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岡山県鏡野町☆若葉のふるさと協力隊☆2022

4泊5日の農山村ボランティア「若葉のふるさと協力隊
今年は8月から11月にかけて各地で開催!

今回のレポートは9月に行われた岡山県鏡野町

5日間の様子をコーディネート役を務めた緑のふるさと協力隊・為国友梨と福井華奈子さんにレポートしてもらいます。

●日 程:2022年9月24日(土)~28日(水) 4泊5日
●参加人数:5名

1日目 9/24(土)

参加者の方5名と13時に津山駅で合流する予定が、前日の台風15号の影響で東海道新幹線が運休。時間通りに来られたのは3名のみとなりました。

津山駅から鏡野町の中央公民館へ移動し、オリエンテーションを行ったあと、スーパーで食料品の買い出しをしました。宿泊場所の耕心村へ向かう途中、観光を兼ねて苫田ダムと奥津渓を通り、紅葉が有名な奥津渓ではおすすめの写真スポットを教えてもらう場面も。耕心村に荷物を置いて、本日の温泉「花美人の里」へ。広いお風呂で一息ついて宿舎へ戻った頃に残りの2名の方が合流。自己紹介をする暇もなく温泉へ向かい、20時頃にようやく5人全員が集合しました。

全員が夕食を食べ終えた後、28期の協力隊OG池田さんが宿舎に来てくださり、翌日に行う足踏み洗濯の着付け講座を開催してもらいました。服の上から実際に着付けてもらい、着る時に気をつけるポイントを教えてもらいました。皆さん真剣に聞いていました。その後、改めて全員で自己紹介と5日間のスケジュールを説明し、期間中のお天気を祈願して、てるてる坊主を作ってもらいました。

同じように作ってもにじむ個性が可愛らしく、玄関につるして残り4日の晴れを心から願いました。


2日目 9/25(日)

朝は奥津温泉名物「足踏み洗濯」の体験をしてもらいました。女性陣は耕心村で基本的に自分で着付け、男性陣は民芸品販売の「石庭遊園地」の方に着付けをしていただきました。この日は、橋の上から見てくれるお客さんも多く、貴重な体験になったと思います。7人で行う足踏み洗濯は壮観だったそうで、交流会に来られた地元の方から話題になっていたと聞きました。

お昼前に富地域へ移動。午後から炭焼きでお世話になる「笑楽窯」さんのもとでBBQをしました。食事をしながら富地域のことや白賀川地域協議会のお話を聞かせて頂き、楽しい時間となりました。

午後から焼けた炭を窯から取り出す炭出しをさせてもらいました。窯の狭い口から中に入り、立てられている炭をトタン板に乗せて運び出す作業です。全員順番に窯に入ってもらいましたが『楽しかった!』とみんなイキイキしていました。

炭出しのあとは機械での薪割りとチェーンソーを少し触らせてもらいました。積極的に参加する様子が見られ、皆さんハードな作業の方がお好きなのかな?と思いました。

夕方少しできたので、「白賀渓谷を守る会」のメンバーでもある笑楽窯の方に白賀渓谷を案内してもらいました。散策をするほどの時間はとれなかったため車での移動、止まって説明という程度になりましたが、写真を撮ったり周りの自然を眺めたりと楽しんでくれていました。

そして、岡山県にある温泉の中で標高が一番高い「天空の湯のとろ温泉」へ。

夜の交流会には、上齋原や鏡野から地元の方が参加してくれました。
「かがみの田舎カレー」がなかなか出来上がらずドキドキしましたが、料理が出てくるまでの間、若葉の方たちと地元の方たちで色々なお話ができたみたいで良かったです。


3日目 9/26(月)

今回の活動のメインイベントとして考えていた3日目の「稲刈り」。お天気も良く一安心。

まずは金毘羅山散策へ。若葉のパンフレットに掲載した写真の風景が見られる場所で、展望台ではみんな静かに富地区の中心部を眺めていました。思いのほか金毘羅山からの眺めが気に入ったみたいで、みんなで登ってきてよかったな~と私たちも嬉しかったです。前日に活動した笑楽窯が見え、歓声が上がった時も。

ファームステイつきひ」さんに移動してまずは昼食のピザ作りをしました。生地を分けて丸めトッピングの野菜の収穫をし、洗って切って下準備。一人一人生地を伸ばして好みの材料をのせました。トマトやしかく豆、むかごなど、収穫したばっかりの食材のほかにも、冷凍していた春の山菜(コシアブラ・こごみ)も出してくださり、乗せきれないほどの食材の中からトッピングをして思い思いのピザを作っていました。

薪を入れた手作りのピザ窯で1人ずつピザを焼かせてもらい、大満足のお昼ご飯でした。念のために山椒やエゴマの葉を入れたおにぎりも用意していましたが、おにぎりがいらないくらいボリューミーなピザでした。

午後からは稲刈りをしました。田んぼも畑も自然農法でされているため、足元には細かな草が生えていました。鎌を手に思い思いのペースで刈り進め、ひもで束ねてハデ干しにするところまでさせてもらいました。

1人他の人の倍のペースで刈っている方がおり、来年もぜひ来てほしいと誘われていました。ハデ干しも最初はゆっくりやらせてもらっていましたが、時間がやや押しているとわかった瞬間から役割分担をして最速で!とスイッチが切り替わったのが目に見えました。協力して作業を行う姿勢は初日から感じられ、いい人たちに来てもらえたとあらためて思った瞬間でした。

今日の温泉はお風呂から奥津渓谷を眺めることができる大釣温泉さんへ。ややこじんまりとした落ち着くお風呂で、温度もちょうどよく稲刈りの汗を気持ちよく流しました。

耕心村に戻り、交流会のBBQ準備をしました。
炭火をおこす人、食材を切る人と上手に分担して作業を進めていました。協力隊のOG2名と富出身の若い方が1名、奥津在住の地元の方1名の計4名の方に参加いただき交流会を行いました。富出身の方にひらめ(あまご)の塩焼きを焼いていただき、若葉の方たちは頭までおいしく食べられることに驚いていました。協力隊のOG2人にはどうして鏡野町にいるのかなど移住した人の視点でお話があり、若葉の方の参考になったのではと思います。

最後に地元の方が草笛コンサートを開いてくださり、笑いの絶えない楽しい時間になりました。

4日目 9/27(火)

午前中は夕方から行う活動報告会の準備をしてもらいました。前日にどんな風にするかを決めていたようで、各々作業を進めていました。

お昼は道の駅に併設している「温泉亭」で田舎料理のバイキングを頂きました。昨夜のBBQで食べたひらめ(あまご)の頭が美味しかったそうで、ひらめの甘露煮でも頭側を好んで食べていました。

午後からはぶどうの収穫体験を行う予定でしたが、前日の夜から降っていた雨がやまずやむなく中止することに。相談の結果、かがみの近代美術館とOKUTSU芸術祭の作品鑑賞に変更しました。

近代美術館では館長さんの案内つきで天目茶碗と館長さん一押し作品の鑑賞をしました。芸術方面から地域活性化をしたいという館長さんのお話も聞かせていただき、若葉の方から「田舎への移住イコール農作業というイメージがあったけれど、そうではないやり方もあると学べた」という感想がありました。

今日の温泉は初日もお世話になった「花美人の里」へ。7人全員で行くことができてよかったです。温泉はこれが最後ということもあり、女性陣はそろって露天風呂に入りながらゆっくり話をしました。

18時から耕心館で活動報告会を行いました。若葉の活動でお世話になった方や役場の方を中心に多くの皆さんにお越しいただきました。

5人が4日間で体験したことや若葉に来た理由、得た気づきなど30分以上の立派な発表で、短い時間でよくまとめてくれたなと思いました。その後参加者の方から1人1つ質問または感想をお願いしたのですが、急なむちゃぶりにも若葉の方たちは真摯に考え回答してくれました。

「うさぎは食べたことがありますか?」や「鏡野町を一言でPRすると」などバラエティに富んだ質問で、回答の中には私たちが学ばせてもらうこともありました。報告会終了後は集合写真を撮り、最後の交流会を行いました。鏡野町の特産品である姫とうがらしを使ったマイ七味づくりのコーナーもあり、若葉の方たちだけでなく地域の方も楽しんでオリジナルの七味を作っていました。宿舎に戻った後も報告会が終わった解放感からかこの日は夜遅くまで楽しそうに話していました。

5日目 9/28(水)

あっという間に若葉のふるさと協力隊、最終日。

昨晩はみんな話に夢中になって遅くまで起きていたため全員寝不足でしたが無事起床・朝食。5日間お世話になった「耕心村」の宿舎をきれいに掃除をしてから出発しました。

午前中は上齋原の赤和瀬にある「うたたねの里 いっぷく亭」でアケビの収穫と加工を体験しました。いっぷく亭は、築150年の茅葺屋根の古民家を移築した郷土料理が楽しめるお食事処で、特に山菜の天ぷらは珍しいものが多く私たちも大好きです!この日は小雨が降っていたので、いっぷく亭に到着後、合羽・長靴に着替えて出発!「あんまりできとらんみたいよ~」と聞いていたのですが、アケビが採れる場所に向かうとビックリ!予想よりたくさんアケビが生っていました。高枝切り鋏の使い方を教えてもらい、みんなで「もっとこっち!」、「あと少し…おっきいの採れたね!」と夢中になってアケビを収穫しました。

お店に戻って、採ってきたアケビを見せると「1.2個とりゃええが」と言っていたお店の方も思わず笑ってしまう程の量で、みんな大満足のアケビ収穫体験ができました。

採ってきたアケビは、お昼ご飯の「アケビ定食」に。いっぷく亭ではアケビの果肉の部分を取り、皮に肉みそを挟んで焼いたものがアケビ定食として期間限定でメニューに登場します。みんなで採ってきたアケビの果肉を取り出し、皮を茹でて肉味噌を挟みました。取り出した果肉を食べてみると自然の甘さとは思えない甘味とねっとりした食感で、例えるなら熟したバナナに少し野性味が加わった味と食感でした。

何人かは種を噛むことにチャレンジしていました。(アケビの種は噛むと突き刺すような苦みとえぐみが口いっぱいに広がるので要注意!)

そして待ちに待ったお昼ご飯!アケビの肉味噌詰め、山菜の天ぷら、だんご汁など盛り沢山の郷土料理とお店の方とのお話を楽しみました。うたたねの里というだけあって、みんなのんびりした雰囲気に癒されていました。

その後、「道の駅 奥津温泉」で自由時間。鏡野町産の野菜をたくさん買う方、ひらめ(あまご)の甘露煮やぶどうを買う方など鏡野の美味しいものを持って帰りたい!という強い気持ちが伝わる思い思いの購入品を紹介しあって笑いあう場面も。

14時40分頃に津山駅に到着し、最後の集合写真撮影。初日は、駅で全員が揃った集合写真を撮れませんでしたが、最終日に無事全員揃ってここまで来れたことに安心しました。

また会いましょうね!ありがとうござました!と明るい雰囲気で解散しました。

【地域の方の感想】

若い人と話が出来て楽しかったというお話はたくさんの方からいただきましたが、活動報告会に来た方からは「良い発表だったね」「若葉の人たちにはまた鏡野に来てほしい」という声がありました。

それぞれがしっかりと考えを持って一つ一つの体験から学びや気づきを得ようと取り組んだことが伝わった、体験することの大切さを感じたという声もいただきました。

【参加者の感想より】

・想像以上に地域住民同士のつながりが濃かったことが印象に残っています。隣近所だけではなく、地域全体で協力して生活していることがわかりました。

・それぞれのプログラムで地域の方と関わることができて、とても勉強になりました。4泊5日という短い期間でしたが地域を見る視点が変わったと思います。何から何まで準備してくださった協力隊や地域の皆さんには本当に感謝しています。

・旅行ツアーでは味わえない体験や、地域住民の着飾らないありのままの話が聞けて良かったです。

・短期間でしたが様々な体験をさせてもらいありがとうございました。農業や自然環境の保全、伝統文化などの地域資源を継承する取り組みなど多くのことを学ぶことができて有意義な時間を過ごすことができました。

【緑のふるさと協力隊・為国さんと福井さんの感想】

「若葉」が始まる前に、日程を見てどういった流れ・段取り・雰囲気になるか想像(想定)はしていたが、いい意味でも悪い意味でも予想と違うことが起こり、おもしろいことあったが大変なことも多々あった。

年齢や、目的、何に興味があるのかといったことが5人全員バラバラだったが、プログラムを通して全員に何か1つでも得て、持って帰ってもらおうと意識していたことは伝わっていたと思うが、本音の部分でどうだったのだろうか、と思う。

若葉を実施したことで、私たちの方がより地域のことが見え、「もうお客さんじゃない」という気持ちが強くなったり、地域の人との繋がりや学ぶことが多かった。


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