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ナイルの庭
2021年6月13日 08:10
九月の四分の一 大崎善生「ドイツイエロー、もしくはある広場」の前編にあたる、四作品で構成される短編集。「ドイツイエロー…」は女性語りに対し、こちらは男性語りになる。そのなかでも、圧巻なのは、時空を越えるなにかの縁(えにし)を感じてしまう「ケンジントンに捧げる花束」だ。以前、なにかで読んだことがある。愛する信じる待つこれができる女性を男性は手放したくないし、必ず幸せにしよ
2021年4月24日 09:38
大崎善生が描く美しい喪失の物語。この小説はキャトルセプタンブル容認できない海に、やがて君は沈むドイツイエローいつか、マヨール広場での四つの短編で構成されている。どの作品も読後、感情がどっと溢れだすように涙がこぼれてしまう。そのなかでも、主人公ではないのだが、堪らなく魅力的な登場人物がいる。それは「容認できない海に、やがて君は沈む」のお父さんだ。「あんなにきっぷがよ