出す。
声と共に心の奥底にあるものを解放することが本当に癒すことに繋がると思うのです。

〇最初は自分の為に歌う

いつも聞く人が目の前にいるわけではない。
勿論、練習の時は一人です。

最初は自分の為に歌うのです。
主役は自分、観客も自分。

自分を癒すために、自分の感情解放の為に歌います。

ボイストレーニングの森先生のレッスンでは
鏡に映った自分を見ながら、自分に向かって歌詞を朗読する  という内容のものがありました。


最初はもごもご恥ずかしそうにするのですが、みんな 感情を入れようとすると泣いちゃって 歌えなくなるんです。

みなさんも是非、誰も見ていない所でやってみてください。

この作業を行った後の歌は、以前に比べたら はるかに表現力のある歌に代わっているはずです。

役になりきって、瞬時に表現する 俳優さん は凄いですね。

次回も表現について書きますよ。


是非チェックして下さい

私の主宰する教室のHP:https://www.nakanojazz-school-guitar-vocal.com/
ツイッター:https://twitter.com/midorinakano


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