体が心を揺さぶってくるんだけど、そんな権限知らない。やめてよ。
最近どうも体の調子が悪い。
大したことじゃないかもしれない。些細な不調がたくさんある。
この些細な不調に、かなり滅入っている。
お腹が痛かったり、吐き戻しそうになる感覚が続いたり、だるくて何も手につかなかったり、
今は一昨日から全身を蝕んでいる謎の皮膚炎に滅入っている。
三木成夫先生の「内臓とこころ」という本をいただいて読んでいるが、
自分のこと幽霊だと思っているような人間には、
体と心の、心は内臓、心も体、というお話が、
この鬱陶しくて忌々しい肉体は紛れもない自分だと突きつけられるようで、少し苦しい。
ただの魂の容れ物ではなく、思考や感情・気分といったものが、
はらわたの調子にリンクしていて、どうも揺さぶられる。
身体なんてどうでもいい。死ぬまでの居処でしかない。
というわけにもいかないのか。
体の表面に「私」がにじり出る。
この爪の形も私が滲んでいて、足の裏の硬いところも、たびたび痛くなるお腹も、目の下のクマも、緊張してかく冷や汗も、重たくてだるい頭も、なぎれもなく私で、この体に心はめちゃくちゃ左右される。
容れ物だと思っていたのに、こちらをコントロールしようとしてくる、干渉してくる、揺さぶってくる、なんなの!?と思う・・・。
何様なの身体。
身体様の横暴っぷりに全然ついていけない。というか、ムカついてしまう。
生身の人間として生きる苦しさよ。
肉体と精神のすり合わせの難しさよ。
「私」がどこに所在しているのか分からなくなってくるし、
「私」なんていうものはいないのかもしれない。
この鬱々とした気持ちが、内臓の機能の副作用なんだとしたら、
悲しい気持ちが、体の反応なんだとしたら、心が体なのだとしたら、
私の居場所なんてないのに、肉体に雁字搦めにされて、
どんなに思いを巡らせても、それは私の体の作用でしかなくて・・・
どんどん悲しくなってきた。
身体様のご機嫌をとることが「私」のご機嫌につながってしまうことが悔しい。
こんな体、要らない、どうでもいい、ボロボロでいい、
仮の宿のような気持ちでいたけど。
そうもいかないみたい。
大切にする気なんてこれっぽっちもなかったし、
苦しい。
私の心は私だけのもの。操られているなんてごめんだ。
世話のかかる身体様への怒り。
解脱への祈り。
付き合ってられん。
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