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人のセックスを笑うな 恋するものは皆真剣
人のセックスを笑うな 著 山崎ナオコーラ
主演永作博美が、笑っていいとも!でこの映画の宣伝をしていたのが鮮明に覚えている。『すみませんお昼から、、、』と申し訳なさそうに、恥ずかしそうに笑っていた。当時小学生の私は、とんでもないタイトルだ、、、どんないやらしい話なんだ、、、と子供ながらに引いていた。(永作博美にではなく、そのストレートすぎるタイトルに)
時は経ち、とっくに20を過ぎた私は、じわじわと気になっていたそのタイトルの小説に手を出すことになる。
美術系の学校に通う主人公のオレと、その講師ユリちゃんの、日常に転がっていそうな恋愛話。
特徴的といえば、2人は歳が離れていること、ユリちゃんは既婚者であること。
※ここからはネタバレ含みます。
この話の面白いところは、不倫を題材にしていないところ。もちろん、美化もしてない。
ユリちゃんは講師ではあるが、本来はアーティストである。絵を描く。自分の作品を手がける。
しかし、アーティストとしての苦悩を抱えている。
作品づくりは楽しいだけではない。
評価をされる。スポーツのように勝ち負けではない。その作品に出会った人の心がどれだけ揺さぶられるか。
自分さえよければ、というスタンスであればずっとアーティストでいられた。
しかし、ユリちゃんは絵を描くことをやめてしまう。
そして、オレの前から姿を消してしまう。
オレはユリちゃんのことを愛している。
好きになると、その形に心が食い込む。
というように、ぞっこんなのだ。まさに、好きになった人がタイプ!
しかし、恋なのか執着なのか依存なのか、わからなくなっていく場面もある。
でも、それも含め恋と呼んでいいはず。
もし神様がベッドを覗くことがあって、誰かがありきたりな動作で自分たちに酔っているのを見たとしても、きっと真剣にやっていることだろうから、笑わないでやって欲しい。
これがタイトルにつながる。
人のセックスを笑うな=
愛し合う2人はいつも真剣
年の差、遠距離、身分格差、、、様々な恋愛模様があるが、どの恋も馬鹿にはできない。
異論は認めません。真剣に恋愛する姿を優しく見守りましょう。神様も含め。
映画では、ユリちゃん役の永作博美がかっこよい大人の女性を演じている。部屋で煙草を吸うシーンが印象的だ。
オレの友人で、オレに片想いをしている、えんちゃん(蒼井優)がユリちゃんの個展で出されたお客さん用のお菓子を一気に食べるシーンも好き。大人なユリちゃんとピュアなえんちゃんの対比が伺える。
この映画は、ワンシーンを長く撮っているのが特徴だ。決して無駄ではない。美しく、印象に残る。
映画と小説では、設定、ラストが違うのでどちらも見てほしい。
ある意味タイトル詐欺。
あまりにもピュアな恋愛ストーリーだ。
会えなければ終わるなんて、そんなもんじゃないだろう
最後のオレのセリフも好きだなー。
このご時世だからこそ、グッとくる。
よいバレンタインデーをお過ごしください。
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