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好きなミュージシャン=あなたが求めているもの

長かったエンディングシリーズが一旦終了しました。
今回のお題は
「好きなミュージシャン=実は現在のあなたが欲している事」です。

質問コーナー

質問①
あなたの好きなミュージシャンは誰ですか?

質問②
なぜ好きですか?
あるいは、その人のどんなところが好きですか?

質問③
その「好きな部分」をあなたも持っていますか?
(同じ、共通する部分はありますか?)

質問④
その「好きな部分」をあなたも持っていますか?
(違いますか?ご自分には無い要素ですか?)

なんだ?今日は心理テストか? と、思われたかもしれませんが。

これだけ世界中に音楽があり、様々なジャンルがあるのに、
ジャズを好きになった理由は、皆さん恐らく私と同じで
「ジャズの自由さ」「熱い/クールでかっこいい」「おしゃれ」
だからだと思います。

マリーナ・ショウ


例えば、私の場合
最初にガツンと衝撃を受けたのはマリーナ・ショウでした。
フェイクやスキャットが何かも分からない、いや、もう、それどころか
ジャズを習った事も無い、、、なーんにも知らなかった時に京都でライブを見たもんだから倒れそうでした。
圧倒されるほどのギラギラしたオーラと、フェイクやスキャットや、
つまり華やかさと自由さに憧れたのです。
当時の私は秋田から京都に出てきたばかりで、地味で暗くて自分を表現する方法が見つからず、ひたすら悩み続けていた状態でしたから、
「見つけたぞ、これだったのか!」とばかりにジャズにのめり込みました。
マリーナ・ショウはブルーノートレーベル初のボーカリストであり、カウントベイシー楽団にも在籍してたし、凄い人だったのです。

Go away little boy


綾戸さん


その後、紹介されて初めてジャズを習いに行ったのは綾戸 智絵さんのところでした。
彼女のレッスンを受けて、再度衝撃を受けるのですが、、、
あの自由さとエネルギーに、温泉に入り過ぎて湯あたりしたみたいに
やられっぱなしでした😢
先生はあの時病気をされていて体調悪かったのに凄いパワーだったなあ。

綾戸さんには、
「勉強の為に色々聴け、ボーカルだけでなくインストも、勉強になるからカーメンも、でも、一番聞かなあかんのはシャーリー・ホーンやで」
と言われたのです。
綾戸パワーの衝撃波にやられている状態で、反対側にいるシャーリー・ホーンの静寂に包まれた状態など19歳で理解できるわけがないのよ。
だから良さが分からなかったのです。

エラ、サラ、カーメン、ビリーホリデイ、メルトーメ、シナトラ、トニーベネット、、、、きりがないくらいマストで聴かないといけない素晴らしい
ミュージシャンは沢山いるのですが、

アン・バートン


次に私がはまったのは、アン・バートンでした。
友達が誕生にレコードをプレゼントしてくれたおかげで出会ったのです。
彼女の良さは、ずっとそばで、さりげなく温かく、言葉が多くておせっかいで鬱陶しい励ましではなく、見守ってくれる存在であること。
母であり、姉妹で、親戚で、親友で、仲間であるような不思議な親近感。
だからサラヴォーンのような大ホールでスケール大きく歌うよりはこじんまり、真横に居る感じがします。
(誤解しないでね、実際はアンバートンは大きなホールでスケール大きく歌えますので)

この時はやたらと人が恋しく、見守ってくれる人も欲しかったし、強くならなきゃと思うけれど、頑張り続けることにも疲れて癒しを求めていた時期でした。
I could have told you(だから 言ったでしょ)という曲を一日中聴いていましたね。

Good life


シャーリー・ホーン



マイルスが、子育てや何かで(本当の理由はほかにもあるかも)地方に住んでいたシャーリー・ホーンを評価して引っ張り出して、それがきっかけで更に有名になったのも理解できます。
勉強の為にも色々、沢山、沢山聴いてきて、結局今はシャーリーホーンなのです。
19歳で綾戸さんに聞けと言われた頃は、さ~~~~っぱり理解できず、
こんなにゆっくりのテンポで歌ったら停まるやろ!!と思いながら
必死で理解しようとしている間は全く理解できなかった。
シャーリーと同じテンポで歌えるようにとバラードや息づかいも練習して、
完コピを目指して挫折。
あ~ら?不思議。
さすがに私も大人になり理解できるようになってしまいました。

マイルスが評価したのは彼女の美的センスであり、
無駄なものをそぎ落としたシンプルで華美でない美しさ、
日本で言うところの「わびさび」
天上の調べで、純粋無垢(本当の意味でスピリチュアルなのかもね)
まるで空間と一体化し、彼女の歌を聴いているはずなのに、
ふっと自分の人生の忘れてしまっていた過去の出来事を走馬灯のように思い出してしまう不思議な感覚。
私が!私が!私を見て!私を評価して!褒めて!
こんなにできることがあるよ!
という感覚を全く感じさせないニュートラルな感じ
(こういうのをワンネスというのだよ。似非スピリチュアルとは違うのだ)

自己アピールの強さがジャズなのだけど、
「クールジャズ」はそうではない。
マイルスが、ジャズをより一層アートの域に近づけようとしたし、
彼女の歌を評価した理由は聴けばわかると思います。


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教材のような内容の記事が2本と、不定期でエッセイを掲載する予定です。

ライブやセッションで使える実践的な内容を掲載します。ジャズボーカリストならではのお困りごとを解決する参考書的なマガジンです。

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