ブルースのレパートリー①ブルージーな曲とブルースは違います!
前回は 「ブルース」とは何か?
具体的な形式(小節数、コード進行、歌詞の構成)について書きました。
コードの話をされても、まだジャズを歌い始めたばかりで初心者の方には少し難しかったかもしれません。
セッションや、ライブで 「最後にみんなでブルースを演奏しよう!」 と盛り上がっているのを見たことがありませんか?
そんな時「どうしたら良いのか分からなかった」という経験はありませんか?
ブルースと言われても「何を歌ったら良いのか分からない」ですよね?
そして結局 選ぶのは Route66になってしまう。。。。。
コード進行は確かにブルースなんですね(前回の記事で詳しく書きました)でも、構成や、雰囲気や、総合的に考えても、、、、間違いではないけれど、純粋なブルースとは呼ばないかも。。。。
ジャズのスタンダードナンバーで、歌もので、ブルージーな曲、という扱いです。
ということで、セッションで「ブルースを演奏しよう!」となると楽器を演奏する方々には、あまり喜ばれない曲です。
ブルージーとブルースは違います
ブルージーとブルースを一緒にしてはいけません。
例えば、この2曲は全くの初心者がブルースと間違える曲です。
Gee baby ain't I good to you
Come rain or come shine
ブルージーなだけで、ブルースではありません。
どうやったら違うと分かるのか?
それは楽譜にあるコード進行を見たらブルースとは全く違うからです。
コード進行が違う
ボーカリストは歌詞だけ覚えて歌いますが、伴奏者は当然、コード進行を見て弾きますよね?
ですから、3コード12小節の決まった形式、あるいは、そこから派生したジャズブルースのコード進行でなければ、それはブルージーな曲であってブルースではないのです。
ブルースのコード進行
前回の投稿で詳細は書きましたが、今回もブルースのコード進行を記載しておきますね。
3コードの基本形
C7 | C7 | C7 | C7
F7 | F7 | C7 | C7
G7 | G7(F7)| C7 | C7
コードが全くわからない、ピアノが苦手な方の為に書いておきますので、
キーボードや、アプリで弾きながら音色を確認してみてくださいね。
C7はドミソとシのフラット
F7はファラドとミのフラット
G7はソシレとファ(ナチュラル)
ジャズブルースのコード進行
3コードのみから派生して、少しおしゃれでモダンになったジャズブルースのコード進行
Route 66 もこのコード進行です。
C7 | F7 | C7 | C7
F7 | F#dim7| C7 F7| Em7 A7
Dm7 | G7 | C7 | Dm7 G7
F#dimはファのシャープ、ラのナチュラル、ドのナチュラル、ミのフラット
Emはミソシレ
A7はラ、ドのシャープ、ミ、ソ
Dm7はレ、ファ、ラ、ド
Gee baby ain't I good to youのコード進行
先程のGee baby ain't I good to youのコード進行を見てみましょう。
キーをCに直して、揃えて比べてみます。
(キーって何?という解説はそのうち投稿するつもりです)
ここでは量が多いので紹介程度で最初の4小節だけ。
A7 F7| E7 A7| D7 G7| CM7 Bm7b5 E7|
全然違うという事がたった4小節だけでわかりましたね。
という事は、、、、ブルージーに感じさせる理由はメロディーにあるという事です!!
ブルースに感じさせる為に、ブルーススケールというものを使います。
極端に言えば、コード進行は12小節のブルースでも、これを使わないとメロディーがブルージーにならないのです!
俳句や短歌でいうところの、 季語が無い 状態ですね。
ブルーススケールの事は、今後解説します。
次回は、ボーカルがレパートリーに出来るブルースの曲を紹介する予定です。
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