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言葉という執着。


執着。僕は一つ一つに重い。
言葉、空気、空、月、物、死んでいく者、愛、全てにおいて僕は無駄な執着がある。

自分一人の考えに、毎日躓き、俯き、前が見えていない。僕を縛っている。

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定型文なんだよ。
謝れと言ったら、謝って。感謝すれと言ったら、感謝する。そのうち僕ら、死ねと言ったら死ぬんじゃないのか。なんて馬鹿げた話だ。

「ご」と打っただけで変換されて出てくる謝罪。
「あ」と打っただけで変換されて出てくる感謝。

ねえ、僕はそんなの要らないよ。
そんな軽い言葉、この世界に散々散らばっている言葉、僕は棄てたいよ。

そうゆう言葉って、言う度言う度に価値が薄くなっていくよね。
だって、1文字打てば出てくる言葉。
そんなのに価値をつけるなんて、難しい話だと思う。

ごめんなさい。 御免なさい。
僕だって散々言ってきた。けど、必ずとも最後まで文字を打つんだ。打ち続けるんだ。
ありがとう。有難う。
感謝は大事だって言う。そんなの知っている。けど僕は、言う回数ではなくその言葉の重さだと思う。

こんな考えはきっと、生きていく上で邪魔になっていくんだろうな。
切り捨てられていくんだろうな。

次は、なにを打ったら。どんな文が出てくるの。
ねえ、僕に教えてよ。
悪口ひとつ、自分の文字ではなくなる時代。
「し」と打ったら「死ね」。
「き」と打ったら「消えろ」。
いい加減にしたらって言葉が僕を刺し続けてくる。

不思議だよね。

人を傷つける言葉は簡単に打てるのに。
人に助けを求める言葉はどんなに頑張っても送れない。言えない。伝えられない。
「た」と打って、「助けて」と出ない訳では無い癖に。
最後の送信ができないままで。

言葉という執着。
それはむしろ、僕にとって呪いなのかもしれない。
執着という言葉で括った、呪いなのかもしれない。

言葉は不思議だ。
魔法なんだ。この世界で唯一誰でも使える。
魔法なんだ。人を殺すことも、生かすことも出来る。
神様が与えた魔法。
みんな平等に、使えてしまう呪い。

僕はもっと、深い言葉がほしい。
重い言葉がほしい。

1文字打って出てくるような定型文。
僕はそんなの、いらないよ。

「愛している」
僕にとって、価値を失ってはいけない言葉。

ねえ、君にはこの言葉の重さはわかる?。

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