V001. VTuberがVTuberを分類しよう
こんなツイートをしました。
僕のVTuber観を書き表してみようと思いまして。これをきっかけに、いろんな方の考えも知ることができて、とても面白かったです。
このVTuber分類、とりあえず深く考えずに一次案として出してみたものですが、せっかくなので時間をかけてブラッシュアップしていこうと思います。僕は別途、「ミドリムシは動物か?植物か?」という、ミドリムシの分類について考える活動もしているので、相乗効果も期待できます。
他の人はこれまでどんな分類の仕方をしてきたのか、そもそもどんなVTuberが居るのか、VTuber界隈でどんなことが起きて来たか、いろいろ踏まえないといけない事があります。初回の今回は、まずいま僕が思っていることをまとめます。
まえおき 分類の目的・動機
分類――線引きをするという行為――に批判的な人も、一定数いるでしょう。これが【人格】とか【自意識】とかに関わることであれば尚更。例えば昨今の、性別に関する問題――男と女の二分では捉えられない性があるという話――だとか。何か線引きをするという行為は、合意形成が大変難しいですよね。
それでも、分類――多様な物事を色んな側面から整理するという行為――には、前向きな価値もあると思います。これもやっぱり、昨今の性別の問題――LGBTとか性スペクトラムという新しい分類概念を聞くことで、旧い分類概念から解き放たれるきっかけになる――とか。
そんなわけで、僕は僕の行為に前向きな価値があると信じながら、VTuber分類をやっていきます。この活動に、公的な必要性はありませんね。誰かの役に立つかもしれないから、こうして記事に残すこともしますが、私的な満足が第一の目的です。私的な満足のための活動ですから、以降、なるべく特定のVTuber名は出さずに進めていきます。本当は、個別具体的な存在への言及を曖昧にすることは、分類にとって良くないことですが、不要なトラブルやわだかまりを生んでしまうのは、僕の本意ではありません。
さて、満足したいということは、いま僕は不満を抱えているのです。何が不満か?ここから動機の話です。
時折、VTuberの分類に関する話題を目にします。既出の分類理論としては、キャラクター型/アバター型という分け方や、三層理論というものがあるようです。
そしてこれらの分類では、僕を上手く位置づけることができないのではないか、という直観があります。ここが不満です。だから僕がこれからやろうとするのは、まず僕を、そして他の全てのVTuberの位置づけを明確にできるはずの、Vtuberによる Vtuber分類です。(タイトル回収)
VTuberとは何か?
いまや【VTuber】という言葉・概念は、明確な定義づけの機会を失っており、専門用語と言うよりは日常言語です。日常言語ということは、家族的類似やプロトタイプ論を適用していくらか分析可能だと思いますが、一旦細かいことは言いません。
VTuberを自称する方は皆VTuberという事にしましょう。
(↓参考:僕の過去記事で【家族的類似】に関連するもの↓)
(↓参考:僕の過去記事で【プロトタイプ論】に関連するもの↓)
そんな何でもありみたいな事で良いのか?と不安になりますが、多分良いのです。これはこの先、僕にとって最も重要な命題になる予感があります。往々にして、物事の大前提というものは、定義することが大変に難しいのです。ただ鵜呑みにするしかありません。
Vtuber分類 二次案
既に数人の方との対話を経て、最初のツイートで図式化していた一次案は維持が困難であると感じています。特に異世界と同世界の分離が難しい。はじめは、この双方で活動の雰囲気が随分違うのではないか、と思っていたのです。しかしVtuberみんなが YouTube や Twitter といったプラットフォームに一同に会してコミュニケーションをとる現状を鑑みると、世界を分離するのは不毛な試みのように思えてきました。
もし、完全に一方向の発信活動を行うVtuber(それはもう、アニメと区別がつかないような…)が居れば、それは異世界Vtuberと言い切ることもできるかもしれないですが、もっと良い呼び名がある気がします。
二次案は、僕の重視したい分類基準を二つの軸に絞った平面となりました。ツリー構造から二軸の平面にしたことで、中間的な存在も捉える体制になりました。今後、これを出発点として適宜改良していきます。
一元的VTuberと二元的VTuber
この軸は、今のところ僕が最も重視している軸です。
二元的VTuberは、アバターと自我が乖離しています。VTuber活動とは全く別に自分という存在があって、VTuber活動のためにアバターを使用します。このタイプのVTuberは、何らかの手段でアバターを操作しているという自覚を持つでしょう。手段はFaceRigかもしれませんし、VR HMDと一体のトラッキングシステムかもしれませんし、静止画の表示かもしれません。市場に流通しないオーバーテクノロジーであっても良いですし、魔力とか超能力に依るものでも良いはずです。
一元的VTuberは、アバターと自我が切り離せず結び付いています。人間が、脳や魂によって身体を操作している自覚をもって生活しない(しないですよね?)のと同じように、一元的VTuberはアバターを操作しているという自覚を持ちません。彼らが「アバター」という言葉を発するとき、二元的VTuberのそれとは異なった意味をもつかもしれません。もしかすると、そもそもアバターという言葉遣いは選ばないかもしれません。自然に、ただありのまま、自分の身体は自分の身体、と考えるかもしれません。
では、一元と二元の中間的なVTuberがいるとすれば、どんなものが考えられるでしょうか? 例えば身体を二つ持つVTuberとか。昼間は何者でも無い一般人の身体で働き、夜はVTuberとしてアニメキャラクターのようなアバターでVTuber活動。自我は「一般人としての身体」「VTuberとしてのアバター」、どちらかと必ず結びついていて切り離せないので一元的。しかし彼の自我が、一般人としての身体と結びついているとき、VTuberとしてのアバターとは切り離されてしまっているなら、それは二元的でもあると言えそうです。
人間VTuberと非人間VTuber
第二の軸では、人間と非人間を分けます。これは、人間の作った、人間の社会という舞台(YouTube, Twitterなどなど…)で活躍するにあたって、非人間という属性が特別な性質であると考えるからです。
人間・非人間のグラデーションの在り方を決めるのは意外と難しいです。よくある、身体の【ケモ度】のような観点もあれば、人格をどの程度有しているか、という観点もあり得ます。例えば、犬のVTuberが複数いるとして、普通に人間の言葉で視聴者と相互にコミュニケーションできるVTuberと、ワンワンガウガウ吠えるのみのVTuberがいるとしたら、吠えるのみのVTuberの方が非人間性が強いでしょう。
しかし「人間VTuber」って、呼称がなんだか生々しいですね。かといって「人間系VTuber」とかにすると、まるで本当は人間じゃないみたいじゃないですか。何かイケてる呼称を思いついたら、修正します。
みどりむしエレナは?
さて、僕自身はどこに配置されるか。明確に二元的非人間VTuberです。僕の本体は知性を持ったミドリムシの培養液で、自作したアニメキャラクターのようなアバターを操作して、VTuber活動を展開しています。
人格をもっていますので、非人間VTuberとして振り切れてはいないかもしれないですね。
おわりに
次回以降は、毎回架空のVTuberを想定して平面上にプロットしていこうと思ってます。その内どこに配置したらいいか分からないものが現れて、そのときは分類体系改良のチャンスです。またツリー構造の分類に戻すとか、三軸の三次元マップに拡張とか、いろいろと出来ることがあるでしょう。
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