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slow dance ゆっくりでいい

あけましておめでとうから9日も経過しているのに、noteの更新は昨年で止まっているだと?
新年の挨拶をしないなんてどういうことだ。
と、いうことで、noteもしっかり新年に切り替えましょう。
あけましておめでとうございます。
年が明けたからって特別なことはないけれど、この一年は、自分にとって、確実に重要な年になります。
そのために、noteの更新もするし、読書もするし、自分の感性を研ぎ澄ましていく。


ここ最近、『スローダンス』という約20年ほど前のドラマをレンタルで鑑賞していた。
小学生の頃、学校から帰ると、夕方のアニメか、ドラマの再放送くらいしか楽しみがなかった。
そして、恋愛のれの字もわからない幼き頃の私が、なんとなくの気持ちで見ていたドラマの続きが、唐突に気になり始めた。
というのも、映画『ジョゼと虎と魚たち』を鑑賞して以来、妻夫木聡のかっこよさを再確認したからである。
TSUTAYAにレンタルの在庫があるため、毎週借りては家で鑑賞する日々を送っていた。
そして、今日、すべての回を、見終えた。

主人公の理一(妻夫木聡)は、高校の頃の教育実習生である衣咲(深津絵里)と偶然再会する。
理一は、衣咲から実習最後の挨拶で言われた『諦めたらそこで試合終了だ』という言葉を忘れられず生きていた。(理一は、このセリフがスラムダンクの受け売りだと知らずに生きてきた)
一度は夢である映画監督を諦めた理一だが、衣咲との再会をきっかけに、再び挑戦していく、という物語である。

若かりし頃のブッキーと煙草の相乗効果。

全話鑑賞前までは、ぶっきーかっこいい、福山雅治が歌う主題歌『東京』がおしゃれ、というふわふわした感想しかなかった。記憶の限りでは。
ただの平成ど真ん中恋愛ドラマ、という括りにしては勿体無い。
これは、夢を追いかけるすべての人のための物語である。
理一は映画監督という夢を諦めたが、衣咲の激励によって背中を押される。
『何歳でもいい、おじいちゃんになっても映画監督になることが夢です、でいいじゃない』というセリフは、一見浮世離れしているようであるが、夢を見ること自体は自由なのだと気付かされる。
たとえ、目標が達成できなくとも、そこですべてを投げ出す必要はなく、次の目標を設定し、夢を追いかけること。
口に出すと非常に呆気ないが、そこまでの辛抱強さと、ストイックさが、なかなか難しい。

私の夢は、恐らく、おばあちゃんになってからでも叶えられることであり、現実離れしていて、お金があればいいことでもなく、それこそストイックさが問われる。
しかし、この作品を見て、行動に移さないと夢には近づかないと感じた。
学生の頃、教師とか看護師とか保育士とか、名前のある職業を目標にしている人が羨ましかった。
自分には、そのような、はっきりした夢がないから。
歳をとると、だんだん自分に向いていることと苦手なことが少しずつわかってきて、そしてやりたいことだけをして生きていくことは困難だということも思い知り、それでもできそうなことだけでは心は豊かにならない、やりたいことをやってこそ、自分の心は豊かになるということも学んだ。

スローダンスに出会えたってことは、夢への第一歩なのかもしれない。


理一は映画監督への夢を叶えるため作品を撮り、衣咲は大阪へ転勤し、離れ離れになる。
そこで、理一は、自分と衣咲が巡り会えたことに対して、こう話す。

こういうのに終わりはないから、
好きだから終わりでもなく、
離れたから終わりでもない、
ゆっくり、ゆったり、続いていくんだね。

スローダンス。
ゆっくり、人生が続いていくこと。
ゆっくり、誰かを想うこと。
ゆっくり、夢に進んでいくこと。

この作品に再会できたことも、何かの縁で、私の中で、ゆっくり、続いていくもの。
辿れば、夢や憧れにつながるのだ。

あらゆる文明が凄まじい速さで発達する今日にこそ、こんなセリフを心に留めておきたい。


最後に、衣咲の母(高畑淳子)(脇役が豪華!)のセリフをひとつ。
あまりにも素敵だったので、巻き戻しまでして、急いで付箋紙に書き留めた。

悲しいときに手を握ってくれる人より
楽しいときに一緒に笑ってくれる人がいいな

悲しいときは、心が弱って、誰かにもたれ掛かりたくなり、目の前にいる優しくしてくれる人に甘えてしまう。
しかし、大切な人は、どんなに距離が離れていても、楽しいときこそ、より楽しませてくれる。喜びを分かちあってくれる。
理一と衣咲のようだ。
理一が映画の賞の結果を電話で報告するときに、衣咲は一緒に喜んだり、励ましてくれる。

友人役に田中圭、キンコン西野!豪華すぎる。
リメイクしたら、西野の役は粗品かな、と勝手に想像したり。

そして、この作品では電話のシーンが多く出てくる。
理一が衣咲に電話で話す『別に、何か用ってわけじゃないんだけど』がこそばゆい。
これ、好きな人にかける枕詞ともいえる。
このセリフを言っておきながら、恋愛感情をお持ちでないなら、法で取り締まってもいいレベルで、思わせぶりだし、胸が締め付けれる。甘酸っぱい気持ちになる。

LINEがないからこそ、すれ違うことばかり。
その分、キュンとすることもある。

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