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<3>ブックカフェ

連載小説【週末カフェ2510】

ブックカフェに来た。料理やガーデニングのコーナーを見た。
ひと通り周った後、カフェで休憩することにした。
私はストロベリーとチョコのジェラートを頼んで、
竹中くんはコーヒーを頼んだ。
「二人でのんびり外でお茶するの久しぶりだね」
「そうだなぁ、いつもバタバタしてるもんね。今日はゆっくりできて良かったね」
「うん、でも外だと落ち着かないよね?」
「まあねぇ……」
「竹中くん、最近ブログの方はどう?」
「ああ、最近は全然書いてないんだよ。書くことないし、
更新する気にもなれなくて……。
でも、何かあった時に、すぐに反応できる方がいいかなって思って、時々は書こうとはしてるんだけどね。でも、そんなに簡単にはいかないね。」
ブックカフェの次は一緒に映画を見に行くことにした。
「何の映画を見るの?」
と聞いた。すると竹中くんは、
「それは見てのお楽しみ。」
とのこと。なんだろ、気になるなぁ。

映画館に着いた。
チケットを買うため列に並ぶ。
私達が並んでいたとき、前のカップルの会話が聞こえてきた。
「この映画、楽しみだったよね!」
どうやら恋愛もののようだ。私は恋愛ものが苦手だから少し嫌になった。
中に入ると、たくさんの人がいた。席を探すとちょうど真ん中あたりに2人分の席があった。
隣同士に座って見ることにする。そして、上映が始まった。
フランス映画だった。
ピアノ教師の中年女性と年下の青年の間で繰り広げられる
すれ違いの恋をめぐる内容だった。
少年ジャンプの『ONE PIECE』が好きな竹中くんのセレクトのわりに、
ヘビーな内容でしんどい展開だったが、面白く力強い心理ドラマだった。
後味はけっこう悪かったので、映画が終わった後、
観客全員が重い雰囲気の中、照明が明るくなっていった。

 映画の後にラーメンを食べに行った。
特に店を指定しないと、竹中くんはいつもラーメン屋に行きがちだ。
「なんで竹中くんは今回あの映画を選んだの?」
「あぁ、話題になっていたから。でもなんか難しかったね。
失敗したかな、ごめん。」
「ううん、けっこう面白かったよ。シニカルな感じが
フランス映画っぽかったね。
私はけっこう好みだったかも。俳優も良かったし。」
「そっか。でもやっぱ次は呪術廻戦見に行くかな」
竹中君は、ジャンプ系の「友情」「戦い」「勝利」みたいな
ストーリーが好きだ。
「ところでさ、心春(こはる)のカフェ、俺のブログに書いてもいい?」
「えっ、ホント?いいけど。宣伝してくれるの?」
「うん、売り上げ伸び悩んでるみたいだし。
俺もブログのネタを探しててさ。いい感じに書いておくから。」
竹中くんのブログはフォロワーが多いので、宣伝してくれるとありがたい。
今日はあちこち出かけてとても楽しい時間を過ごした。また明日から仕事、がんばろう。

そして土曜日カフェ営業の日になった。
また一花ちゃんがお店に来てくれた。
「あの、実は明日デートなんですけど、
何を着ていったらいいか分からなくて。
それで相談に乗ってもらおうと思って来たんです。ダメですか?」
「全然大丈夫だよ!私で良ければ」
カフェ閉店後に2人でショッピングモールに行くことになった。
電車に乗り、ショッピングモールに向かった。

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